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2024.11.13

委嘱と委任の違いを解説!|知っておきたいビジネスシーンでの正しい使い方と注意点

委嘱とは、一定期間、ある特定の業務や職務を他人に任せることを表しています。この記事では、ビジネスにおける委嘱の意味や関連用語を紹介します。

「委嘱」と聞いて、あなたはすぐに意味を理解できますか? 多くのビジネスパーソンが曖昧なまま使っているかもしれない、この言葉。しかし、委嘱は一時的な仕事の依頼に限らず、責任の所在を明確にする重要なプロセスなのです。この記事でしっかりと理解しておきましょう。

委嘱とは? ビジネスでの正しい理解と使い方

「委嘱」はビジネスにおいて非常に重要な概念ですが、その具体的な意味や使い方を理解していない方も多いかもしれません。ここでは、委嘱の正確な意味から委任との違いを紹介します。

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(c) Adobe Stock

委嘱の基本的な意味と読み方を確認しよう

まずは辞書で意味を確認します。

い‐しょく〔ヰ‐〕【委嘱】
[名](スル)一定期間、特定の仕事を他の人に任せること。委託。「監査役を―する」
[補説]行政では、審議会・調査会などの委員に、民間人やその行政機関に属さない公務員を任じることをいう。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「委嘱」とは、ある特定の業務や職務を他人に任せることだとわかりました。読み方は「いしょく」です。

主に公的な機関や企業において、専門知識やスキルを持つ人に業務を委ねる際に使用されます。たとえば、外部の専門家にプロジェクトを委嘱するケースが典型的でしょう。

委嘱状とは?

委嘱状とは、特定の業務や任務を正式に他者に委ねる際に発行される書類のことです。この書類には、任せる業務の内容や範囲、責任の所在が明確に記載されており、受け手にとって重要な指針となります。

委嘱状は、信頼関係の証としても機能し、適切なタイミングで交付されることが望ましいでしょう。

委任や委託、嘱託との違いは?

「委嘱」に似た言葉として「委任」や「委託」、「嘱託」がありますが、これらは少し異なる意味を持ちます。それぞれの違いを理解して、適切な場面で使い分けられるようにしましょう。

委嘱と委任、委託の違いは?

「委嘱」と似た言葉に「委任」や「委託」がありますが、それぞれ意味が異なります。意味を確認しておきましょう。

い‐にん〔ヰ‐〕【委任】
[名](スル)
1 仕事などを、他人にまかせること。委託すること。「交渉を―する」
2 当事者の一方(委任者)が相手方(受任者)に一定の事務の処理を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

い‐たく〔ヰ‐〕【委託/委×托】
[名](スル)
1 ゆだね任せること。人に頼んで代わりにやってもらうこと。「販売を業者に―する」
2 契約などの法律行為やその他の事務処理を他人に依頼すること。
3 客から取引所の取引員に注文を出すこと。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「委嘱」「委任」「委託」は、いずれも他者に仕事や業務を任せるという意味を持ちますが、それぞれに異なるニュアンスがあることがわかりました。

まず、「委嘱」は、特定の仕事を一定期間、他の人に任せることを指します。特に専門的な知識や役割が求められる場面で使用されることが多く、例えば、監査役や審議会の委員を民間人に任命する場合などが挙げられます。

一方、「委任」は、ある事務処理を他者に委ね、相手がそれを受け入れることで成立する契約を指します。法的な契約の場面でよく使用され、仕事全般を任せる意味合いが強いです。

「委託」は、特定の仕事や事務処理を他人に代わりにやってもらうことを意味します。特に業者や取引所などに仕事を依頼する際に使用されることが多く、販売業務や契約行為に関して使われます。

それぞれの言葉は、状況や依頼内容に応じて使い分ける必要があります。

委嘱と嘱託の使い分け方

続いて、「嘱託」との違いも確認しましょう。

しょく‐たく【嘱託/▽属託】
[名](スル)
1 仕事を頼んで任せること。委嘱。「資料収集を―する」
2 正式の雇用関係や任命によらないで、ある業務に従事することを依頼すること。また、その依頼された人やその身分。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

「委嘱」と「嘱託」は、どちらも仕事を他の人に任せるという意味で使われますが、使い方には微妙な違いがあります。まず、「委嘱」は一定期間にわたって特定の仕事を他者に任せることを指し、特に専門的な知識や技術を必要とする仕事を依頼する際に使われます。

一方、「嘱託」は、正式な雇用関係や任命を伴わずに業務を依頼する場合に使用されます。たとえば、資料収集や特定の調査業務など、任命ではなく一時的・非公式な形で業務を委ねる場合に適していますね。その人の身分を表す点も特徴的です。

「委嘱」は正式かつ責任ある役割の任命に用いられ、「嘱託」はより柔軟で一時的な業務依頼に適しているという点が、使い分けのポイントになるでしょう。

委嘱に関連する用語

委嘱に関連する用語は、業務を進める上で知っておくと便利です。関連する用語を押さえておきましょう。

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(c) Adobe Stock

管掌とは?

管掌は、「かんしょう」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。

1 自分の管轄の職務として責任をもって取り扱うこと。「会計事務を―する」
2 旧市制・町村制において、市町村長・助役・収入役などに故障のある場合に、監督官庁が官吏を派遣してその職務を行わせたこと。現行の地方自治法ではこれを認めない。職務管掌。

引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

管掌は特定の業務を管理することだとわかりました。委嘱は一定期間に特定の仕事を他の人に任せることを意味しますから、管掌とは正反対の意味を持ちますね。

兼務とは?

兼務とは、一人の人物が複数の役職や職務を同時に担当することを指します。たとえば、ある会社の部長が他の部署のマネージャーを兼務する場合などが該当するでしょう。ビジネスや組織運営においては、限られたリソースを最大限に活用する手段として、兼務は一般的に行われています。

任命とは?

任命とは、ある官職や役目に就くように命じること。選挙で選ばれる「選任」とは異なり、任命は権限を持つ者が直接指名する方法で行われます。このため、任命には上位の者の権限と信頼が伴います。

最後に

「委嘱」や「任命」「兼務」などは、どれも組織運営において重要な意味を持つ言葉です。今回学んだ用語をぜひ日常の業務に活かしてくださいね。

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