弁護士堀井亜生さんの恋と仕事のスッキリ法律相談 PART9
テレビで人気の弁護士・堀井亜生さん。人間関係トラブルに詳しい堀井さんが、ダメ男、ダメ上司など、Oggi世代の女性たちがハマってしまったトラブルをスッキリ解決する連載です。
第9回目は、広告関連会社に勤務する、早川千明さん(仮名・35歳・年収550万円)
第8回記事▶︎「年収一億の夫、ある日突然モラハラ化…! どうすればいい?」
第7回記事▶︎「不倫してないのに付きまとってくる上司とその妻への対策!」
第6回記事▶︎「仕事が落ち目の彼氏… どう接するのが正解?」
第5回記事▶︎「付き合った彼氏が既婚者… どうしたらいい?」
第4回記事▶︎「彼に貸したお金… 回収するにはどうしたらいい?」
第3回記事▶︎「優しい彼のギャンブル癖、止めさせることは可能?」
第2回記事▶︎「結婚秒読みの彼に女装癖が発覚。受け入れたいけど…」
第1回記事▶︎「小説家志望のDV彼氏。アザができるほど殴られ… でも別れられない」
◆彼が私に恋愛相談!? 一体何を考えているの?
2歳年上の彼と結婚を前提に同棲して半年になります。彼はデザイナーをしていて、かなりの売れっ子です。男友達も女友達も多く、交友関係がとても広い人です。バツイチで、子どもはいません。
同棲してわかったのですが、彼はどんなことでも私に質問してくるんです。「今日、職場のランチで何を食べたらいいかな?」、「今日は、〇〇さんと打ち合わせなんだけど、何を着て行ったらいいかな?」、「あの人のプレゼントは何がいいと思う?」など。
そんなの自分で考えればいいのに、ということでも私に聞いてくるのです。最初のうちは頼られていると思ってうれしかったのですが、最近になって相談の内容が変わってきました。
「職場にかわいい子が入ってきてうれしい」、「あの子は俺が好きなんじゃないかな」、さらに「あの子をデートに誘ったんだけど、どこに行ったらいいかな」…。
もう頼られているというレベルの話ではなくて、ただの浮気宣言です。なのに全く悪気がなさそうで、「ねえねえ聞いてよ」という感じで聞いてくるので、怒るに怒れなくて戸惑っています。
彼はいったい私のことをどう思っているのでしょうか。
◆堀井先生のアンサー!
千明さんの考える通り、彼はあなたに頼っているのでしょう。恋人でいるうちに、恋人と家族の線引きがあいまいになってしまったのだと思います。
こういう人は少なくありません。私が実際に見た事例で、恋愛や不倫のことを全て奥さんに相談していた夫がいたのですが、夫の母親に話を聞くと、「あの子は昔から何でも私に相談してきていたから、次は奥さんの番なんでしょうね」と言われました。
千明さんの彼は、あなたに母親の役割を求めているのだと思います。あなたのことを、無償の愛を注いでくれて、自分を捨てたりしない人だと思っているのです。このままこの関係が続くと、結婚しても友達のような夫婦になるしかないでしょう。
ポイントは、あなたが「友達夫婦」になることを受け入れられるかどうかです。彼はバツイチだということですが、おそらく前の奥さんに対しても、母親だと思って不倫の相談をしたりしていて、奥さんはそれが我慢できなくて離婚を選んだのではないでしょうか。
母親だと思っているということは、どんなに遊んでも帰れる場所だと思っているということでもあります。それは多くの女性にとってつらいことなので、こういった「何でも相談する系」の男性は結婚にはあまり向きません。
千明さんが浮気はOK、頼られているのならそれでうれしいと思えるかどうかで、彼との将来を決めましょう。
取材/前川亜紀 イラスト/チカツネナオ
弁護士・堀井亜生
北海道出身、中央大学法学部卒。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)ほか、各メディア、講演等で活躍。夫婦・男女問題に関するリアルな事例の紹介と解説が好評。著書に『ブラック彼氏 ~恋愛と結婚で失敗しない50のポイント~』(毎日新聞出版)がある。趣味は料理、ピアノ。一児の母。公式サイトはこちら