再婚したい… そう思ったきっかけは?
人生の節目となる「ライフイベント」の中でも、「結婚」は期待と不安が入り混じりつつ、大きな決断を下して踏み出すもの。幸せになることを前提に、パートナーと暮らし始めても、価値観の違いによる離婚という選択もあれば、死別ということもありえます。
理由はどうあれ、一度は人生を共にしたいと思った人とのお別れによって、傷つくことは当たり前。その傷が癒えてきて、次のステージとして「再婚」という選択肢が見えてきます。
そこで、「また傷つくのでは… 」「次は失敗したくない! 」と、ちょっと躊躇してしまうのも、自然なことですよね。
「再婚したい! 」との気持ちが芽生えたきっかけは、人生を変えるサインです。どんなことがきっかけになりましたか? そして、そこで芽生えた気持ちを大切に育てていくことで、新たな一歩が踏み出せます。
再婚を考える際に考慮すべきポイント
「再婚」という可能性が見えてきたとき。人によって、状況はいろいろあります。具体的なお相手がいることもあれば、お相手がいなくてそう思うことも。シングルマザーの場合は、子供のことも考慮する必要があります。相手が初婚ということもあれば、バツイチ再婚同士というケースも考えられますよね。
状況はそれぞれであっても、次の4ステップで考えを整理することで、自信をもって次のステージに進むことができます。
1:再婚したい理由を突き詰める
「再婚したい! 」と思った理由を、深掘りして考えてみましょう。「経済的に安定したい」、「寂しさが身に染みる」、「老後を考えると不安」… 。ここでは、世間体や常識などはおいておき、自分の気持ちに正直に向き合います。
深掘りするヒントは、次の3つです。
●1:「なぜ? 」を5回問いかける
「なぜ再婚をしたいの? 」「なぜそのように思ったの? 」と、「なぜ? 」を5回繰り返してみましょう。心の奥底にある理由が見えてきます。
●2:自分の感情を整理する
過去の経験や原因を振り返り、そのときの感情を整理します。どのような感情があったのか。どの理由や出来事が心に強く残っているのかを、具体化してみましょう。
●3:周囲の意見を聞く
友人や家族など、信頼できる人と話してみましょう。他人の意見やアドバイスから、自分では気づかなかった新たな視点が出てくるかもしれません。
2:理想の結婚生活を想像する
以前の結婚生活での経験があるからこそ、今後の生活への理想や期待があるはずです。まずは、再婚相手に求める条件や生活パターンの希望などを、具体的に上げて整理をしてみましょう。
望む状態は、自分の心の中にあります。次の4つのポイントで、「自分にとっての理想の状態」を具体化していくのです。
●1:幸せを感じた瞬間を思い出す
「幸せだなぁ」と感じられた瞬間や出来事を思い出してみましょう。どのような状況で誰がそばにいて、どんな気持ちでいたのか…。何に幸せを感じる自分なのかを明確化するヒントが見えてきます。
●2:日常の心地よいシーンをイメージする
人生は、ドラマティックな出来事よりも、ささやかな日常の積み重ねです。パートナーと過ごす「普通の」1日の中で、どんなことに心地よさを感じるのかなどをイメージしてみましょう。
●3:自分らしさを大切にできる感じは?
無理せずのびのびと自分らしさが発揮できるのは、どんな感じでしょうか? あわせてパートナーの個性も尊重し、お互いに感謝の気持ちが持てる様子がイメージできるといいですね。
3:過去の経験を振り返る
理想の状態をイメージしてから、過去を振り返ってみましょう。過去を振り返る理由は、これからの生活をより良くするためのヒントを見つけること。以前の自分の言動や、つまづきの原因などが見えてきたら、次にどのように活かすのかを考えましょう。
昔の日記や手帳を見返して当時を思い出したり、友人や家族と話すことで、他者視点からとらえた情報なども得ることができます。
4:メリット・デメリットを比較する
「再婚したい! 」の勢いのまま行動に移すのはNG。どんなことにもメリットとデメリットがあります。また、「何をメリット・デメリットと感じるか」は、人それぞれ。自分の中でしっかり比較することで、再婚へのリスクを減らすことができます。
メリットとデメリットの比較は、思いつくかぎり書き出しリスト化することがおすすめ。メリット・デメリットを比較し、自分にとっての重要度やしっくり感を考え、バランスを意識して判断をしていきましょう。
再婚相手との出会い方
これから出会いを望む場合は、自分から行動を起こす必要もあります。忘れてはいけないことは、お相手にも気持ちや都合があるということ。自分の都合優先ということではなく、お相手への配慮を忘れないことが、素敵な出会いにつながります。
再婚相手との出会い方として、次の2点を意識してみましょう。
1:自然な出会いや友人・知人の紹介を活用する
「出会いがほしい! 」と血眼になるよりも、ちょっと肩の力をぬいて、趣味の集まりや興味が持てそうなイベントなどに、積極的に参加してみましょう。似たような価値観を持つ人と自然に出会うことができます。
また、友人や知人との交流に顔を出すことで、新たな人との出会いもあれば、旧知の中でも新しい魅力が見えてくることもあります。
2:婚活サイトや結婚相談所も選択肢として検討する
どんなことでも、効率的なシステムを使うことや、プロの力を借りることは、望みを叶えるのに有効。双方事前に「結婚」という意思が確認でき、条件をクリアしているので、タイミング次第では短期間でゴールインすることも可能です。
とはいえ、簡単にアクセスできる婚活サイトなどは、信頼性や安全性などをしっかりと見極める必要があります。
また、結婚相談所などは、プロの客観的なアドバイスを聞けることが大きな利点。ちょっと耳の痛いアドバイスもあるかもしれませんが、素直に受け止める心構えが、成婚にむすびつくポイントだそうですよ。
おわりに
再婚はゴールではなく、次のステージへのスタートです。自分にとって素敵だと思えるパートナーと出会うためにも、しっかりと自分を見つめ直し、求めていることや大切にしていることを明確化していきましょう。
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キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)さん
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
Twitter:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン