「時化」の読み方を知っていますか?
「時化」という漢字を見て、読み方や意味がわからないという人もいるでしょう。「時化」は海に関することを表す言葉であると同時に、商売や景気を表す際にも用いられます。会話などで登場することもあるので、意味や使い方を把握しておきたいですね。
まずは、辞書で調べた意味と読み方をチェックしていきましょう。
意味と読み方
しけ【▽時化】
読み方:しけ
《動詞「しけ(時化)る」の連用形から》
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
1:風雨のために海が荒れること。「—で出港できない」⇔凪(なぎ)。
2:海が荒れて不漁であること。「—のため入荷が少ない」
3:興行などで客の入りが悪いこと。また、商売が思わしくないこと。不景気。
天候により海が荒れることや、海が荒れて不漁(魚がとれないこと)であることを意味する「時化」。
「時化」という漢字は当て字であるとされており、漢字表記から正しい読み方を推測するのは難しいかもしれません。「じか」や「じげ」と読みがちですが、それは誤り。正しい読み方は「しけ」になります。
「時化」の由来は?
動詞である「時化る」の運用形が「時化」とされています。「時化る」の意味も見てみましょう。
し・ける【▽時化る】
読み方:しける
[動カ下一][文]し・く[カ下二]《「湿気(しけ)る」と同語源。「時化」は当て字》
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
1:風雨が強く、海が荒れる。また、海が荒れて不漁になる。「海が—・ける」
2:金回りが悪くなる。けちけちする。「当節はどこも—・けた話ばかりだ」
3:気持ちが落ち込む。しょげる。ふさぎ込む。「—・けた顔」
「しける」は「湿気る」と同じ意味であることがわかりますね。空が曇り、海が荒れることが転じて、「不漁」という意味でも使われるようになったと言われています。
この意味がさらに転じて、客入りの悪さや不景気などを表す際にも用いられるようになりました。経済的に困りはじめると顔つきが曇ることから、「しけたツラ(顔)」のようにも使われています。
「時化」の使い方
「時化」という言葉の使い方を見ていきましょう。3つの意味別に例文を紹介しますので、参考にしてくださいね。
意味1:海が荒れる
《例文》今日は午後から時化になるようだ。海釣りは断念するしかない
この場合は「時化になる」「時化のため」のように使うことが多いでしょう。漁業や海釣り、海のレジャーなどに関連することで用いられています。
意味2:不漁である
《例文》時化で毛ガニの入荷がないため、メニューを変更するしかない
海が荒れ、漁をしても魚などが捕れないことを表す際も「時化」を使います。この場合も「時化により」「時化のため」のように使うことが多いですね。「海が荒れる」の意味と似た使い方をするため、前後の文脈や会話の流れで意味を判断することになります。
意味3:客入りが悪い、不景気
《例文》大きなショッピングセンターができたこともあり、商店街が時化はじめた
海が荒れると、漁獲量が減ります。この意味が転じて、商売が上手くいかないことや、不景気の意味でも「時化」を使うようになったとされています。例文の「商店街が時化はじめた」というのは、商店街に足を運ぶお客さんが減ったことを表すと考えてください。
「時化」を使った熟語
「時化」を使った熟語も見ていきましょう。いずれも天気のニュースなどで使われることがあります。
「時化空」
「時化空」とは、これから天気が荒れそうな場合や、すでに荒れた天気になっているという場合に用いられます。読み方は「しけぞら」。
空が曇り、風などが出てくると荒れた天気になりがちですよね。「これから時化そうだな」と感じる空模様を指す場合に使われています。快晴などのいい天気に対しては使いません。
「大時化」
強い雨風などでひどく海が荒れることを指すのが「大時化」。「おおしけ」と読みます。それが原因で不漁になることに対しても使うことがあるでしょう。「時化」よりもひどく荒れることを指すと考えてください。
「時化」の基準もチェック
ここからは「時化」の基準を紹介します。気象庁が「時化」と判断する基準を見ていきましょう。
「時化」は波の高さで判断される
気象庁が公表している「波浪表」を見ていきましょう。「時化」かどうかは、波の高さで判断するようです。
時化る:4mをこえ6mまで
大時化:6mをこえ9mまで
猛烈に時化る:9mをこえる
「時化」と判断される状態は、波の高さが4mを超えてから。ニュースなどで「海面が時化た状態」と報道されたら、それは波が4m以上になっていることを表します。
「時化」になると、海の事故が生じやすくなり、大きな危険にさらされるということ。「時化」の際は、海に近づかないようにしなければなりません。海釣りやサーフィン、海水浴などの予定がある場合は、その時の海の状態をしっかりとチェックする必要があります。
「時化」の類語を紹介
「時化」の類語を見ていきましょう。「時化」を言い換える際の参考にしてくださいね。
「大荒れ」
天候がひどく荒れることや、はなはだしく荒れ果てていることを表す「大荒れ」は、「時化」と近い意味を持つ言葉。言い換えの表現として使うことができます。「大荒れの海」「大荒れの空模様」のように使うことが多いでしょう。
《例文》海が大荒れのため、今日のサーフィンは中止だ
「不景気」
商売が繁盛していないことや、活気のない経済活動を表す「不景気」も、「時化」の類語です。「不景気な店」「不景気な世の中」「不景気になる」のように使います。
《例文》世の中がどんどん不景気になり、物が売れなくなっている
「時化」の対義語は?
「時化」の対義語となるのは「凪」です。「凪」は「なぎ」と読み、海などの水面が静かで泡立たず、風が吹かないさまを表す言葉。風が止み、海が穏やかな状態を意味します。
また、上記の意味が転じて、心が平穏であるさまや、世の中が安定しているさまを表すことも。「時化」とは反対の意味を表します。
最後に
「時化」について意味や使い方、「時化」の基準などを紹介しました。「時化」は当て字とされていることもあり、誤った読み方をしやすい言葉と言えます。正しくは「しけ」と読みますので、間違えないようにしたいですね。
また「時化」は商売や景気を表す際にも使われています。天気予報だけでなく、経済活動などのニュースで登場することも多いでしょう。
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