「仰け反る」という言葉を見て、姿勢や動きのイメージは浮かんでも、何と読むのかと迷うかもしれませんね。
この記事では、「仰け反る」の読み方や使われ方、似た表現との違いなどをていねいに見ていきます。
「仰け反る」とは? 読み方と意味を確認
「仰け反る」は、身体の動きや感情の揺れを表すときに使われます。聞き覚えはあっても、改めて意味を考えると少しあいまいに感じるかもしれません。まずは、基本となる読み方と意味を見ていきましょう。

「仰け反る」の読み方は「のけぞる」
「仰け反る」は、「のけぞる」と読みます。ひらがなで書かれることが多いため、漢字で目にするとやや堅い印象を受けるかもしれませんね。
「仰け反る」の意味|上体を後ろにそらせる動きのこと
辞書では、次のように説明されています。
のけ‐ぞ・る【▽仰け反る】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[動ラ五(四)]あおむけにそる。「胸元の速球に思わず―・る」
つまり、「仰け反る」とは、体が反射的に後ろにそるような動きを指します。驚きや大笑いなど、感情が大きく動いたときに自然とあらわれる姿勢ともいえます。

「仰け反る」はどんな場面で使われる? 例文とともに確認
「仰け反る」は、驚きや笑いといった感情にともなって使われたりします。反応の大きさや瞬間的な動きを、印象的に伝えるときによく使われる言葉です。ここでは、実際の使われ方を例文で見ていきましょう。
「芸能人のスキャンダルに、仰け反るほど驚いた」
この例文では、思いがけない出来事に直面し、思わず体が仰け反ってしまうほど驚いた場面を描いています。言葉よりも先に体が反応してしまうような、感情の強さを表現したいときに使われます。
「あまりの可笑しさに仰け反って笑った」
大笑いしたときの勢いで、上体が後ろへ反るような動きが自然に起きる場面を表しています。笑いがこらえきれない様子が感じられる表現です。

「部長は、上座に仰け反って座っていた」
身体を大きくそらせて座る姿勢に、威厳をにじませています。「仰け反る」という言葉は、場の空気を支配するような存在感や、やや偉そうな印象を含む場合もありますよ。
「仰け反る」の英語表現は?
「仰け反る」の英語表現には“bend back”がよく使われます。例えば“He bent back in surprise.”(彼は驚いて仰け反った。)というように使われますよ。
最後に
「仰け反る」という言葉には、思わず体が動いてしまうような驚きや笑い、戸惑いといった感情がにじんでいるかのようです。
普段、何気なく使っている言葉でも、少しだけ意識を向けることで、毎日の会話や表現も、少しずつ豊かになっていくのではないでしょうか。
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