目次Contents
「少なからず」とは? 意味をわかりやすく解説すると…
まずは、言葉の成り立ちから正しい意味を確認しておきましょう。
♦︎「少なからず」は「少なくない」「かなり」という意味
「少なからず」は、数量や程度が決して少なくないことを意味する副詞です。
辞書で意味を調べてみました。
すくなから‐ず【少なからず】
出典:デジタル大辞泉/小学館
[副]数量・程度などが軽少でないさま。たくさん。かなり。
具体的な用例を挙げると「この経験は、その後のキャリアに少なからず影響を与えた」というこちらの文章の場合には、“この経験は、その後のキャリアにかなりの影響を与えた”という意味になります。
つまり、「少なからず」は「少ない」に「からず(~でない)」を組み合わせているので、「少なくない」というニュアンスをもちます。
「少なからず」の使い方を実例でチェック

「少なからず」は人数や物の量だけでなく、影響や感情などの目に見えない「程度」に対しても使える言葉です。
よく使われる例をチェックして理解を深めておきましょう。
♦︎影響の大きさを表す
<例文>
「この出来事は、私の仕事観に少なからず影響を与えました」
この場合には、ここで話題になっている出来事が仕事観にまったく影響がなかったわけではないという意味ではなく、実際にはそれなりに大きな影響があったことを表しています。
♦︎感情の程度を表す
<例文>
「その知らせを聞いて、彼は少なからず驚いたようです」
この場合には「ちょっと驚いた」という意味ではありません。
「かなり驚いた」「決して小さくない驚きだった」というニュアンスです。
♦︎人数や数量が多いさまを表す
<例文>
「その意見に賛同する人も少なからずいました」
この文章は「賛同者が少しだけいた」という意味ではありません。
逆に、「賛同者は決して少なくなかった」という意味です。
♦︎問題やリスクの存在を表す
<例文>
「この計画には少なからずリスクがあります」
この文章は「多少のリスクがある」というよりも「無視できない程度のリスクがある」というニュアンス。
リスクの大きさを直接的に「かなり大きい」とは断定せず、少し婉曲に伝えたいときにも使いやすい表現です。
「少なからず」は「多い」という意味にならない理由
「少なからず」がわかりにくい最大の理由は、文章の中に「少ない」という言葉が入っていること。
なぜ「多い」という意味になるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
♦︎理由:「からず」が「~でない」を表しているから!
構造をおさらいすると、「少なからず」は、“少ない+からず”の形。
この「からず」は、古い日本語の否定表現で「~でない」という意味があります。
つまり「少なからず」は、いわば否定によって肯定を表す表現なので、「少ししかない」という意味とは反対になるのです。
実務上、「少なからず=少ない」と覚えてしまうと文章の意味を正反対に捉えてしまうため、正しく覚えておきたい言葉です。
似た言葉とはここが違う!「少なくとも」「少しは」との違い

ところで、「少なからず」と似た言葉として「少なくとも」「少しは」があります。どちらも「少ない」という言葉を含みますが、意味は大きく異なります。
♦︎「少なくとも」は“最低限”を表す
まず「少なくとも」は「最低限」という意味の言葉。
「少なくとも一度は確認してください」と言われたら「最低でも一度は確認してください」というニュアンスです。
つまり「少なくとも」は“最低限”、“少なく見積もっても”というニュアンスなので、“かなり”という意味をもつ「少なからず」とは大きく意味が異なるのです。
♦︎「少しは」は“量や程度が小さいさま”を表す
「少しは」も「少なからず」とは異なるニュアンスで、たとえば「彼の意見には少しは賛成できる」と言われたら「全面的に賛成ではないものの、一部は賛成できる」というニュアンスです。
もし「彼の意見には少なからず賛成できる」であれば「かなり賛成できる部分がある」というニュアンスになりますから、いわば正反対の意味になります。
「少しは」は量や程度が小さいさまを表し、「少なからず」は一定以上の大きさを感じさせると心得ておきましょう◎。
「少なからず」をビジネスで使うときに気をつけること
「少なからず」はビジネスシーンでも使いやすい言葉である一方で、具体的な程度が伝わりにくいという弱点も。
気をつけたいポイントを整理します。
♦︎注意:数字を示せるなら具体的に示したほうが◎
たとえば「今回の施策によって、少なからず売上が伸びました」では、どの程度の伸びがあったのか分かりませんよね。
もし“前年比15%増”などと具体的な数字を示せるのであれば「今回の施策によって、売上が前年比15%増になりました」と伝えたほうが、情報としては明確ですし信ぴょう性も高まります。
「少なからず」は数字を出せない場面や、あえて断定を避けたい場面では便利な言葉ですが、数字を示せるときには数字を伝えたほうが適切です◎。
♦︎注意:ポジティブにもネガティブにも使える言葉だと心得て!
「少なからず」という言葉自体に良い・悪いという意味はありません。
そのため、ポジティブ or ネガティブ どちらの文脈でも用いられます。
「今回の経験は、今後のキャリアに少なからず役立つでしょう」であればポジティブ、「今回のトラブルは、会社の信用に少なからず影響を与えました」であればネガティブな使い方です。
「少なからず」が表しているのは物事そのものの“程度の大きさ”ですので、前後の文章をよく読み取って◎。
「少なからず」を間違えずに使いたい|言葉への疑問を解決

「少なからず」は、一度正しく意味を覚えれば誤用を防ぎやすい言葉です。
Oggi世代が抱きがちな疑問を、この機会に解決していきましょう!
♦︎Q1:「少なからず」の読み方は?
A1.「すくなからず」です。
「すくなからず」と読みます。
♦︎Q2:「少なからず」の言い換えは?
A2.たくさんの言い換え方があります。
「少なからず」の言い換えには、「かなり」「相当」「少なくない」「決して小さくない」「無視できないほど」などたくさんの言葉があります。
場面やニュアンスに応じて、言い換えのバリエーションを増やしておくとコミュニケーション上級者に。
♦︎Q3:「少なからぬ」と「少なからず」って同じ言葉?
A3.別の言葉です。
どちらも「少なくない」という意味は同じ。
でも「少なからず」は副詞として、「少なからぬ」は名詞を修飾する形で使うのが基本です。
「少なからず」は「かなり」「決して小さくない」の意味
「少なからず」には「少ない」という言葉が入っているために「少しだけ」という意味に受け取ってしまいがち。
ですが、実際には反対の意味です。
「少なくとも」とも混同されやすいので、「少なからず」は「かなり」「決して少なくない」、「少なくともは「最低でも」と覚えておくと、使い分けが難しくなくなります。
ただし、ビジネスシーンでは具体的な数字や事実を示せる場合には、あえて「少なからず」とぼかさずに具体的に伝えたほうが誤解を防ぎやすいのも確か。
そのため「少なからず」は、適切な使い方を心得ておきたい言葉のひとつです。
TOP画像/(c)Adobe Stock



