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2024.08.17

知っておきたいSTP分析とは|STP分析の目的、やり方、ポイントを紹介

「stp分析」は、マーケティングで重視されるフレームワークの一つです。多くの企業で活用されている「spi分析」について、目的ややり方、ポイントなどを調べてみました。「spi分析」を行うと一体何がわかるのでしょうか?

「STP分析」とは

世界の名だたる企業も活用しているのが「STP分析」です。マーケティングの分野で重視されているフレームワーク(分析と思考の枠組み)ですが、知らない人も多いでしょう。

「STP分析」は、現代マーケティングの第一人者であるアメリカの経済学者フィリップ・コトラー氏が提唱しました。愛される商品やサービスを生み出すのに欠かせない「STP分析」について見ていきましょう。

(c) Adobe Stock

STPの意味

「STP分析」の「STP」は、セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)の頭文字をとった言葉です。「STP分析」とは、この3つを使って行うマーケティングのフレームワークを指します。

それぞれの単語が意味することは次の通りです。

セグメンテーション(Segmentation):市場を細分化する
ターゲティング(Targeting):細分化した市場から、どの市場を狙うか決める
ポジショニング(Positioning):ターゲティングした市場で、自社の位置を定める

各単語の意味は後述でもう少し掘り下げますので、ぜひチェックしてください。なお、一般的には「STP分析」と表記しますので、この記事でもこの表記に統一します。

STP分析とは

商品やサービスを売るためには、世の中が求めるものを探り、それを満たすものをつくり出さなければなりません。また、それらが売れる仕組みづくりも必要です。それをするのがマーケティングですが、特に重要なテーマとなるのが、次のことです。

・誰に
・何を
・どのように売るか

これらを決めるのに有効なのがSTP分析です。マーケティングの一環であり、STP分析を行うことで、効果的な戦略を策定することができます。

STP分析でわかることとは?

STP分析を行うことがなぜ必要なのか見ていきましょう。STP分析を活用すると次のことを把握することができます。

顧客ニーズ

商品やサービスを売るためには、それを使いたいと思う顧客や市場があるかどうかが重要です。それらを把握し、明確にすると、ターゲット(販売対象)がイメージしやすくなります。自社がどの市場で、どのような顧客に対して価値を提供するかを把握するために、STP分析を用います。

的確なプロモーション戦略

ターゲット層が明確になれば、アプローチがしやすくなります。その層に響く広告やプロモーションの戦略が練りやすくなり、より効果的なアプローチを実現できるでしょう。

他社との差別化を図れる

商品やサービスを売るには、他社との差別化を図る必要があります。競合他社などにシェアを奪われてしまうと、巻き返しが難しくなるケースもあるでしょう。STP分析を行うことで、自社の立ち位置や差別化ポイントが特定しやすくなり、競合との差別化を図ることができます。

STP分析の方法:セグメンテーション

ここからは、STP分析の方法を見ていきましょう。まずは、標的となる市場を決めるために「セグメンテーション」を行います。

(c) Adobe Stock

セグメンテーションの目的

「市場細分化」を意味するセグメンテーションでは、利用してもらいたいユーザー像を明らかにするため、似たようなニーズを持つ顧客層を分類します。さまざまな指標を用いて、誰のための商品やサービスなのかを明確にするのです。

4つに分類する

セグメンテーションでは次の4つの指標をもとにして、分類するのが一般的です。

・地理的変数 (ジオグラフィック):
国、都道府県、気候といった地理的要因

・人口動態変数(デモグラフィック):
年齢、性別、家族構成、職業のような変わることのない基本的な属性情報

・心理的変数 (サイコグラフィック)
ライフスタイル、性格、好みなどの個人心理に基づく情報

・行動変数 (ビヘイビアル)
製品やサービスに対する知識、購買パターンなどの購買行動に着目した情報

市場を細分化することで、ターゲットを絞りやすくします。企業によっては、独自の分類方法を適用しているところもあります。

STP分析の方法:ターゲティング

セグメンテーションで分類したものの中から、狙うべき市場を絞るのが次の段階である「ターゲティング」です。

ターゲティングの目的

ターゲティングでは、市場の中でどこを狙うかを決めます。ターゲット市場を「すべて」に設定すると、範囲が広くなりすぎます。また、見方を変えると、これは「ターゲットがない」ことになり、結果、どこにも響かない戦略を実施することになってしまいます。さまざまな広告を打っても、誰にもどこにも響かないのであれば、意味がありません。

ターゲティングを行うと、商品やサービスを売り込むべき対象を絞り込むことができます。それにより、ターゲット層の特徴が明確になるため、より効果的な戦略の実現につなげることができます。

STP分析の方法:ポジショニング

ターゲット市場において、自社の立ち位置を決めるのが「ポジショニング」です。

ポジショニングの目的

市場の中での立ち位置を明確にして、他社よりも優位なポジションを見つけるのがポジショニングです。ポジショニングは、競合他社と比較しながら、自社の立ち位置を考えます。競合他社よりも高い価値を提供するための戦略を練ることができれば、自社の利益につながります。

STP分析を実施する際のポイント

ここからは、STP分析を行う際に意識したいポイントを紹介します。

他の分析手法も検討する

STP分析は、ターゲット市場を絞り、市場内での自社の立ち位置を明確にするために行います。商品やサービスを売るには、販売方法なども検討しなければなりません。そのためには、他のフレームワークを取り入れながら、多角的な視点で戦略を練る必要があります。

広い視野で検討

STP分析で最適なターゲット市場や立ち位置を見つけたとしても、それが本当に適切であるかどうかはわかりません。その市場全体が衰退期に入っていたり、規模が極端に小さいと、ビジネスは発展しないでしょう。広い視野で検討するためにも、別角度からもリサーチする必要があります。

顧客目線で分析する

商品やサービスを選ぶのは「顧客」です。顧客目線での分析はマストといえるでしょう。顧客目線を失うと、機会損失や顧客離れにつながるケースもありますので、注意が必要です。

着手しやすい項目から実施するのもOK

実はSTP分析は、どの段階から分析してもよいとされています。「S→T→P」の順にしなくても、結果に大きな違いが生じないからです。着手しやすい項目からスタートしても問題ありませんが、手順に迷う場合は、セグメンテーションから行うといいでしょう。

最後に

「STP分析」は、マーケティングに欠かせないフレームワークであり、多くの企業で活用されています。STP分析によって、自社の強みを再確認できるケースは多いです。ニーズが多様化する時代にSTP分析は欠かせないといえるでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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