Z世代の流行を作り上げる、中心的なアプリとなったTikTok。若者の間では必須のSNSアイテムであり、毎日チェックしているという人も多いでしょう。そんなTikTokからまた新たな言葉が誕生したようですね。それが今回解説する「なぁぜなぁぜ」です。
Z世代なら必ず耳にしたことがある、このフレーズ。さっそく意味や使い方を一緒に確認していきましょう。
なぁぜなぁぜとは? 意味を解説!
TikTokでブームとなった「なぁぜなぁぜ」とは一体何なのでしょうか? まずは簡単に解説していきます。
意味はいたってシンプルで、文字通り「なぜ?」というニュアンスで使います。日常生活で感じる不満や疑問を「なぁぜなぁぜ」のフレーズと一緒に発信した動画がブームとなり、このフレーズが浸透しました。「なぁぜなぁぜ」を使うことで不満を可愛く、もしくはあえて嫌味っぽく伝える効果があります。
発信者はマイクを片手に「メイク上手くできた日に限って予定なくなるの、なぁぜなぁぜ?」という感じで、首をかしげながら言うのがお決まりです。
『JC・JK流行語大賞2023』では、面白さを保ったまま疑問をぶつけられるのがいいとして、コトバ部門で3位に選ばれました。他にも『TikTok トレンド大賞 2023』のハッシュタグ部門にノミネートされるなど、爆発的な流行が見てとれますね。
なぁぜなぁぜの元ネタは?
大きな反響を呼んだ「なぁぜなぁぜ」ですが、元ネタが何だったのか気になりますよね。実は、最初は「なぁぜなぁぜ」ではなく、「なぁになぁに」が始まりだったのです。
「なぁぜなぁぜ」の元ネタは、女性7人組アイドルグループの「FRUITS・ZIPPER」が歌う『ハピチョコ』という楽曲にあります。「FRUITS・ZIPPER」といえば、代表的な楽曲『わたしの一番可愛いところ』も既にTikTokで流行していましたね。2月にリリースされた『ハピチョコ』には「ねえ呼び出しなんてなになに?」というフレーズが含まれています。その歌詞を担当するメンバーの櫻井優衣が、愛嬌たっぷりで「なになに?」と歌う姿が注目されました。
そして、その「なになに」をアレンジし「なぁぜなぁぜ」として流行らせたのは、桃園(ももらんど)ありささんだといわれているようです。彼女は六本木のラウンジに勤務していて「昨日まで私が一番って言ってたのに指名変えしてるのなぁぜなぁぜ?」「コメントで会いたいって言ってくれるのに会いに来ないのなぁぜなぁぜ」などと発信した動画がブームとなりました。それ以降、不満や疑問を「なぁぜなぁぜ」を使ってぶつける動画が、若者の間で流行となったのです。
使い方を例文でチェック!
すでにTikTokには「なぁぜなぁぜ」を使った動画がいくつも投稿されています。Z世代はどのようにこのフレーズを使いこなしているのでしょうか?
1:友達はみんな彼氏できてるのに、私だけずっとできないのなぁぜなぁぜ?
普通に言うとネガティブに聞こえるこんな内容も、「なぁぜなぁぜ」を使うことでポップなニュアンスになりますね。マイクを片手に首をかしげるという演出も相まって、不満も可愛らしく言えちゃいます。
2:お腹すいてないのに、食べる手がとまらないのなぁぜなぁぜ?
これは疑問を「なぁぜなぁぜ」のフレーズに当てはめたものですが、発信者は特に答えや解決策が欲しいというわけではありません。「なぁぜなぁぜ」で題材とされる疑問は、共感を求めるものが多いのです。TikTokでは、日常でよくある疑問や、みんなが思っていたけど触れていなかった不思議などを「なぁぜなぁぜ」を使って発信する動画も多いでしょう。
3:毎日投稿頑張ってるのにフォロワー増えないのなぁぜなぁぜ?
この場合は、フォロワーが増えて欲しいという願望の意味が込められていますね。実際にタレントの大久保佳代子さんは、「こんなにTikTok頑張ってんのに上半期トレンドに選ばれないの、なぁぜなぁぜ?」と動画を投稿したりしています。コメント欄では、「なんか可愛い」「佳代子ファイトだー!」「下半期ではいけますよ!」などポジティブな意見がたくさん見られました。
「なぁぜなぁぜ」はうざいと思われることも…
動画がバズってトレンドとなった「なぁぜなぁぜ」ですが、中には不快感を抱く方もいるようです。不満や疑問をウザ可愛い演出で発信するのが「なぁぜなぁぜ」の特徴。しかし、そのあざとい言い方に嫌気がさすという意見や、ブームした故に何回も同じような動画が流れてくるのが鬱陶しいという意見もあるのだそう。
普段は言いにくい不満や愚痴をポップに言えることから、過度な内容の発言を軽はずみにしてしまい、問題となったケースもあります。皆さんも、使い方には気をつけましょう。
また、基本的に「なぁぜなぁぜ」はショート動画内で使うフレーズです。自身が一方的に発信する動画で使いますが、日常会話のキャッチボールで使うと、相手に違和感や嫌悪感を与えてしまう可能性も…。実際の会話で使うのであれば、親しい友人間ぐらいにしておきましょう。
最後に
今回は、Z世代の間で話題となっている「なぁぜなぁぜ」について解説しました。不満や疑問をポップにぶつけることができる、新しく面白いスタイルですね。マイクを片手に、首をかしげながら毒づく、というギャップも魅力的です。皆さんも、普段思っていることを「なぁぜなぁぜ」を使って発信してみましょう。
TOP画像/(c) Adobe Stock