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2023.07.12

「剣呑」の正しい読み方や意味を解説! 使い方や類語・対義語もご紹介

剣呑は「けんのん」と読み、危険を感じている様子や不安を感じている様子のことを意味します。本記事では剣呑の正しい意味や使い方、類義などを解説していきます。間違って使うことがないよう、改めて確認していきましょう。

「剣呑」の読み方や意味とは?

何となく手にした雑誌、LINEニュース、スマートニュースなどを見ていると、「あれ? この字、何と読むんだっけ」と思う漢字に出合うことってありますよね。この記事で紹介する「剣呑」も、きっとそんな言葉の1つなのではないでしょうか?

解らないままにしておくと、いつか、何かの折に恥ずかしい思いをすることにもなりません。この記事で「剣呑」の意味と読み方、そして類義語や対義語などを再確認し、その上で「剣呑」の正しい使い方をしっかりとマスターしていきましょう。

(c)Shutterstock.com

剣呑の読み方と意味

さて、「剣呑」の読み方ですが「けんのん」と読みます。あるいは、「剣呑(けんのみ)」と読む場合もあります。読み方によって意味が大きく異なりますよ。それぞれの意味を解説していきましょう。

先ずは、「剣呑(けんのん)」と読む場合の意味を説明します。この場合の意味は、

・危険を覚えるさま(危険を感じている様子、そぶり)

・不安を感じるさま(不安を感じている様子、雰囲気)

具体的な場面を想定して説明する方が、分かりやすいでしょう。例えば、あなたが住んでいる地域の雨風が強くなって、近くの川が危険水位に達しようとしている状況の時には「剣呑」と表現することができます。

つまり、何となく嫌な予感、危険が迫っている感じがする場合に使うことができる熟語です。川の堤防が決壊して、大洪水で自宅が床上浸水になり、自分の命が危うい状況で「剣呑」と表現することは不適切です。

さて、別の読み方で「剣呑」を(けんのみ)と読んだ場合には「荒々しく叱りつけること」という意味になります。表現としては、「剣呑を喰わす」とか「親父から剣呑を喰らった」というように用いることができるでしょう。この場合の「剣呑(けんのみ)」は、「剣突(けんつく)」と同意語になります。

剣呑の語源

剣を呑み込むトリックや大道芸がありますが、「剣を呑む」とは随分と危なっかしい表現ですね。それにしても、妙な表現だとお感じになりませんか? もともと「剣呑」は、「剣難(けんなん)」という熟語が語源だったとされています。「剣難」は、漢字の通りで「刃物で殺傷される災難」を意味する熟語です。

その意味から、やがて「災難が予感されるさま」という意味に転じました。読み方も「けんなん」から「けんのん」に変化して、「剣呑」という字が当てられるようになったとのことです。語源については、ご理解いただけたでしょうか?

剣呑の正しい使い方を例文でチェック

1:「厳格な父親が帰宅した途端、家の中が剣呑な雰囲気になった」

この表現は、煙たい父親が帰宅したことで、何か咎められはしないかとビクビクしている雰囲気を表現しています。

(c)Shutterstock.com

2:「クライアントとの新規プロジェクトに関する契約について、午前中からずっと剣呑な交渉をしている」

この表現は、厳しい契約交渉をしている状況下で、いつ交渉が決裂してもおかしくない場合を表しています。

「剣呑な交渉」はこの他にも、「自分が優勢になってきたので、『剣呑な交渉』を対戦相手に使った」という使い方もできます。この場合の『剣呑な交渉』とは、トレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』のカード名のこと。このカードは、相手を圧迫している状況で使うのが効果的です。

3:「グラブルの真理の土を効率よく集めるには、『剣呑なお香』を周回すればいいよ」

グラブルとはスマホ向けソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』のこと。この例文はグラブルをやっているプレイヤー同士の間の会話で使うことができます。

グラブルのトレジャー「真理の土」を手に入れるには、フリークエスト「剣呑なお香」を周回するのがおすすめ。プレイヤー同士のアドバイスとして、こうしたセリフが発せられます。

剣呑を使う際の注意点とは?

大雨特別警報は「剣呑」な状態なの?

「剣呑」は、危険な状態になる前であり、危険を予見している状態において使われる言葉です。誰が見ても危険な状態であると認識できるような場合や、怪我をする確率が高いケースにおいて、「剣呑」を使うのは不適切な使い方となります。

ですから、気象庁が大雨特別警報を発令している状態を「剣呑な」とは表現できないのです。「剣呑」は、あくまで「危険に感じる」「不安に思う」という「予測・予感」レベルで使うようにしましょう。

「剣呑、剣呑」の使い方と意味は?

「剣呑」は、時として話し言葉として「剣呑、剣呑」と二回重ねて使う場合があります。この場合は、「危ない、危ない」や「くわばら、くわばら」と災難を避け、近付かないようにする時に使う表現と同じです。「剣呑、剣呑」と重ねて使う事で、恐怖心や危険度を強調する意味合いがあります。

「剣呑」を使い過ぎると、ネガティブな人、臆病者と受け止められる?

「剣呑」は、危険に感じたり、不安がる状態を表す熟語です。使い方によっては、「リスクがあるから止めておく」とか、「危険だから近づかない」というような、ネガティブな人であるとか、臆病者のように思われる可能性がありますから注意しましょう。

剣呑の類語と対義語もチェック

1:類語<危うい・やばい・立ち入るべからず>

「剣呑」の類語としては、「危うい」「やばい」などが挙げられます。いずれも、危ない状況を察知したり、危険な感じがする時に使う言葉。そうした観点で考えると「立ち入るべからず」の看板も「剣呑」に置き換えることができるかもしれませんね。

不安な気持ちを表す時は、「危惧する」「心騒ぐ」「怖気付く」などを類語として覚えておくと良いでしょう。

2:対義語<安全・安泰・安心>

「剣呑」の対義語は「安」の付く熟語、「安全」「安泰」「安心」などです。どれも「危険」や「不安」などとは反対の意味を持ち、心の安定や危険のない状況を表しています。その他、危険性を含まない静かな状況を表す「平穏」「静穏」なども対義語の仲間です。

「剣呑」の英語表現は?

「剣呑」を、和英辞書で検索すると最初に「insecure」が出てきます。この「insecure」を使う場合は、心の不安や、安全ではないという意味を表現したい時に使用します。同じ意味合いで「unsafe」を使うこともできます。

それでは、実際の使用例をご紹介します。

「When did you get so insecure?」(あなたは、何時そんなに不安になったのですか?)

「A cybersecurity official declares wireless networks hopelessly insecure.」(サイバー・セキュリティーの担当者はワイアレスによるネットワークは全くもって安全ではない(剣呑な)ことを明かした)

また、「危険な状態」を表す「剣呑」を表現したい場合には、「dangerous」「risky」「hazardous」などを使います。実際の使用例をご紹介します。

「You can’t continue the dangerous game forever.」(いつまでも剣呑な綱渡りはしてられない)

「She is in a risky situation.」(彼女は剣呑な状況にいる)

最後に

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「剣呑(けんのん)」の意味や使い方はご理解いただけたでしょうか?「剣呑」は、「危険を察知」することを意味する熟語。つまり人間の第六感を表した言葉でもあります。近年、女性をターゲットにした物騒な事件も多発しています。また、地球温暖化の影響か、各地で大規模な災害も多くなっています。

そんな事件や災害に巻き込まれないためにも、自分自身の命や身を守るための行動「剣呑」が必要になってくるのではないでしょうか? ぜひ、日々の生活の中で「剣呑」を磨くことをお勧めいたします。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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