「栄枯盛衰」とは?簡単に基礎知識を解説
「栄枯盛衰」の読み方は〈えいこせいすい〉です。繁栄と衰退を表す四字熟語で、書籍やテレビなどでよく使われています。
それでは、栄枯盛衰とはどのような言葉なのか、基礎知識を確認しましょう。はじめに、四字熟語としての詳しい意味や語源、実際の使い方・例文などを解説します。
栄枯盛衰の意味
栄枯盛衰の意味は「勢いがあったり衰えたりすること」です。世の中の情勢や誰かの人生などを対象に使われます。
情勢などの移ろいを表現する栄枯盛衰を使う際は、一般的に「繁栄したものが衰退すること」を指すことが多い傾向にあります。とはいえ、「衰えていたものが盛んになること」としても表現可能です。
栄枯盛衰の語源
栄枯盛衰は、「栄枯」と「盛衰」というふたつの言葉でできた四字熟語です。
そのうち、栄枯とは「草木が茂り盛んなことと枯れしぼむこと」、また「繁栄と衰退」を意味します。盛衰も「繁栄と衰退」を意味する言葉です。
つまり、似たような意味を持つふたつの言葉をあわせて、その意味を強調している表現といえます。
「栄枯盛衰は世の習い」などの使い方・例文
それでは、使い方を例文で簡単に確認しましょう。
・あれほどテレビに出ていたのに、今はまったく見ない。栄枯盛衰とはこのことかもしれない。
・栄枯盛衰は世の常だ。衰えてしまわないように、気を緩めず頑張ろう。
・栄枯盛衰は世の習いとはいうけれど、以前はあれほどの名門だったのにね。
世の習いの意味は、「ありがちなこと」などです。
また、うまくいっていない人を励ます、または頑張る姿勢を表現するときにも使用可能です。ただし、うまくいっている人に使ってしまうと嫌味だと受け取られかねないため注意しましょう。
栄枯盛衰の関連語もチェック!
あわせて、栄枯盛衰の関連語も確認しましょう。
栄枯盛衰の類語・言い換え表現と対義語表現は、以下のとおりです。
〈類語・言い換え表現〉
・邯鄲の夢(かんたんのゆめ)
・盛衰興亡(せいすいこうぼう)
・一栄一落(いちえいいちらく)
〈対義語表現〉
・百世不磨(ひゃくせいふま)
・千古不易(せんこふえき)
これらの言葉の意味を解説します。また、似た意味の言葉として使われる「盛者必衰」や「諸行無常」との違いも理解しておきましょう。
栄枯盛衰の類語・言い換え表現
類語・言い換え表現の例とその意味は、以下のとおりです。
・邯鄲の夢(かんたんのゆめ)
……繁栄は儚いこと。人生が儚いこと。
・盛衰興亡(せいすいこうぼう)
……国家などが強大になったり衰えたりすること。
・一栄一落(いちえいいちらく)
……浮き沈みは目まぐるしいものである。人の世の盛衰を草花が咲いては枯れるさまにたとえた言葉。
「盛者必衰」「諸行無常」との違いはある?
似た意味を持つ四字熟語に、「盛者必衰」「諸行無常」もあります。それぞれの言葉の意味は、以下のとおりです。
・盛者必衰
……世の中は無常で、勢いの盛んなものもいつかは必ず衰え滅びること。
・諸行無常
……世の中のありとあらゆるものは変化し続け、永久不変なものはないということ。
栄枯盛衰と盛者必衰の違いは、栄えたり衰えたりする状態を表しているのか、栄えたものが必ず衰えることを表しているのかといえます。また、諸行無常との違いは、諸行無常が繁栄と衰退だけではなく、世の中のあらゆるものが変化することを表現している点でしょう。
栄枯盛衰の対義語表現
一方で、対義語表現の例とその意味は、以下のとおりです。
・百世不磨(ひゃくせいふま)
……いつまでも消えることなく、後世まで続くこと。
・千古不易(せんこふえき)
……いつまでも変わらない物事。そのさま。
これらのように、変わらないことを指す言葉や変化がないときに使う言葉が、栄枯盛衰の対照的な表現だといえるでしょう。
栄枯盛衰という言葉を正しく理解しよう
栄枯盛衰は、「栄枯」と「盛衰」というふたつの言葉でできた四字熟語です。栄えることも衰えることもあることを意味する言葉で、「栄枯盛衰は世の習い」などと表現します。
似た意味のある言葉でもニュアンスの違う部分があるため、使う際は注意が必要です。これらを改めて確認し、多くの言葉を正しく使えるようになりましょう。
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