「十把一絡げ」とは? 読み方・意味・由来を知ろう
「十把一絡げ」は間違いやすい言葉なので、注意が必要です。意味や由来とともに、使い方も紹介していきます。ビジネスでも広く使える言葉「十把一絡げ」をこの機会に身につけてみましょう!
「十把一絡げ」の意味と読み方
さて、冒頭でもお話しした「十把一絡げ」の気になる読み方。「じっぱひとからげ」と読むのが正しい読み方です。
「十把一絡げ」は、大きく分けてふたつの意味を持っています。ひとつめの意味は、いろいろな種類のものを区別なしにひとまとめにして扱うこと。要は「区別なく一緒くたにして扱う」ということですね。
続いてふたつめの意味は、ひとつひとつ取り上げるほどの価値がないものとしてひとまとめに扱うことを指します。ただ一緒くたにするだけでなく、価値が低いものとして扱うということです。
「十把一絡げ」の由来
では、この「十把一絡げ」はどのように生まれた言葉なのでしょうか。「把」は、束ねたものや矢を数える時に使う助数詞です。したがって「十把」とは「十束」のことを指します。また「一絡げ」は一括りという意味です。
束に差異があっても、そんなことは気にせず一括りにして取り扱うということから「十把一絡げ」という言葉が生まれました。
十把一絡げの使い方を例文でチェック
続いて「十把一絡げ」は実際の会話の中でどのように使われるのか紹介していきます。
「『最近の若者は…』と十把一絡げにされると無性に腹が立つ!」
この例文の「十把一絡げ」は、一緒くたに扱うという意味で使われています。こう言われて嬉しい人は中々いないですよね。日常会話やビジネスシーンで「十把一絡げ」という言葉を使う時は注意しましょう。
他にも「彼女はハイブランドアイテムも安価なアイテムも十把一絡げにクローゼットに置いている」などというように使います。
「季節外れの洋服がワゴンセールで十把一絡げに販売されていた」
この例文の「十把一絡げ」は、価値のないものとしてひとまとめに扱うという意味で使われています。ワゴンセールに自分が購入したものも含まれていると、複雑な気分になってしまいますよね…。
他にも「趣味が変わってしまったので、以前は大切にしていたアイテムをフリマアプリで十把一絡げに売り払った」などというように使うことができます。
「友人は今日合コンで出会った男子たちを十把一絡げにしてバカにした」
「十把一絡げにする」という表現もよく使われます。意味は「一緒くたに扱う」で変わりはありません。
他にも「今の彼の言動だけを切り取って十把一絡げにして考えるのはあまりにも料簡が狭い」などというように使います。
十把一絡げの類語や言い換えにはどんなものがある?
「十把一絡げ」と表現したいけれど、堅苦しい感じがするからもう少し柔らかく言い換えたい時もありますよね。そんな時は「十把一絡げ」と同じ意味を持つ言葉を一緒に覚えておくと便利です。ここでは、類義語と対義語を紹介します。
類義語|一緒くた
これまで「十把一絡げ」の説明でも出てきた、「一緒くた」はもちろん類語です。雑多な物事が秩序なくひとつになっていることを指します。「冷たいものも温かいものも一緒くたにエコバッグに詰め込んだ」などというように使います。
類義語|ごちゃまぜ
「ごちゃまぜ」の意味は、いろいろな物が無秩序に入り混じっていること。こちらも「十把一絡げ」の類語といえますね。「彼は資料をごちゃまぜに積んでいるだけだから、いつも自分のデスクで探し物をしている」などというように使えます。
類義語|一括
「十把一絡げ」のみっつめの類語は「一括」です。「一括」には、ひとまとめにして扱うことという意味があります。「彼は今日の飲み会の代金を一括して支払ってくれた」などというように使うことができます。
類義語|二束三文
「二束三文(にそくさんもん)」は、品物をまとめて安く投げ売りする時などに使われます。販売というシーンに限られますが、価値のないものとして一緒くたに扱うという意味では「十把一絡げ」と共通しますね。「閉店時間が迫ってきたので、残り物は二束三文で売られた」などというように使います。
対義語
「十把一絡げ」の反対の意味を持つ言葉にはどのようなものがあるでしょうか。「個別扱い」や「オンリーワン」など、一緒くたにせずひとつひとつを特別に扱う言葉が当てはまりますね。人に対しては使えませんが、優れたものとして選ばれたものという意味を持つ「特撰」も対義語に当たるでしょう。
最後に
「十把一絡げ」について解説してきました。生活やビジネスシーンでも「十把一絡げ」という言葉が当てはまる機会は多いのではないでしょうか。とはいえ、目の前の相手に対して使ってしまうと、不快な思いをさせることになってしまうことも。この言葉を使う場合は、注意しながら使用してくださいね。
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