Z世代が選ぶ、2024年の流行語部門にランクインしている「チーム友達」という言葉。みなさんはご存じでしょうか? TikTokでは、「#チーム友達」とハッシュタグをつけて投稿するユーザーが増えてきています。
「チーム友達」って何? 話題に使える「チーム」の意味と背景
「チーム友達」はどういう意味で使うのでしょうか? まずは、意味や由来を解説していきます。
「チーム友達」の定義と由来
「チーム友達」とは、その名の通り友達のことを指しますが、ただの友達というわけではありません。友達の中でも絆が強く、信頼関係の厚い相手のことを意味しています。2024年の2月に、アーティストの千葉雄喜さんによってリリースされた『チーム友達』が反響を呼び、若者の間でこのフレーズが浸透していきました。
千葉雄喜さんは、元々KOHHという名前で活動をしており、日本のヒップホップを率いるカリスマとして、国内外から高く評価されていた一人。しかし、2020年に突如引退を表明し、2021年末に活動休止していました。彼を惜しむ声が多く上がる中、2024年に千葉雄喜という名義で『チーム友達』をリリースし、音楽活動を再開したのです。中毒性の高い曲調を持つ本楽曲は、すぐさまブレイクし、SNSで話題となりました。
「チーム友達」が今注目される理由
「チーム友達」という言葉は、曲の制作に関わったメンバーの一員である、ラッパーのJin Dogg(ジン ドッグ)さんが元々使っていた言葉だそう。仲間や深い絆を意味するこの言葉に感銘を受けた千葉雄喜さんが、曲に取り入れたのだとか。歌詞を見てみると、現代の音楽では珍しいダイレクトな表現が目を惹きます。他にも、実際に彼らが通っているお好み焼き屋さんを表現した歌詞が登場するなど、地元への愛も感じられますね。
コロナ禍の影響もあって、社会ではオンラインサービスがさらに発達しています。便利になる一方で、人との繋がりが希薄化していく現代。そんな中で、友情をポップに、ダイレクトに表現する『チーム友達』は、孤独を感じる人々に勇気を与えるような楽曲といえます。仲間との連帯意識を表す歌詞やダンスは、コロナ社会を経験した今だからこそ、人々の心に刺さる何かがあるのでしょう。
大ブレイクしている『チーム友達』はTikTokでも話題となっています。MVで披露されているダンスを、友達と一緒に踊る動画が流行しており、そこから「チーム友達」という言葉を知る人も多いそう。中毒性のある曲調、シンプルで心に響く歌詞、印象的なダンスと、あらゆる要素でこの楽曲がブレイクしているのですね。
チームとグループの違いは? 意外と知らないその違い
ここで余談ですが、皆さんは「チーム」と「グループ」の違いを説明できますか? 似ているようで、違う意味を持つこの2つの言葉。せっかくなので、この機会におさらいしておきましょう。
まずチームとは、ある目的のために協力する仲間のことを指します。例えば「チームプレー」というと、個人の成績よりもチームの勝利や利益を優先させた共同プレーのこと。また「チームワーク」は、チームが共同作業をする時のチーム内の団結や連携のことを指しますよね。このように、お互いに協力するための集団を意味するのがチームです。
一方グループとは、共通する性質を持つ人々が1つにまとめられた集団を指します。グループには、必ずしも共通の目標や目的はありません。つまり、単に同じ場所にいる人々の集まりをグループ、共通の目的があり共同作業をする仲間のことをチームといいます。
会話での「チーム友達」の使い方は?
実際の会話では、どのように「チーム友達」という言葉を使うのでしょうか? いくつか例を紹介していきますね。
「俺たち何? え? チーム友達!」
『チーム友達』の楽曲には、「俺たち何? え? チーム友達」という歌詞があります。そのフレーズが、若者の間で人気となり、日常生活の何気ないタイミングで使うことも。「俺たち何? え?」と言われたら「チーム友達!」と返すノリが流行しているようです。
「うちらまじチーム友達」
普段から仲良くしているコミュニティで、お互いに何か協力しあったり、絆が深まるのを感じたりした時に「うちらまじチーム友達だね」と使うこともあります。単に「友達だね」というよりも、「チーム友達」とすることで、団結感や信頼の強さがより感じられるのだそう。
「#チーム友達」
「チーム友達」は会話で使うこともありますが、SNSで友達との写真を投稿する時にハッシュタグに使う人も多いです。InstagramやTikTokで、このハッシュタグを見る機会が増えてきたのではないでしょうか? 「チーム友達」は実際のところ、文中に交えて使うよりも、このフレーズ単体で使うことの方が多いかもしれません。何か嬉しいことがあった時に「チーム友達! チーム友達!」と楽曲と同じリズムで、友達と歌い出したりするノリが流行しています。
「チーム友達」の類語は?
「チーム友達」以外にも、友達や仲間を意味する言葉がいくつかあります。みなさんが聞いたことのある言葉もあるのではないでしょうか? ぜひチェックしてみてください!
マブダチ
マブダチとは、親友のこと。マブは本物、真実を表していて、ダチは友達のことを意味します。この言葉は、1970年代後半頃から広まったのだそう。最近では「うちらマブだよね」と、略して使うこともあります。
いつめん
いつめんとは、「いつものメンバー」を略した言葉。例えばサークルや学校など、規模の大きいコミュニティの中で、毎回一緒に時間を過ごしたり、ごはんを食べたりする決まったメンバーのことをいいます。
身内(みうち)
家族や親族など、親しい血縁関係にある人のことを意味する言葉ですよね。しかし、最近若者の間では、親密な友達という意味で使われています。友達の中でも特に、気心が知れていて、付き合いも長く、自分の居場所のような存在の友達を表すでしょう。「身内ネタ」「身内ノリ」というのは、その仲良しコミュニティにしか分からない話やノリのことです。
最後に
千葉雄喜さんの楽曲から、話題となった「チーム友達」という言葉。コロナウイルスの影響を受け、人との繋がりが薄くなっている今の社会だからこそ、何か響くものがありますよね。みなさんも、一度『チーム友達』を聞いてみてはいかかでしょうか?
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