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「お迎えにあがります」の意味と敬語の仕組み
「お迎えにあがります」は、「迎えに行く」を丁寧にした謙譲語表現。
もう少し詳しく解説すると「お迎え」 は丁寧な印象を与える美化語で、「あがります」が「行く」の謙譲語です。
つまり、自分が相手のもとへ行くことをへりくだって伝える言い回しです。
「お迎えにあがります」は、どんな場面で使うのが正解?

実際に使うべきシーンを、具体例とともに整理しましょう。
使う場面を間違えなければ、違和感を防げます◎。
♦︎ビジネスシーンでの正解
取引先を駅や空港まで迎えに行くときや、上司や顧客を訪問時に迎えるシチュエーションで使うのは自然です。
この場合は「○時に駅までお迎えにあがります」などと用います。
♦︎ややフォーマルなプライベートの正解
そもそも「お迎えにあがります」は、フォーマル寄りの表現。
ですのでプライベートな関係では、目上の相手や親の知人、義実家関係などややフォーマルな言い回しが求められる関係でのみ使うのが自然です。
「お時間になりましたら、お迎えにあがります」などと自然な言い回しで用います。
【実体験】うっかりやりがち…「お迎えにあがります」のNG使用例

本人は丁寧にしているつもりなのに、実は逆効果になっているパターンも…。
筆者が見聞きした事例も交えながら、アラサー世代が“やりがちなミス”を具体的に見ていきましょう。
♦︎NG1:対等な関係のカジュアルな相手に使う
たとえば、親しい友人に「じゃあ明日お迎えにあがるね」などと使うのはNG。
あえて間違えて使う“冗談”であれば問題ありませんが、真面目に使ってしまえば突然に堅い言い回しが入るので違和感が出てしまいます。
この場合は「迎えに行くね」「迎えに行くよ〜」などが適切でしょう。
♦︎NG2:目上の人に命令っぽく使う
「お迎えにあがります」は言い方ひとつで、命令のように聞こえることも。
筆者が見聞きした事例では「明日10時にお迎えにあがりますので、駅前のロータリーで待っていてください」と伝えていた人がいましたが、このような伝え方は一見すると丁寧そうで、実は待つ場所を指定してまで一方的な決定を強めに伝えているのでNG。
もっとシンプルに「明日10時に、お迎えにあがります」や、フォーマル感を上げるなら「明日10時にお迎えにあがりたく存じますが、いかがでしょうか」などと用いましょう。
♦︎NG3:連呼する
緊張しているシーンでありがちなミスに、同じ敬語を連呼してしまうパターンがあります。
「お迎えにあがります」も普段は使わない言い回しなので、慣れない人ほど、うっかりおかしな用法をしてしまいがちなフレーズのひとつ。
筆者は過去に「本日お迎えにあがりますが、お迎えにあがる場所については…」などと、一度の会話で何度も「お迎えにあがる」を連呼しているケースに遭遇しました。
本人は丁寧に話しているつもりでも、くどさや違和感を招きがちです。
「お迎えにあがります」を自然に使うには? 3つのポイントをマスター

「お迎えにあがります」を自然に使うのにはコツがあります。
とっておきのポイントを紹介しましょう。
♦︎クッション言葉を添えるとやさしい印象に◎
たとえば「よろしければ」や「差し支えなければ」などのクッション言葉を添えると、言葉の印象がやさしくなります。
「差し支えなければ、○時にお迎えにあがります」などと使えば一方的な印象が薄れ、相手に配慮をしているのが伝わりやすいでしょう。
♦︎相手の選択肢を奪わない
「お迎えにあがります!」と言い切ってしまうと、場合によっては相手の選択肢を奪ってしまうことも。
そのため相手との関係性や当日のシチュエーション次第では「○時にお迎えにあがることも可能ですが、いかがなさいますか?」などと、相手に選択肢を残す提案が好まれます。
♦︎状況に応じて言い換える
「お迎えにあがります」は丁寧な敬語ではありますが、シチュエーションを見極めながら、より適切な言葉に言い換えられるとスマートです。
やわらかくしたい場合には「お迎えに伺います」、カジュアル感を強めたいなら「迎えに行きます」などバランスのいい言葉を選ぶと◎。
【疑問を解決♡】「お迎えにあがります」の迷いやすいポイントを解説!

「お迎えにあがります」に関係する細かな疑問を、この機会に解消しておきましょう。
実際の会話やメールで「ん?」と感じやすいポイントを解説します。
♦︎Q1.「お迎えにあがります」と「お迎えに伺います」の違いは?
A1. どちらもほぼ同じ意味ですが「伺います」のほうが無難かも。
どちらのフレーズも、ビジネスシーンでよく見聞きするもの。
ほぼ同じ意味ですが「あがります」のほうが「伺います」よりもフォーマル感が強く、丁寧な言い回しです。
ただし実務上は「あがります」だと丁寧すぎると感じさせる場面も少なくないために、迷ったときには自然な言葉である「伺います」が無難です。
♦︎Q2. メールでも使っていい?
A2. 問題なく使えますが、一方的な断定にならないよう注意を。
「お迎えにあがります」は、基本的にメールでも問題なく使えるフレーズです。
ただし日程の確認をせずに断定をしたり、相手の都合を無視したりした使い方をすると印象が悪くなるため、相手を立てながら使うよう心がけて◎。
♦︎Q3. プライベートで使うとどうして違和感を招くの?
A3. 距離感が出やすい表現だからです。
「お迎えにあがります」は、距離感が出やすい表現のひとつ。
丁寧な言葉ではありますが、関係性によっては「壁」を感じさせます。
そのためプライベートで使うと、違和感を招きやすいのです。
「お迎えにあがります」はバランスよく使いたいフレーズ
「お迎えにあがります」は、正しく用いると印象が上がるフレーズです。
スマートに使いこなすならば、使う相手を選びながら一方的に決めているように聞こえない場面でのみ用いるとよいでしょう。
丁寧すぎる印象を避けたいときには、別の言い回しを選ぶ配慮も必要です。
丁寧な言い回しが、いつも正解だとは限りません。
自然に聞こえて心地よい距離感が保たれる言葉を選ぶことが、アラサー世代の好印象につながります◎。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。



