「一言一句」という言葉は、言葉を正確に伝えたいときに使われる表現です。ビジネスや日常会話でも耳にすることがありますが、「一言一句」の意味や使い方を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、「一言一句」の意味や読み方について解説していきましょう。
「一言一句」とは? 意味や読み方を解説
まずは「一言一句」の読み方と意味から確認していきましょう。
「一言一句」の読み方と意味
「一言一句」は、「いちごんいっく」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
いちごん‐いっく【一言一句】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 一つ一つの言葉。
「女の語る―が、遠い国のしらべのように」〈谷崎・秘密〉
2 わずかの言葉。一言半句。「―も聞き漏らさない」
「一言一句」とは、一つ一つの言葉や文章を指します。特に、言葉を忠実に再現したり、正確に伝えようとする際に使われることが多いでしょう。例えば、重要なメッセージを「一言一句漏らさずに伝える」という場面で使われることが一般的です。

「一言一句」の使い方と例文
「一言一句」という表現がどのように使われるかを理解することで、文章表現の幅を広げることができます。ここでは、具体的な例文を用いて使い方を確認していきましょう。
新しい契約書を一言一句確認する必要がある。
この例文では、契約書という重要な文書を正確に確認する必要があることを示しています。ビジネスシーンでは特に細部の確認が求められるため、「一言一句」という表現が適していますね。
彼の証言を一言一句漏らさずに記録した。
この例文では、相手の発言を忠実に記録することを表しています。特に会議やインタビューの場面で、相手の言葉を正確に書き留めることが求められる場合に使われますよ。
「一言一句」の類語や言い換え表現
「一言一句」を他の表現に言い換えることで、ニュアンスを調整したり、意味を明確にしたりすることができます。状況に応じて使い分けることで、より的確な表現を選べるでしょう。
一字一句(いちじいっく)
「一字一句」は、一つの文字と一つの語句を意味します。特に文章や書類の内容を正確に記録する際に使われることが多いです。
例:一字一句違わずに、写した。

片言隻語(へんげんせきご)
「片言隻語」は、ほんのわずかの言葉や断片的な表現を指します。会話や書物の中で、わずかな言葉にも価値があると強調する場合に用いられます。
例:彼は片言隻語も聞き逃さないように耳を傾けた。
一言半句(いちごんはんく)
「一言半句」は、ごくわずかな言葉や短い表現を意味します。
例:彼は一言半句も不満を漏らさず、黙々と仕事をこなした。
一言一句の英語表現
「一言一句」という言葉を英語にする際には、いくつかの表現があります。ニュアンスに合わせて使い分けましょう。

英語での表現方法
「一言一句」を英語で表現する場合、“word for word”や“verbatim”がよく使われます。
“word for word”は、文字通りに忠実に再現することを意味します。例えば、“He repeated the instructions word for word. ”(彼は指示を一言一句そのまま繰り返した。)という使い方ができます。
“verbatim”は、特に公式な場面で使われる表現で、「正確に」「逐語的に」という意味を持ちます。例えば、“The speech was transcribed verbatim. ”(そのスピーチは一言一句そのまま書き起こされた。)が挙げられますよ。
状況に応じて使い分けることが重要です。
最後に
「一言一句」という言葉は、特に正確さを求められる場面で重宝される表現です。類語や言い換え表現を理解することで、文章表現の幅を広げることができます。言葉を正しく使い分けることで、相手に伝えたい内容をより的確に表現できるようになるでしょう。
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