和菓子を食べたときに感じる、あの独特の柔らかさ。その食感を生み出しているのが「求肥」です。もち米由来の弾力を持ちつつ、餅とは違った軽やかな口どけが特徴です。しかし、漢字で表記すると、何と読むかわかりにくいですね…。
そこで、この記事では、求肥の読み方や意味、和菓子の材料としての魅力を見ていきましょう。
「求肥」の読み方・意味・由来を解説
まずは、「求肥」の読み方を確認し、言葉の背景や成り立ちについて紹介します。

「求肥」の読み方と意味
「求肥」は「ぎゅうひ」と読みます。「求肥」は「求肥飴」を略したものです。辞書で意味を確認しましょう。
ぎゅうひ‐あめ〔ギウヒ‐〕【▽求肥×飴】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
白玉粉を蒸し、白砂糖と水飴を加えて練り固めた菓子。白く半透明で弾力がある。求肥餅。
「求肥」とは、白玉粉を水でこねて蒸し、それに砂糖と水飴を加えて練ったものです。お餠のように柔らかくて弾力性があるのが特徴ですよ。
「求肥」の由来
「求肥」という言葉の語源は、牛のなめし皮のように柔軟であることから名付けられたといわれていますよ。元々は「牛皮」と書いていましたが、のちに「求肥」の字が当てられるようになりました。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「求肥」と「羽二重餅」の違い
求肥と羽二重餅に、違いはあるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
求肥と羽二重餅の主な違い
まずは「羽二重餅」の意味を辞書で確認します。
はぶたえ‐もち〔はぶたへ‐〕【羽二重餅】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 羽二重のようにきめ細かく滑らかな餅。
2 羽二重のように柔らかく作った短冊形の求肥(ぎゅうひ)菓子。福井市の名物。
求肥は幅広く和菓子に使われる基本的な生地であり、弾力が強いのが特徴です。一方で羽二重餅は、求肥を加工したものの一つであり、より薄く滑らかな仕上がりになります。
そのため、羽二重餅は単体で食べることが多いですが、求肥は包み込むように使用されることが多いという違いがありますよ。

求肥の作り方とレシピ
求肥は家庭でも手軽に作ることができます。電子レンジや鍋を使った方法があり、それぞれ仕上がりに違いがありますよ。
レンジで作る求肥のレシピ
電子レンジを使うと、短時間で求肥を作ることが可能です。以下に、基本的なレシピを紹介します。
【材料(約400g分)】
・白玉粉:150g
・砂糖:80g
・水:180cc
・片栗粉:適量
【作り方】
1.耐熱ボウルに白玉粉、砂糖、水を入れてよく混ぜます。
2.ラップをかけて電子レンジ(600W)で1分30秒加熱します。
3.取り出して全体を混ぜ、再びラップをしてさらに1分30秒加熱します。
4.バットに片栗粉を敷き、その上に加熱した生地を入れ、お好みの大きさに切ったら完成です。
この方法は、短時間で求肥を作りたいときに便利です。ただし、加熱時間は電子レンジの機種やワット数によって異なる場合があるため、様子を見ながら調整するといいでしょう。
鍋で作る求肥のレシピ
鍋を使ってじっくりと練り上げることで、よりなめらかでコシのある求肥を作ることができます。以下に、基本的なレシピを紹介します。
【材料】
・白玉粉:100g
・水:200ml
・砂糖:90g
・餅とり粉(コーンスターチや片栗粉など):適量
【作り方】
1.鍋に白玉粉、砂糖、水を入れ、ダマがなくなるまでよく混ぜます。
2.中火にかけ、木べらで混ぜながら加熱します。生地がまとまってきたら火を弱め、半透明で弾力が出るまで練り上げましょう。
3.バットに餅とり粉を敷き、練り上げた生地を取り出して広げます。上からも餅とり粉をまぶし、冷ました後、好みの大きさに切って完成です。

市販の求肥はどこで買える?
求肥を自宅で作るのが難しいと感じる方や、手軽に利用したい方には、市販の求肥を活用するのも一案です。以下に、求肥を購入できる場所や、業務スーパーの商品について紹介します。
求肥はどこで購入できる?
求肥は、Amazonや楽天市場などの通販サイトで取り扱っていますよ。求肥を市販品で手軽に取り入れることで、和菓子作りの幅が広がります。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
最後に
求肥は、和菓子に欠かせない素材として広く親しまれています。手作りすることで、和菓子作りの楽しさを味わうことができますし、市販品を活用すれば手軽に取り入れることもできます。求肥の魅力を知ることで、より多くのスイーツを楽しめるようになるでしょう。
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