弁護士堀井亜生さんの恋と仕事のスッキリ法律相談 Part3
テレビで人気の弁護士・堀井亜生さん。人間関係トラブルに詳しい堀井さんが、ダメ男、ダメ上司など、Oggi世代の女性たちがハマってしまったトラブルをスッキリ解決する連載です。
第三回目は、IT関連会社に勤務する三田尚子さん(仮名・32歳・年収500万円)
前回記事▶︎「結婚秒読みの彼に女装癖が発覚。受け入れたいけど…」弁護士・堀井亜生さんが回答
前々回記事▶︎「小説家志望のDV彼氏。アザができるほど殴られ…でも別れられない」弁護士・堀井亜生さんが回答
◆ギャンブルを止めさせることは可能ですか?
1年前に、7年ぶりに彼ができました。彼は3歳年上で明るくて友達も多く、イベント会社で舞台監督をしています。人脈も広く、人を使うのが上手で、次期役員と言われているそうです。ちょっとぽっちゃりしていますが、オシャレで優しくてとても大好きなんです。付き合って1年間経ちましたが、LINEのレスはすぐくれるし、浮気もしないし、安心して付き合える人だと感じています。
ただ、ひとつだけ気になることがあります。それは、休みの日はずっとパチスロに行くこと。彼は土日のどちらかが仕事になることが多いのですが、彼の予定に合わせて、私が1日あけていても、朝早くから並びに行って、夜まで帰ってきません。ゆっくりできないし、旅行ももちろん行けません。
といっても、借金をするほどのめりこんではいないようで、きちんと貯金もあります。優しい彼なので、結婚したいと思っているのですが、こういう人は、家庭を持って子どもができたら、ギャンブルをやめてくれるでしょうか?
◆堀井先生のアンサー
パートナーのギャンブル癖が原因となる離婚はたくさんあり、私も多くの相談を受けてきました。その経験から言うと、残念ですが、結婚しても、そして子どもが生まれても、彼のギャンブル癖は治らないでしょう。むしろ「子育ての息抜き」と言ってギャンブル通いの頻度が増えることも想定されます。
ギャンブルと聞くと悪いものだというイメージが強い女性が多いと思いますが、ギャンブルが好きな人にもいろいろな種類の人がいて、身を持ち崩すほどはまり込んでいる人がいれば、趣味の範囲で楽しめている人もいます。彼は借金を作らず、貯金もできているようですから、後者の人なのではないでしょうか。
また、こういう男性には、あなたの生活や交友関係を束縛しないという、意外なメリットがあります。結婚すると、友達と会ってはいけないとか飲み会に行ってはいけないと束縛してくる男性もいますが、尚子さんの彼のような男性は「妻がいなければパチスロに行ける」と考えるので、だから、妻がどこに行くかも、誰と会うかも詮索しません。
ただ、問題は時間の使い方です。休みの日に自由に行動できるメリットがあると言っても、夫婦が一緒に過ごせる貴重な時間が、パチスロに費やされてしまうことを、尚子さん自身がどう思うかを、よく考えてみるようにしましょう。
不満に思ってしまうのなら、それが積もり積もって、5年後、10年後に「ギャンブルをやめる・やめない」問題が原因で離婚に至ってしまうかもしれません。彼と結婚してうまくいくかは、尚子さんが「彼がギャンブルをしていること」「二人の時間が削られること」のそれぞれを割り切ることができるかがポイントになります。
彼に期待するのではなく、「自分が結婚相手に望むものをよく検討する」のがおすすめです。
取材/前川亜紀 イラスト/チカツネナオ
弁護士・堀井亜生
北海道出身、中央大学法学部卒。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)ほか、各メディア、講演等で活躍。夫婦・男女問題に関するリアルな事例の紹介と解説が好評。著書に『ブラック彼氏 ~恋愛と結婚で失敗しない50のポイント~』(毎日新聞出版)がある。趣味は料理、ピアノ。一児の母。公式サイトはこちら
悩みを弁護士・堀井亜生さんが解決!