「笑い上戸」「泣き上戸」などの言葉に、どこか親しみを感じる人も多いのではないでしょうか? これらの言葉には、ユーモアや人間の心理が織り込まれています。この記事では、「上戸」という言葉がどのような意味を持ち、どのように活用できるのかを考えていきます。
「上戸」の読み方と意味は?
「上戸」という漢字を見ると、女優の上戸彩さんを思い浮かべる人は多いかもしれませんね。「上戸」を熟語として使う場合は、「うえと」とは読まずに違う読み方をします。まずは、「上戸」の読み方と意味、そして由来を紹介していきましょう。
「上戸」の読み方と意味
「上戸」は「じょうご」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
じょう‐ご〔ジヤウ‐〕【上戸】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
《人数の多い家、すなわち婚礼に用いる酒の瓶数の多い家の意からか》
1 酒の好きな人。また、酒が好きで、たくさん飲める人。酒飲み。⇔下戸(げこ)。
2 他の語の下に付いて複合語をつくり、酒に酔うとよく出る癖の状態を表す。日常の癖についていう場合もある。「笑い―」「泣き―」
「上戸」とは、酒好きな人や、日常の癖について表す言葉だとわかりました。代表的なものとしては、「笑い上戸」「泣き上戸」がありますね。

「上戸」の由来は?
「上戸」の由来には諸説ありますが、その中から1つを紹介しましょう。婚礼の際に使う酒の瓶数の多い家を「上戸」と呼んだことから、飲酒量の多い・少ないについて表したのではないか、といわれています。
「笑い上戸」と「泣き上戸」が伝える感情の豊かさ
「笑い上戸」や「泣き上戸」は、人が感情をどのように表現するかを鮮やかに描き出しています。言葉の意味を知ることで、場の雰囲気を和らげたり、心の内を伝え合うヒントが得られるかもしれませんよ。
「笑い上戸」とは?
「笑い上戸」の意味を辞書で確認します。
わらい‐じょうご〔わらひジヤウゴ〕【笑い上戸】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 酒に酔うとやたらに笑う癖があること。また、その人。
2 何かにつけてよく笑うこと。また、その人。
一般的に、「笑い上戸」は、何かにつけて、よく笑う人を表す際に使われる言葉です。特に和やかな場面で「あなたは笑い上戸だから、一緒にいるとこちらまで楽しくなってくる」などと使うことで、相手との距離を縮め、場を明るくする効果があるでしょう。

「泣き上戸」とは?
「泣き上戸」の意味も辞書で確認しましょう。
なき‐じょうご〔‐ジヤウゴ〕【泣(き)上戸】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
酒に酔うと泣くくせのある人。また、そのくせ。
「泣き上戸」は、特に酒に酔って泣く癖のある人を指します。むやみに泣くと周囲の人にも迷惑がかかるので、泣き上戸の人は飲み過ぎに注意したいですね。
「赤み上戸」って何?
「笑い上戸」、「泣き上戸」は知っていても、「赤み上戸(あかみじょうご)」を知らない人は多いのではないでしょうか? 「赤み上戸」とは、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人のことを指します。他にも、色上戸や色み上戸ともいいますよ。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「上戸」と「下戸」との違いは?
「上戸」という言葉があるなら、「下戸」という言葉も欠かせません。読み方と意味、そして「上戸」との違いをわかりやすく解説します。

「下戸」の読み方と意味
「下戸」は、「げこ」と読みます。意味を辞書で確認しましょう。
げ‐こ【下戸】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 酒の飲めない人。酒が嫌いな人。⇔上戸(じょうご)。
2 律令制で、戸を大戸・上戸・中戸・下戸に分けたうちの最下級。徴発に応じて出す壮丁が三人以下の戸。
現代では主に「酒を飲めない人」を指します。
「上戸」と「下戸」の違いとは
「上戸」と「下戸」は、どちらもお酒に関連する表現として使われますよ。「上戸」はお酒を好きな人を指す一方、「下戸」は飲めない、あるいは飲むことを好まない人を指します。
最後に
「上戸」という言葉を知ることで、日常の会話にひと味違う豊かさが加わり、コミュニケーションをより柔らかく、楽しいものにできるかもしれません。ぜひ、新しい視点で「上戸」を捉え、日々の会話に生かしてみてください。
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