「足蹴にする」という言葉は、少し冷たさを感じる響きがありますね。そもそも「足蹴」の読み方も難しいです。この記事では、「足蹴にする」の読み方や意味から、使い方や類語、英語表現まで掘り下げてみます。
「足蹴にする」とは? 意味や読み方を解説
まずは、「足蹴」の読み方と意味から確認していきましょう。

「足蹴」の読み方と意味
「足蹴」は「あしげ」と読みます。辞書では以下のように説明されています。
あし‐げ【足蹴】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 足で蹴ること。
2 他人にひどいことをすること。「人を―にする」
「足蹴」とは、文字通り「足で蹴ること」を意味します。転じて、「他人に対してひどい仕打ちをすること」を意味します。
多くの場合、「足蹴にする」という形で用いられますよ。
「足蹴にする」とはどんな場面で使うのか
人の気持ちを考えずに、自分の都合で無視したり、何かを大切にしないときに使うことが多いでしょう。例えば、誰かの好意や期待を意識的に踏みにじるような行為に対して使います。
「足蹴にする」の使い方と例文
意味を知っても、実際にどんな場面で使えばいいのかは迷いますよね。ここでは例文を通して、より具体的な使い方を紹介します。
「彼は友人の気持ちを足蹴にするような発言をしてしまった」
この文では、相手の思いを大切にせず、無神経にふるまった様子が表れています。

「善意を足蹴にされても、彼は相手を責めなかった」
親切や善意を粗末に扱われるときにも、「足蹴にする」が使われます。受け手のがっかりした気持ちも伝わる場面です。
「足蹴にする」の類語・言い換え表現は?
「足蹴にする」と似た意味を持つ言葉や、同じような気持ちを表す表現もいくつか見られます。状況や相手に合わせて、より適切な言葉を選ぶことで、気持ちやニュアンスが伝わりやすくなります。
「踏みつける」
人の心や努力、立場などを大切にせず、平気で傷つけるような態度を指します。
「蔑ろ(ないがしろ)にする」
存在や気持ち、価値などをまったく気にかけず、軽んじることを表します。
「粗末にする」
大切に扱わず、丁寧さを欠いたり、注意を払わずに雑に接するという意味で使われます。

「足蹴にする」の英語表現は?
「足蹴にする」という日本語特有の感覚と近い意味を持つ表現を紹介します。
kick a person
文字通り「人を蹴る」という意味です。
treat a person badly
「人をぞんざいに扱う」「冷たく接する」という意味です。相手を大切にしない態度を伝える際に「足蹴にする」と近い意味で使うことができるでしょう。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
最後に
「足蹴にする」という表現には、相手や物事を軽んじたり、無視したりする冷たさがにじみます。普段の会話や文章で使うとき、その言葉の持つ響きや背景にも少しだけ心を向けてみると、新しい発見があるかもしれません。人や物に対する態度をあらためて考えるきっかけになれば、言葉の奥行きもより感じられるのではないでしょうか。
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