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「レペゼン」の意味とは?
あなたは「レペゼン」という言葉を聞いたことはありますか?
福岡出身のアーティスト集団・Repezen Foxx(レぺゼンフォックス)なら知っている、という人は多いのではないでしょうか? さまざまなアーティストとコラボし、これまでに100以上の楽曲を生み出してきた新世代のアーティストで、2024年1月にリーダーであるDJ社長が活動休止を発表したことでも話題になりました。
この「レペゼン」、主にラッパーやMCがマイクパフォーマンスの際に用いられる言葉です。レぺゼンフォックスのおかげで急激に一般化した、2020年代の音楽シーンを代表する言葉のひとつと言えます。
レペゼンは「代表する、象徴する」を意味するヒップホップ用語。英単語の「represent」が由来です。本来は「レプリゼント」と読み、ラップ以外の場面でも使われる言葉になります。
ラッパーやMCがライブの冒頭などで、「レペゼン〇〇!!」と、自身の出身地域の前に「レペゼン」とつけてシャウトすることがあります。しかしながら、ラップをする際に「レプリゼント」という言葉を使うのには大きな問題がありました。それは、「レプリゼント」が6文字のため、「出身や代表を表現する際に語呂が悪い」という理由です。
ラップという文化は、「韻を踏むこと」を重要視します。韻を踏むポイントは単語の母音を合わせること、そして「文字数を合わせること」。このポイントを押さえなければ、きれいに韻を踏むことは難しいのです。
「レプリゼント」は6文字でしたね。ところで、皆さんは日本国内の地名で、6文字の地名をいくつ思い浮かべることができますか?
6文字の地名を挙げるのは難しいと思います。しかしながら4文字だとどうでしょうか。いくつも地名が思い浮かぶと思います。「レプリゼント」という6文字を「レペゼン」という4文字に置き換えるだけで、ラップで使える言葉の幅は大きく広がりますね。
「represent」という単語が長く、使いにくいこと、そして日本人が「represent」と発音をすると「レペゼン」のように聞こえること。こうして「レペゼン」という日本独自の言葉が生まれました。
とはいえ、「レペゼン」という言葉の意味が「代表する、象徴する」であることから、あまり広く使われている言葉ではありません。YouTubeやラッパー、ヒップホップに興味がある人以外には伝わらない可能性が高いため、日常生活で使用する際には注意しましょう。
レペゼン以外によく使われるヒップホップ用語
「レペゼン」のように、ラップバトルをする際によく使われるヒップホップ用語は他にもあります。もしかすると聞いたことがある単語もあるかもしれませんね。
ライム
「ライム」は「韻」を意味する言葉です。英語では「rhyme」と書きます。先述の通り、ラップは韻を重要視するため、この「ライム」という言葉はよく使われます。
バイブス
「バイブス」の主な意味は、「情熱」や「雰囲気」。さらには「説得力」といった意味でも用いることができます。由来は英語の「Vibe(バイブ)」。「バイブス上げていこう!」といった使い方をします。
a.k.a(エイケイエイ)
「レペゼン」のようにライブの冒頭やラップの始まりに用いられることが多いです。意味は「ニックネーム」、「またの名は」であり、使い方は「名前 a.k.a ニックネーム」。元は英語の「also known as」であり、各単語の頭文字をとって「a.k.a」となりました。
レペゼンの正しい使い方は? 例文をご紹介
1:「レペゼン沖縄のラッパーだ!」
最もよく使われる例文です。ラップなどでは大げさに表現をするときに使います。そのため、「出身」ではなく「代表」という意味で用いられることが多いです。この例文の場合だと、「沖縄の代表であるラッパーだ」という意味になります。
2:「レペゼン男子として言いたいことがある」
元がヒップホップ用語のため、1つ目以外の使い方はあまりされません。しかしながら、「レペゼン」は地名以外にも用いることができます。この例文では「男子を代表する」という意味になります。
レペゼンは海外でも通じる表現?
「レペゼン」は海外でも通じるのでしょうか? 「レペゼン」は「represent」という英語が変化した言葉でしたね。「レペゼン」は和製英語のくくりに入ります。そのため、残念ながら海外では通用しません。
外国人に「レペゼンジャパン」と伝えても相手は意味が伝わらず困惑されてしまうでしょう。それでは、海外で出身を伝えるにはどう表現すればよいのでしょか。
英語で出身を表現する際には「from」を用います。そのため、「from Japan」といえば日本出身だと伝えることができますよ。海外で出身を伝えるときに誤って「レペゼン」を用いないように注意しましょう。
また、「レペゼン」のように、日本人には伝わっても海外では通じない言葉は他にも存在します。例えば「バニラ」です。正しい発音は「vanilla(ヴァニラ)」なため、海外のアイスクリームショップで「バニラ」と頼むと、発音が似てる「バナナ」だと思われるそうですよ。
「レペゼン地球」→「レペゼンフォックス」に
先述した「レペゼンフォックス」はもともと「レペゼン地球」という名前で、2016年から活動を始めた、ネット上で有名なDJの集団です。旧Twitterがきっかけで有名になりました。本業はDJ活動なのですが、YouTubeやXでも活動をおこなっています。そのため、YouTubeやSNSで「レペゼンフォックス」を知る人や活動を見る人が多いため、YouTuberだと思われがちです。
「レペゼンフォックス」は5人集団であり、リーダーの「DJ社長」を筆頭に「DJふぉい」「DJ銀太」「DJ脇」「DJまる」とマスコットキャラクターの「卍ジェニファー卍」がいます。2018年に行われた幕張メッセでのワンマンライブのチケットは即完売し、観客1万5千人を動員するほどに。しかしながら権利関係のトラブルにより2020年には一時解散、「レペゼン地球」という名前が使用できなくなり、2021年6月に「レペゼンフォックス」という名前で活動を再開、東南アジアなどに活躍の場を広げています。
現在、YouTubeのチャンネル登録者数は「公式チャンネル」が約412万人、RepezenFoxx-Companyという海外向けチャンネルは約144万人。また、「HIKAKIN」や「はじめしゃちょー」といった大物YouTuberや「宮迫博之」や「田村淳」など、数々の著名人とのコラボや、さまざまな”炎上”でお馴染みです。
最後に
ここまで「レペゼン」について説明してきましたが、理解できたでしょうか? あまり日常生活で使う言葉ではありませんね。しかしながら、SNSなどであえて大げさに表現をしたいときなどに使用すると、ちょっと面白いアピールにできることでしょう。
言葉は使い始めると、周りも意味を理解してくれます。あなたも「レペゼン」の発信者になり、周りに「レペゼン」を広めてみませんか?
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