相手のココロをつかむ「第二印象」
第二印象は、会話の受け答えや相槌、気使いなど、相手とのコミュニケーションの過程で判断されるもの。自分をよく見せるためではなく、相手が心地よくいられるように、自分を信頼してもらえる振る舞いが大切です。
Oggi読者へのアンケートでは、「自分の第一印象に自信がない」人は50%超という結果に。第一印象に自信がない人ほど、自分の印象は、今からでも、何度目でも、十分挽回できるんです!
第二印象について教えてくださったのはこちらのお二人
ビジネスイメージコンサルタント・西松眞子(にしまつ・まこ)さん
大学教員を経て、イベントプロデュース会社でビジネスマナーの指導にあたる。その後、心理学、色彩学を学び、企業でイメージアップのための講演・研修を行う。著書に『第二印象で好かれる技術』(講談社)など。
心理学者・内藤誼人(ないとう・よしひと)さん
社会心理学をベースに、ビジネスの場で使える実践的なテクニックを紹介。『第二印象で取り戻せ「挽回」の心理学』(毎日新聞出版)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など著書多数。
【プライベート編】第二印象のお悩みQ&A
Q. 大人になってから、人との距離の縮め方がわかりません
「恋愛でも友人関係でも、新しく知り合った人となかなか打ち解けられません。あたりさわりのない話に終始してしまい、気づまりです。もっとリラックスしてつきあいたいのに」(S・Sさん 34歳・金融)
A. 〝テッパン〟の失敗談を用意しておいて
「相手に笑ってもらえる、オチのある自分の失敗談を3つくらい持っておくと、第二印象で一気に親近感を抱いてもらえます。もともとガードが堅く見られがちな人ほど、第一印象とのギャップがあって効果的。
また、苗字で呼ぶのをやめて、ニックネームなどに切り替えるのも◎。『○○さんと呼んでもいいですか? 私のことは△△と呼んでください』と伝えると、グッとくだけた関係に」(西松さん)
Q. 髪色が黒いせいか、「地味」と思われてしまうのですが…
「自分の肌には明るい色の髪は似合わないと思っていて、カラーリングはせず地毛のまま。飲みの席などでたまに『おとなしいね~』とからかわれるのは、地味で暗い、ってことですよね?」(M・Nさん 30歳・メーカー)
A. 印象を変えたいなら明るい色にしてみては?
「米国ニューヨーク州立大学フレドニア校の心理学者、E・ローソンの研究によると、黒髪は赤毛、金髪に比べると、美しい、楽しい、あたたかい、リラックスしている、といった好意的な評価を受けやすいという結果が出ています」(内藤さん)
「地味な印象を持たれるのは髪色のせいなのか? ほかにも検討事項はあるかもしれませんが、試しに明るめにカラーリングしたら、気分転換になるかも?」(西松さん)
Q. 食事に夢中になりすぎて「おいしくないの?」と聞かれます
「食べることが大好きで『しっかり味わいたい!』と思うあまり、真顔になってしまうみたい。友人に指摘されて驚きました。相手が予約してくれたお店では、特に気まずいです」(Y・Eさん 30歳・企画)
A. だれかとの食事のときは、相手との会話にウェイトを置いて
「食事優先のあなたを目の前にして、相手は『自分がないがしろにされている』と感じてしまうのかも。だれかと一緒に食事をするときは、会話を楽しむことが優先です」(内藤さん)
「シンプルに、『すごくおいしい!』と口に出せば、いらぬ誤解は生まれないと思いますよ」(西松さん)
Q. 仲良くなりたい人の前ほど「面白いことを言わなきゃ」と思って空回りしてしまいます
「距離を縮めたい人と会うときは、気の利いたことを言わなきゃ、と前日からシミュレーションして、緊張で体調が悪くなるほど(苦笑)。でも結局、思ったように話せないんです」(S・Kさん 30歳・教育)
A. 「自己アピールはゆっくりと」を鉄則に
「自分のよさはゆっくり伝わればいい、と割り切れば空回りしません。〝単純接触効果〟といって、2度、3度顔を合わせるうちに、相手に親しみを感じるという研究結果もあります。次回の約束をするために、相手から何かを借りるなどして、会う理由をつくってしまうのも手」(内藤さん)
2023年Oggi11月号「『第二印象』をよくするとすべてがうまく回っていく!」
イラスト/市村ゆり 構成/佐々木 恵・酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部