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「仙骨」って、どこの骨?
体の中心部に位置する骨盤。内臓や生殖器を守るほか、上半身の土台となり、下半身とつなぐ役目をしているのがこの骨盤です。
そして、今回注目するのは、腸骨や坐骨、恥骨、尾骨などとともに骨盤を構成する骨のひとつ仙骨(せんこつ)。仙骨の位置は、骨盤の中心です。逆三角の形をしていて、背骨を支える役目を果たしています。
仙骨と腸骨のあいだにある「仙腸関節」にも注目
骨盤を構成する骨、仙骨と腸骨のあいだには仙腸関節(せんちょうかんせつ)という強靭な関節があります。
例えば仙骨が傾いたり、歪んだりすると―。
全身の姿勢のバランスに悪影響を与えるほか、この仙腸関節にねじれや詰まり、硬さが生じて、腰・お尻の痛み、関節可動域に制限が生じるなどの原因になることが考えられます。
また、仙腸関節がわずかにずれるだけでも骨盤の端は大きく動くため、歪みの原因に。骨盤が歪むことでも、腰の筋肉には負担がかかります。
長時間デスクワークをした日や長距離移動をした日、激しい運動をした日などは、仙骨を含む骨盤まわりに意識を向けたストレッチを取り入れて、緊張を緩めてあげるといいでしょう。
【寝ながら】骨盤を前後傾させるストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲仰向けになり、ひざを立てます。脚は腰幅に開き、腕は体の横にセット! 恥骨を軽く突き上げて、腰が床から浮きすぎないようにしましょう。
STEP 2:骨盤を前傾させる。
▲息を吸いながら、腰を反らせて骨盤を前に傾けます。
STEP 3:骨盤を後傾させる。
▲息を吐きながら、腰を丸めて骨盤をうしろに傾けます。呼吸に合わせて、STEP 2~STEP 3の動きを繰り返しましょう。〈回数:5~10回〉
ポイントは、自分の体重を優しくかけながら仙骨を床に押し付けるようにすること!
【寝ながら】お尻で円を描くストレッチ
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲仰向けの姿勢でひざを立て、脚を揃えます。かかとの上にひざがくるように、姿勢を整えましょう。
STEP 2:お尻で円を描く。
▲仙骨を床に軽く押し付けるようにしながら、お尻で円を描く動きをします。
ひざの動きを利用しつつ、最初のストレッチでおこなった骨盤の前後傾を取り入れて、仙骨を優しく刺激しましょう。〈回数:時計まわり・反時計まわり各5~10回〉
【寝ながら】骨盤の上下運動
STEP 1:仰向けになる。
▲脚は腰幅に開き、腕は脇の下に卵1個分のスペースを開けます。恥骨を軽く突き上げて、腰が床から浮きすぎないようにしましょう。
STEP 2:骨盤の上下運動をする。
▲仙骨に意識を向けながら、骨盤を上下に動かします。「吸う息で右のかかとを突き出す~吐く息で戻す」動きをしたら、反対側も同様に、交互に繰り返しましょう。〈回数:各5回〉
【寝ながら】腰の落下運動
STEP 1:仰向けになる。
▲脚を開きます。脚幅の目安は、ヨガマットの横幅程度。
STEP 2:ひじを立てる。
▲ひじを立て、こぶしを握りましょう。腕を体側に寄せておくと、次の動作がスムーズにおこなえます。
STEP 3:お尻を床から持ち上げる~腰をストンと落とす。
▲ひじを中心に体を支え、お尻を床から持ち上げます。かかとをグッと蹴りだしましょう。3呼吸キープしたら、腰を脱力させてストンと床に落とす動きをします。〈回数:2~3セット〉
腰を優しく落下させることで、腰まわりが硬い方でも骨盤を整える効果を期待できるほか、全身のダルさをスッキリさせるのにもおすすめです。
【座りながら】コロコロ転がって仙骨の歪みにアプローチ
STEP 1:ひざを立てて座る。
▲頭頂~腰を一直線に、スッと背筋を伸ばして座ります。手はひざの裏に添えましょう。
STEP 2:上体をゆっくりうしろに倒して転がる~もとの姿勢に戻る。
▲勢いをつけず、骨盤~腰~背中の順にゆっくりうしろに転がります。体の力を抜いてリラックスするのがポイント。強い反動をつけずにもとの姿勢に戻ります。
STEP 1~STEP 2の動きを繰り返しましょう。〈回数:5~10回〉
【ストレッチローラー】を使ったほぐし方
ストレッチローラー(ストレッチポール)を使って仙骨周辺をほぐすときは、片ひざを立てた姿勢がおすすめです。
STEP 1:ストレッチローラーを横向きに置いて、お尻を乗せる。
▲ストレッチローラーの上に、左のお尻を中心に乗せます。両手は体のうしろ。左ひざを外に倒したら、足首を右太ももに乗せましょう。
STEP 2:右手で左足先を持ち、ストレッチローラーを前後に転がす。
▲姿勢が安定したら、右手で左足先を持ちます。左手はしっかりと床について、体を支えましょう。左の腰~お尻にストレッチローラーが当たるように、前後に動かします。
反対側も同様におこないましょう。〈回数:各30秒〉
最後に
マッサージをするなら、立ったままの姿勢で手の指先を下に向け、仙骨に添えてさする、もしくは同じく立ったままの姿勢でテニスボールを仙骨に当て、優しく転がす方法もあります。どちらも簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
〈やってはいけないこと〉
お尻や腰まわりの痛みの原因はさまざまです。いつもとは違う痛みや、なかなか改善しない痛みがある場合、自己判断をせずに専門の医療機関を受診しましょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。