謝罪文を書くときのポイント
まずは謝罪文を書くときのポイントを解説します。手紙に限らず、メールやLINEで謝罪する際にも同様のポイントに気をつけるといいでしょう。
♦︎心からの謝罪を示す
謝罪文は、謝罪よりも先に書いてある内容が「言い訳」のように受け取られる場合もあることから、冒頭で明確に「申し訳ありません」と謝罪の意思を伝えることが重要です。
このときには遠回しな表現や言い訳は避け、直接的に謝罪の気持ちを述べましょう。
♦︎自分の非を認める
自分が何を間違えたのかを自己分析し、具体的に説明することも大切です。このとき言い訳ではなく相手が受けたであろう不快感や迷惑についても触れると、事態の深刻さを理解していると伝える術にもなるでしょう。
非を認める際には曖昧な表現で自分の非を認めるだけでは甘いと受けとられかねないことからも、できる限り具体的な表現を用いることが重要です。
♦︎相手の気持ちを理解する
相手が怒ったり悲しんだりしているのであれば、相手の気持ちに寄り添う姿勢も大切です。
謝罪文のなかで、相手がどれほど傷ついたり困ったりしたのかに対して共感する言葉を加えるだけでも、誠意が伝わりやすくなるでしょう。
♦︎改善の意志を示す
謝罪文は、謝罪をして終わりではありません。
起きてしまった事柄について、今後どう改善をするのか具体的な行動も伝えます。相手側は「同じことを繰り返してもらいたくない」という心理になっていることも多いため、改善をする旨を謝罪文のなかで約束しましょう。
♦︎締めくくりでもう一度謝罪する
真剣さを伝えるために文章の最後では、もう一度謝罪の言葉を書いて締めくくります。
よく文末に「どうかお許しください」などと相手の許しを求める一文を書いてしまいがちですが、許してくれるかどうかは相手次第なので強制しない態度を示すことも相手への配慮につながります。
謝罪文では相手の行動を促すのではなく、あくまでも自分のしてしまったことに対する謝罪にとどめましょう。
謝罪文を手紙で書くときのポイント
謝罪文を手紙で書くときに気をつけたいポイントを解説します。
♦︎できるだけ直筆で書く
手紙で謝罪文を出す際には、できればパソコンで作ってプリントアウトしたものではなく、直筆で書きましょう。
印刷した文字よりも自分で書くほうが相手への思いが伝わりやすく、本心から謝罪をしていることが伝わりやすいでしょう。
♦︎字は丁寧に書く
謝罪文を書くときには、心を込めて書く姿勢が求められます。
綺麗な字で書けるに越したことはありませんが、もしも字を書くのが得意ではなかったとしても、丁寧に書けば気持ちは伝わります。
完成した手紙の美しさよりも、丁寧に書く心がけが大切です。
♦︎時間をあけすぎない
謝罪をするべき事柄が生じてから、あまり時間をあけずに手紙を送る姿勢が大切です。
丁寧に書こう、上手に書こうと気負ってしまうほど、なかなか書き終えられなくなってしまいますが、謝罪までの時間があいてしまうほど事態が深刻化する場合も少なくありません。
内容ももちろん大切ですが、完璧を求めるあまりに時間をかけすぎることのないようできるだけ速やかに手紙を出しましょう。
心を動かす謝罪文の例文
心を動かす謝罪文の例文を、実際に見ていきましょう。必要な内容が簡潔に書かれていて、心がこもっている文章であることが求められます。
♦︎仕事関係者への謝罪文
〇〇様
いつも大変お世話になっております。このたびは、私のミスによりご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
具体的には、〇〇の件で報告が遅れ、結果として貴社にご迷惑をおかけする形となってしまいました。〇〇様の大切なお時間を奪ってしまったことについて、深く反省しております。
今回の件は私の確認不足によるものであり、言い訳の余地もございません。同じミスを繰り返さないよう、業務フローを見直し、再発防止策を徹底いたします。
貴社に信頼を取り戻していただけるよう、全力で努めてまいります。このたびの不手際について、重ねてお詫び申し上げます。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
△△株式会社 ●●
仕事関係者への謝罪文を書くときのNG例は?
・曖昧な謝罪:「もし不快な思いをさせていたら〜」という仮定の表現は避ける
・言い訳が多い:自分の正当性を強調すると誠意が伝わらない
・短すぎる文章:相手に真剣だと受け取ってもらえない
♦︎友人への謝罪文
〇〇へ
突然の手紙で驚かせてしまったらごめんなさい。
先日、私が軽率な発言をしてしまったことで、〇〇を傷つけてしまったこと、本当に申し訳なく思っています。あのとき自分の気持ちばかりを優先し、〇〇の気持ちに寄り添うことができませんでした。それがどれほど無神経で、〇〇にとって苦しい思いをさせたかを考えると、本当に自分が情けないです。
〇〇を不快にさせたことを、深く反省しています。これからは自分の言葉をもっと慎重に選び、〇〇が安心して話せるような存在でありたいと思っています。
どうか、私のこの気持ちが少しでも伝われば嬉しいです。改めて本当にごめんなさい。
△△より
友人への謝罪文でのNG例は?
・軽い文章:いつもはタメ語でも手紙では丁寧な言葉を選ぶ
・謝っている自分を正当化する:「謝罪したからこれでこの話は終わり」などと自己完結しない
・相手の行動に触れる:過去に相手が似たようなことをしていても「でも、お互い様だよね」などと蒸し返さない
謝罪文は心を込めて書くもの
謝罪文は、形式的に謝罪をするためのものではなく心を込めて書くものです。
相手の心を動かそうと思うあまりに大袈裟になりすぎたりドラマティックな表現を多用したりすると、読んだ相手を白けさせる場合もあります。
心を込めて二度と同じ失敗は起こさないと誓いながら手紙を書いていくと、自然な言葉で素直に謝罪文が書けるのではないでしょうか。
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。