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BEAUTY

2020.04.20

【医師監修】アンチエイジングが癌を呼ぶ? 歳を重ねても若々しくいる方法は?

国立がん研究センター研究所でがん幹細胞研究分野分野長をつとめ、がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている増富先生の健康コラム。今回は、アンチエイジングについて。

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

細胞のがん化とアンチエイジング

(c)Shutterstock.com

「不老不死」は人類にとって永遠の夢であり、課題ともいえる。しかし、不老不死というと、なんだかオシャレ感がなくて、「長髪、白髪で長い髭を生やした仙人」をイメージするのは私だけでしょうか。おなじような、概念を表す言葉でも、「アンチエイジング」といえば随分と印象も変わる気がする。同じことでも表現方法を変えると印象が変わる。今回は「アンチエイジングは本当に可能なのか」ということを書こうと思う。

◆がん研究

(c)Shutterstock.com

医学の世界は、一般の人には「お堅いイメージ」があるかもしれない。私の日々の専門領域である「がん研究」となるともっとお堅いイメージだと思う。日本抗加齢医学会というアンチエイジングを研究する学会の評議員会に参加しているときに、「なんで先生がこんなところにいるの?」と抗加齢医学会の理事の偉い先生に言われたことがある。がん研究とは同じ医学の世界の人から見てもお堅いのである。

では、なんで私が「こんなところと表現されるほど、オシャレなアンチエイジングの世界の評議員」として会議に出ているかというと、ずっと「不老不死」の研究をしてきたからなのです。オシャレな表現をすると、私は「アンチエイジング」の研究者なのだ。

◆若々しくいるための方法

(c)Shutterstock.com

「がん」と「アンチエイジング」ってどんな関係あるのと思われるかもしれない。簡単に言うと、「(細胞の)がん化」と「(細胞の)アンチエイジング」って実は同じこと。というと、誤解を招いて大騒ぎになるので、もう少し解説すると、そもそも、細胞ががん化したときに、がん化を何とか食い止めようとするブレーキ作用を生き物はもっている。その役割を担うのが細胞老化ということになる。

すると、頭の回転の速い賢明な女性からよく尋ねられる質問に行き着く。

「先生、アンチエイジングしたらがんになるんですか?」

いつも私は答える。「心配ご無用。そもそもアンチエイジングなんて不可能だから」すると皆さん残念そうな表情になる。でもひとついえることがある。歳を重ねても若々しくいるために医学的に合理的な方法がある。

1. 高タンパク低カロリーの食事を心掛ける(タンパク質は筋肉の源)。

2. 運動をする(筋力の維持は若々しさの源)。

3. 睡眠をとる(睡眠中に出るホルモンは成長ホルモン。成長ホルモンはそもそも若者のホルモン)。

4. お化粧を含め、肌に直接塗るものはそれなりの効果は期待できる(詳細は私にはわからないので専門家に聞いて頂きたい)。

5. 日々のオシャレに留意する(Oggiなどのファッションや美容の専門書を参照されたい)。

どこかで、みたような感じもするが結局のところ、美しさや若さの源は同じなのだ。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

国立がん研究センター研究所 がん幹細胞研究分野分野長 増富健吉

1995年 金沢大学医学部卒業、2000年 医学博士。
2001年-2007年 ハーバード大学医学部Dana-Farber癌研究所。2007年より現職。
専門は、分子腫瘍学、RNA生物学および内科学。がん細胞の増殖と、コロナウイルスを含むRNAウイルスの増殖に共通の仕組みがあることを突き止めており、双方に効く治療薬の開発が可能かもしれないと考えている。
専門分野:分子腫瘍学、RNAウイルス学、RNAの生化学、内科学
趣味:筋トレ

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