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2024.11.05

あなたも影響を受けているかも? インフルエンスオペレーションとその巧妙な手法

インフルエンスオペレーションとは、一般的な情報発信や宣伝とは異なり、特定の個人や集団の考え方や行動に直接的な影響を与えることを意図した高度な作戦のこと。この記事では、インフルエンスオペレーションの概念や対抗策について紹介します。

インターネットが日常生活に欠かせない今、私たちが目にする情報はどこから来ているのでしょうか? ニュースやSNSで広がる情報には、特定の意図や目的を持って操作されているものが存在します。それが「インフルエンスオペレーション」、影響力工作と呼ばれるものです。

この記事では、知らず知らずのうちに私たちの認識や意見に影響を与えるこの作戦の実態を、実例や対策とともに掘り下げていきます。情報化社会に生きる私たちが、どのように情報を見極めるべきか、まずはその背景から理解していきましょう。

インフルエンスオペレーションとは? 知っておきたい現代の「影響力工作」

デジタル社会の急速な進展により、「情報操作」や「影響力工作」という言葉を耳にする機会が増えました。これらがどのように私たちの生活に関わっているかを考えたことはあるでしょうか? インフルエンスオペレーションは、私たちが日常的にアクセスするニュースやSNSの投稿の裏側で、見えない力として機能し始めています。

SNS 携帯見る女性
(c) Adobe Stock

インフルエンスオペレーションの基本概要とその目的

インフルエンスオペレーションは、一般的な情報発信や宣伝とは異なり、特定の個人や集団の考え方や行動に直接的な影響を与えることを意図した高度な作戦です。意図的な情報のコントロールによって、特定の政策への支持を高めたり、国際関係や組織への信頼を低下させるために利用されます。

この手法、時には国家や企業が行う外交や競争戦略の一環としても用いられ、影響を受ける側は無意識のうちに誘導されることが多いのが特徴です。この「影響力工作」の全体像を知ることは、私たちが情報の受け手としてどのような姿勢を保つべきかを考えることにもなります。

身近に迫る? インフルエンスオペレーションの代表的な事例

2024年に実施された台湾総統選挙では、選挙候補者のディープフェイク動画が広範囲に拡散。有権者を特定の方向に誘導しようとする工作活動が大きな話題となりました。SNS上では、日常的に誤情報や偏向的なニュースが絶えず発信されており、私たちも知らず知らず影響を受けています。

一見無害に思える情報であっても、その背後に操作意図が含まれている場合があります。様々な事例を学ぶことで、情報を受け取る際に疑問を持つ視点を持つとともに、ニュースやSNSに触れる際の情報の信憑性や信頼性を問うを姿勢を高める必要があります。

生成AIとSNS拡散によるインフルエンスオペレーションの拡大

AI技術の進化とSNSの普及が、インフルエンスオペレーションの手法をより巧妙で強力なものにしています。生成AIを活用してリアルに作られたディープフェイク映像や、偽の証言といったコンテンツは、一見すると本物と見分けがつかないほど精巧です。

そのため、私たちがSNS上で目にする情報の中には、あらゆる角度から意図的に構成されたものが含まれています。日々の生活の中でAIやSNSを通してこうした情報に触れる現代の私たちが、真偽をどう見極め、どのような意識を持って情報と向き合うべきかを深く考える必要があるでしょう。

インフルエンスオペレーションの手法とプロセス

技術の進化に伴い、インフルエンスオペレーションも巧妙かつ高度な手法が多く用いられるようになりました。目に見えない情報操作がどのような形で私たちの認識や行動に影響を及ぼしているのかを理解することは、情報を正確に捉える力を養うために重要です。

手順
(c) Adobe Stock

ディープフェイクから偽アカウントまで|操作手法の実態

インフルエンスオペレーションでよく使われる手法として、SNSの偽アカウントやディープフェイクが挙げられます。ディープフェイクとは、AI技術を使って作られたリアルな偽映像や偽音声であり、一般の人が見ただけでは真偽を見分けることが困難です。

たとえば、政治家が発言していない内容をあたかも本物のように見せる動画を拡散することで、特定の立場への支持や反対を促すことが可能です。

さらに、SNSでは、架空の人物や団体のアカウントが特定の意見や価値観を広めるために使われています。こうした偽アカウントは、単独ではなく大量に運用されることが多く、あたかも「多数の意見が存在している」かのように見せかけます。

これにより、私たちの思考や意見は、気付かないうちに意図的な方向に誘導されてしまうことがあります。この背後には、高度な技術と計画が存在し、情報がどのように私たちの目に触れるかまで計算されているのです。

MDMとは? Misinformation・Disinformation・Malinformationの三つの影響力

インフルエンスオペレーションにおける情報操作には、Misinformation(ミスインフォメーション)、Disinformation(ディスインフォメーション)、Malinformation(マルインフォメーション)の3種類の手法が用いられます。この「MDM」という分類は、意図や真実性に基づいています。

・Misinformation(ミスインフォメーション)

誤解や勘違いによって生まれた「誤情報」です。悪意がないため、意図的に作成されたわけではありませんが、この情報が拡散されると、結果的に混乱や不安を招く場合があります。

・Disinformation(ディスインフォメーション)

悪意を持って意図的に作成された「偽情報」です。政治的なプロパガンダや競争相手の信用を落とす目的で作成されることが多く、ディープフェイクや改ざんされた画像、音声などが用いられます。

・Malinformation(マルインフォメーション)

本来は事実である「真実の情報」を悪意ある形で誇張したり切り取って発信することで、誤解や偏見を生み出そうとするものです。たとえば、政治家の一部の発言だけを意図的に切り出し、全体の文脈を無視して報道するなどがこれに当たります。

これら3つの要素が組み合わされることで、受け手の信頼を巧みに操り、特定の意見や行動を引き出す影響力を発揮するのです。

心理的効果を狙うインフルエンスオペレーションの巧妙な仕掛け

インフルエンスオペレーションが私たちに与える影響は、技術だけでなく人間心理をも巧みに利用しています。特に「確証バイアス」という心理特性がインフルエンスオペレーションに利用されがちです。確証バイアスとは、自分が信じていることを補強する情報ばかりを好んで信じる心理的な傾向です。

たとえば、特定の信念や価値観を持つ人がSNSで同じような意見ばかりを目にすることで、その信念がより強化されていきます。SNSのタイムラインは、私たちが「興味を持っている」内容を優先して表示するよう最適化されていますが、これが確証バイアスを助長する一因ともなっています。

右寄りの意見を持つ人はさらに右へ、左寄りの意見を持つ人はさらに左へと意見が強化され、結果として社会全体が分断される原因ともなっています。

インフルエンスオペレーションへの対抗策と私たちができること

インフルエンスオペレーションへの対策は、個人から企業、政府レベルに至るまで幅広く求められています。今、私たち一人ひとりにできることは何か、考える機会としましょう。

コーヒー 携帯 女性
(c) Adobe Stock

個人でできる情報リテラシーの向上と注意点

情報操作に惑わされないためには、日頃から情報の真偽を確認する習慣が大切です。たとえば、次のようなポイントを意識することで、信頼性を見極めやすくなります。

・発信元の信頼性:情報を発信しているサイトやアカウントが、公的機関や専門家など信頼できるものであるか確認しましょう。

・複数のメディアで確認:一つの情報を鵜呑みにせず、異なるメディアで同じ内容が報じられているか確認することで、誤情報のリスクを減らせます。

・感情をあおる表現に注意:感情をあおる投稿には慎重になり、冷静に事実を見極めるよう心がけましょう。

こうした工夫を日常的に行うことで、情報の正確さを保ちながら、自分の判断力を養うことができます。

SNS利用で気を付けるべき情報の見極め方

SNSでは、情報が瞬時に拡散されるため、特に情報の真偽を慎重に見極める必要があります。以下は、SNSで気をつけるべき具体的なポイントです。

・投稿の拡散速度に注意:急速に拡散されている情報は、注目を集めるために誇張や感情的な内容が含まれている場合が多いため、すぐに信じず、公式の発表やニュースを待つことが大切です。

・コメントやリツイートの反応を確認:投稿のコメント欄やリツイートに専門家や知識のある人からの指摘や補足がないかを確認することで、他の人の視点や事実関係を把握できます。

・画像や動画の加工に注意:SNSでは、写真や動画が加工されていることも少なくありません。信ぴょう性を確認するために、逆画像検索を使って出所を調べることが役に立ちます。

・発信者の過去の投稿もチェック:発信者が過去に信頼性の低い情報を投稿していないか確認することで、情報の信ぴょう性を判断しやすくなります。

こうしたことを意識しながらSNSを利用することで、不正確な情報に惑わされることなく、冷静に事実を判断できるようになりますよ。

最後に

情報の坩堝で生きる私たちにとって、インフルエンスオペレーションは身近な課題です。誰もが情報を簡単に発信できる現代では、私たち一人ひとりの情報リテラシーが社会全体の安定に貢献します。

疑うことなく情報を受け入れるのではなく、多角的に情報を捉え、冷静に判断する力を養うことが、私たち自身を守る大きな一歩です。情報に対する意識を高め、日々の生活に役立てていきましょう。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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