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「配属ガチャ」という言葉を聞いたことがありますか? 例えば、「うちの会社は、配属ガチャの当たりハズレがひどい」などと、会社で聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
また、全国に拠点がある会社や行政機関などでは、定期的に配属ガチャがあり、ハラハラするという話も耳にします。「地元から遠く離れ、交通の便もよくない地方に配属されてしまった」などの悩みの声もあるようですね。
この記事では、仕事内容、人間関係、待遇や場所など、さまざまな要素がある「配属ガチャ」の実態や、いわゆる「ハズレ」だと思ったときの対応方法、仕事を楽しむためのアドバイスなどを解説します。
配属ガチャとは? 意外と知らない背景と実態
配属ガチャとは、どのようなものなのでしょうか? まずは、意味や背景、実態などをみていきましょう。
配属ガチャは、そもそも何を意味するのか?
配属ガチャは、俗語に近い言葉ですので、明確な定義がある言葉ではありません。一般的な意味は、「運要素の強い配属」といえるでしょう。
例えば、「なんで私がこの配属先に?」と首をかしげるような配属が、よくある配属ガチャの例です。自分でコントロールできる要素が少ない分、ゲームのガチャのような感覚になりやすいのでしょう。
特に、新卒社員にとって、配属ガチャはとても気がかりという声をよく耳にします。学生から初めて社会人になるだけでも、不安や混乱がありますよね。その中で、少しでも良い条件の配属先になってほしいと祈る気持ちがあるのではないでしょうか?
配属ガチャの背景や実態は?
配属ガチャがある背景には、休職者や退職者の穴埋めで行われる、いわゆる「玉突き人事」と呼ばれるものもあります。こういった場合、これまでの経験や希望などが考慮されにくいことも。また、配属ガチャが定期的にあるという職場もありますよ。特に公務員や銀行員、大企業の総合職などの場合、定期的に部署異動や転勤があることが一般的でしょう。
なお、かなり急に配属先を明かされることもあるのが実態です。筆者も全国転勤有の職場に勤務していた頃、配属先を2週間前に知らされたこともありました。
異動の時期になると、職場内がぴりぴりしていたことも、忘れられません。「あの部署はかなり忙しいので、遅くまでの残業を覚悟した方がいいよ」とか、「実家から半日かかる場所に転勤になってしまった。転職しようかな…」などの話が飛び交う日々でした。
いずれにせよ本人の意思やキャリアプランに基づかない配属は、「ガチャ」と呼ばれることが多いようです。反対に、やりたい仕事内容とマッチした配属の場合もあります。まさに、当たりハズレがあるというのが、ガチャといわれる理由なのでしょう。
成功例と失敗例|配属ガチャの当たりとハズレの実態
ここからは、よく耳にする「配属ガチャの当たりとハズレ」はどんなものなのかをみていきましょう。
好きな仕事ができる
まず、自分がやりたい仕事ができる部署に配属された場合、「当たり」と感じる人が多いようです。ちなみに、このように、希望していた部署への配属が叶ったケースのほか、配属されてから「この仕事は自分に向いているし、好きだと感じる」というケースもありますよ。
人間関係が良好
人間関係がいいというのも、当たりだと思う重要な要素でしょう。実際に、「仕事内容は希望と違ったけれど、配属先の人間関係が良いことが気に入っている」や、「実はどんな仕事をするかより、職場の人間関係の方が大事かも」などの声を耳にします。
仕事量が適正
仕事量が適正かどうかというのも、大事なポイントです。「人手が足らず、一人あたりの仕事量が多すぎる」という話を聞くこともあります。このような背景もあり、仕事量が適正な部署は、「当たり」と考える人も少なくないのでしょう。
ハズレのケースとは?
配属ガチャが「ハズレ」だと思われるのは、どのようなときでしょうか? よくある声は、次のようなものがあります。
・遠方へ転勤になり、知り合いもいなくて孤独
・仕事が多すぎる
・人間関係がギスギスしている
・興味が持てない仕事
・経験やスキルを活かせず、将来のキャリア形成が不安
もちろん、どんな配属部署を当たりやハズレと思うかは、その人が仕事に何を求めているかなど、価値観によってさまざまですよね。ここまで挙げたのは、あくまで一般的なものですので、自分なりの「こんな仕事をしたい」という要素を整理してみるのはいかがでしょうか?
配属ガチャに負けないための対策|仕事の楽しみ方とモチベーションアップ
配属ガチャに負けないための対策は、どうすればいいのでしょうか? 次の3つのアドバイスを参考にしてみてくださいね。
1:どうして「ハズレ」だと思うかを整理する
まず、配属ガチャに負けないためには、どうして自分がこの配属をハズレだと思うかを整理することが重要です。例えば、「やりたい仕事ではないからハズレだ」と考えた場合でも、数年後にまた転勤の可能性があるなら、配属先でいったん経験を積むのもありでしょう。
また場合によっては、思い切って転職をするという手もあります。ただ、ここで気をつけたいのが、転職が最善解でないこともあるということ。実際に、転職先でも配属ガチャがあり、結局年収だけ下がってしまったなどの後悔の声を聞くこともありますよ。
本当に転職して問題が解決するのかをよく考えたいところです。もちろん、職場環境も大切ですが、まずは、自分がどんな仕事や働き方をしていきたいのか、要素を分解して考えてみましょう。
「何がしたいかわからない」という人も、「こんな働き方がしたい」や、「こういう場面やものが好き」というところから考えてみるのもおすすめですよ。
2:思い切って楽しむ
仕事は、全て思い描いていた通りになるとは限らないものですよね。ですが、これも何かのご縁かもと思い、思い切って楽しんでみるのも一つの手。
筆者の友人は、遠方へ転勤になった際、その部署でこのスキルを身に着けるという個人的な目標を決めて、楽しむようにしていたといいます。さらに、週末は転勤先の地方のグルメや旅行も楽しんでいたといいますよ。
3:長いスパンで考えてみる
「ハズレ」と思ったということは、裏を返せば、自分の理想や価値観がはっきり見えてくるのではないでしょうか? それをふまえて、「ハズレを将来当たりにするには、何ができる?」という意識で考えてみると、長いスパンで見たときにプラスにできることも多いもの。今の「配属ガチャ」に一喜一憂するよりも、長期的な見方で考えてみると、仕事も楽しくなりやすいでしょう。
最後に
この記事では、配属ガチャの実態や悩みの声、仕事を楽しむための3つのアドバイスなどを解説しました。配属ガチャに悩んでいるという人は、ぜひヒントにしてみてくださいね。
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塚原美彩(つかはらみさ) 塚原社会保険労務士事務所代表
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサルの傍ら、ポジティブ心理学をベースとした研修講師としても活動中。HP:塚原社会保険労務士事務所 ライター所属:京都メディアライン