ビジネスシーンや異性との会話でよく使われる「社交辞令」。相手から言われた際に、本音かどうか判断がつきにくいことが難点ですよね。そこで今回は、「社交辞令」の意味や、定番フレーズ、「社交辞令」を真に受けやすい人の特徴などを紹介します。
「社交辞令」の意味とは?
「社交辞令」とは、「人間関係を円滑にするための、儀礼的な褒め言葉やあいさつ」のこと。まずは、「社交辞令」の言葉の成り立ちから説明しましょう。「社交辞令」の「社交」とは、「世間での人付き合い」のこと。「辞令」とは、「形式的な言葉やあいさつ」です。この2つを組み合わせて、「人付き合いを円滑にするための形式的な言葉」を指すのです。
「社交辞令」には、うわべだけのお世辞といったニュアンスが含まれているため、「社交辞令」と聞くと、ネガティブな印象を持つ方も多いのではないでしょうか? しかし、相手の提案を角の立たない言い方で断ったり、相手を喜ばせるために利用することもできるため、使い方によっては役に立ちますよ。
よく使われる「社交辞令」フレーズ
続いて、「社交辞令」のよくあるフレーズを紹介します。職場や合コンなどで使われた場合、「社交辞令」かどうか見分けるポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみましょう。
1:「また誘ってください」
食事や飲み会に誘ったとき、「申し訳ありませんがその日は予定が入っているので、また誘ってください」と言われたことはありませんか? 本当に予定があってやむを得ず断っているのか、それとも参加したくないために言っているのか判断に迷いますよね。
この場合、相手から別の日時を提案してきたり、再び誘ったときにOKをもらえたら「社交辞令」ではなかったと判断することができるでしょう。反対に、相手から何も音沙汰がなかったら、「社交辞令」だったのかもしれません。
2:「今度ご飯にいきましょう」
こちらも、社会人同士の会話で頻繁に使われるフレーズですね。相手からの申し出を鵜呑みにして、「いつにしますか?」と聞いたら、「予定を確認しますね」と言われたまま連絡が来なかったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。もし、相手から具体的な日時を提案されたら、本心だったと考えて良いでしょう。
3:「モテそうだね」
こちらは飲み会や合コンなどで定番のフレーズですね。特に気になっている異性からこんなフレーズを言われたら舞い上がってしまいそうですが、注意が必要です。中には、話のネタがなかったり、相手の見た目の印象からノリで言っていたりする可能性も。この言葉の後に、過去の恋愛や好きなタイプを尋ねられたら「社交辞令」ではないかもしれません。
類語や言い換え表現とは?
「社交辞令」の他にも、儀礼的なあいさつや褒め言葉を意味する言葉がいくつかあります。ここでは代表的な言い換え表現を3つ紹介します。
1:お世辞
普段の生活でよく使われる「お世辞」という言葉。意味は、「他人に対する愛想の良い言葉。人に気に入られるような上手な口ぶり」のことです。このように口が達者な人のことを「お世辞がうまい」と表現します。「モテそうだね」「若く見えますね」などの、「社交辞令」はまさにお世辞といえるでしょう。
例文1:彼は心にもないお世辞を言うので信用できない。
例文2:姉はお世辞にも美人とは言えない。
2:美辞麗句
「美辞麗句(びじれいく)」とは、「美しく飾り立てた言葉」のこと。うわべだけを飾り立て中身がないことを表すため、ネガティブなニュアンスで用いられます。「美辞」と「麗句」はどちらも「美しい文句」という意味がある為、同じ意味を重ねて強調した四字熟語となります。あまりに仰々しい褒め言葉は、「何か裏があるのでは?」と不信感を抱かれてしまう恐れもあるでしょう。
例文1:社長の機嫌を取る為に美辞麗句を並べ立てた。
例文2:彼の美辞麗句には全く誠意が感じられない。
3:外交辞令
「社交辞令」ではなく「外交辞令」という言葉を知っていますか? 意味は、「相手に好意を抱かせるように、表面を取り繕っていう言葉」のこと。ビジネスシーンから恋愛の場面まで幅広く使用できる「社交辞令」に対して、「外交辞令」は、ビジネスや政治の場面に特化した表現です。例えば、国家間の交渉をより有利に進める為に言うお世辞は「外交辞令」といえるでしょう。
例文1:所詮、その賛辞は外交辞令にすぎない。
例文2:それは彼の外交辞令だよとあとから知らされた。
「社交辞令」を真に受ける人の特徴
「社交辞令」で言ったつもりが、相手が真に受けてしまい困ってしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。ここでは、「社交辞令」を真に受けてしまいやすい人の特徴を紹介します。
1:性格が真面目
真面目な性格をしている人は、相手からの言葉をストレートに受け止めてしまいがち。例えば、相手から「また誘ってください」と言われたら、「誘わないと失礼かも」と気に病んでしまうことも。会社の上司や取引先からの「社交辞令」に振り回されてしまう人もいるでしょう。
2:ポジティブで前向きな性格
ポジティブな人も「社交辞令」を真に受けてしまいがち。恋愛の場面で、「モテそうだね」「お綺麗ですね」などの「社交辞令」をそのまま受け取ってしまいます。この人は、自分に気があるのでは? と思い込んで、デートに誘ったり、連絡先を聞いてくることもあるでしょう。ポジティブで思い込みが激しい人には、むやみに「社交辞令」を使わない方が無難かもしれません。
3:素直で疑うことを知らない人
「社交辞令」を真に受ける人は、基本的に素直な性格であることが多いでしょう。自分自身が嘘をつくことがないため、相手が嘘を言っているとは思わないのかもしれません。「今度ご飯にいきましょう」などの「社交辞令」を鵜呑みにして、相手を困らせてしまうことも少なくありません。
最後に
「社交辞令」とは、「人間関係を円滑にするための、儀礼的な褒め言葉やあいさつ」のこと。「社交辞令」の定番フレーズ、「また誘ってください」や「今度ご飯にいきましょう」などは、相手との関係を良好に保つための言葉でもあるため、必ずしも悪いものとはいえません。しかし中には、「社交辞令」にネガティブな印象を持つ人や、真に受けてしまう人もいます。相手の性格や関係性を見て、上手に使っていきたいですね。
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