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2023.04.02

「八十八夜」って何? その由来やあの歌の歌詞の本当の意味を知ろう!

八十八夜といえば、「夏も近づく八十八夜〜」という歌を思い浮かべる方も多いかもしれません。八十八夜は、立春や啓蟄、春分といった「二十四節気」を補完する「雑節」の1つです。本記事では、八十八夜の由来や歌の本当の意味について解説していきます。

八十八夜とは?

(c)Shutterstock.com

八十八夜と書いて、「はちじゅうはちや」と読みます。皆さんは「八十八夜」についてご存知ですか? 「夏も近づく八十八夜〜」という歌を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。今回は「八十八夜」の由来やこの歌の本当の意味について探っていきましょう。

八十八夜について

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八十八夜は、立春の日から「八十八日目」であることからその名がつきました。ですから、年によって、日にちは異なります。

八十八夜は、立春や啓蟄、春分といった「二十四節気」を補完する「雑節」の1つです。雑節とは、二十四節気や五節供のように中国から伝わったものではなく、日本人の生活文化から生まれた日本独自のもの。主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっています。

立春から数えて八十八日目を、なぜ「八十八夜」と呼ぶようになったかというと、ちょうどこの頃が種まきや田植えの準備、茶摘みなど春の農作業を行う時期にあたっていたからです。八十八夜の数日後は、二十四節気でいう「立夏」。昔の人びとはこの時期を、「夏の準備を始める目安」ととらえていたのです。

八十八夜の茶摘み

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「八十八夜に摘まれたお茶を飲むと病気にならない」とか、「新茶を飲むと長生きする」などという話を聞いたことはありませんか? こうした縁起のいい様々な言い伝えが八十八夜には残っています。今でもお茶の産地では、八十八夜「新茶」に関するイベントを行っているところも多いんですよ。

このように、八十八夜が縁起のいい日とされるのには訳があります。1つは、その成分です。お茶の新芽に含まれる成分は、八十八夜前後のものが一番豊富。というのも、お茶の葉は、冬の寒い時期にゆっくりと養分を蓄え、春になると少しずつ芽を出し始めます。

このため、いち早く芽吹いた茶葉を収穫してつくった新茶(一番茶)は、その後に摘まれる茶葉よりも栄養価やうまみ成分が多く含まれているのです。昔の人は、成分を調べる技術や知識がなくても、経験的に「新茶」が優れていることを悟っていたのでしょうね。事実、新茶・一番茶は、その後に収穫される二番茶や三番茶に比べて、爽やかで甘味が強いとされているんですよ。

もう1つは、「お米」と「お茶」の関係です。八十八夜はちょうど田に籾を蒔く大切な時期。そして、「八」は末広がりな姿をしていることから、縁起のいい数字とされています。また、「八」「十」「八」の3つの字を組み合わせると「米」という字になるため、農業に携わる人びとに大切にされてきたのです。ですから、その時期に採れる新茶は、縁起がいいとされているのですね。

「八十八夜の別れ霜」、「八十八夜の忘れ霜」とは

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「八十八夜の別れ霜」、「八十八夜の忘れ霜」という言葉を聞いたことはありますか? 長い冬が終わり、季節は春。八十八夜を迎える頃には、寒い地方でも天候が安定してきます。

八十八夜を過ぎれば、霜がおりるほど冷え込むことはありません。その年の最後におりる霜のことを「別れ霜」と呼び、これが済んだ頃合いを見計らって人びとは農作業を開始していました。

遅霜は、農作物に大きな被害を与えます(泣き霜)。しかし、「八十八夜」を過ぎれば、遅霜がおりることもなく、気候が安定するので、農作業を本格的に開始する目安とされてきたのですね。

八十八夜2023年はいつ? いつから数えて八十八日目かも紹介

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八十八夜2023年は5月2日

2023年の八十八夜は、5月2日(火)になります。二十四節気では「穀雨」、七十二候では「牡丹華(ぼたんはなさく)」に当たります。この時期は気温が上がり始め、朝方冷えることもなくなり、昼間は汗ばむような陽気となってきますよ。

八十八夜の数え方

八十八夜は漢字が表す通り、八十八日の夜が過ぎた日という意味。二十四節気の「立春」から起算して八十八日目に当たる日が「八十八夜」となります。

2023年の立春は2月4日。そこから数えて、88日目が「八十八夜」にあたるので、5月2日(火)となります。例年5月2日となることが多いのですが、閏年では日にちがずれることも。

八十八夜の歌の意味について

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八十八夜の歌とは

冒頭でもご紹介しましたが、「夏も近づく八十八夜」という歌詞の歌を聞いたことがある方も多いのでは? これは文部省唱歌の『茶摘み』の一節です。改めて、歌詞をご紹介しましょう。

1:夏も近づく八十八夜

野にも山にも若葉が茂る

あれに見えるは茶摘みじゃないか

あかねだすきに菅の笠

2:日和つづきの今日このごろを

心のどかに摘みつつ歌ふ

摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ

摘まにゃ日本の茶にならぬ

実際の茶摘みの時期は九州から北上していくので、八十八夜の時期は関西地域の茶摘みが最盛期を迎えます。歌詞にも出てきますが、絣(かすり)に赤いたすきがけの茶摘みの衣装は、この季節の風物詩でもありますね。

『茶摘み』の歌詞の意味とは?

八十八夜は、お茶の新芽を摘む時期であることから、この歌は生まれたそうです。『茶摘み』は、日本の茶摘みの風景を切り取った歌。この歌をきっかけとして、「八十八夜といえば茶摘み」というイメージが定着しました。また、この歌詞の通り、八十八夜の数日後には、暦の上での夏の始まりである立夏を迎えます。

最後に

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「八十八夜」について理解が深まったでしょうか? 先人たちの知恵が詰まった、「八十八夜」という日を改めて噛みしめるとともに、移りゆく季節を大切にしながら、毎日を過ごしたいですね。

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