相手のココロをつかむ「第二印象」
会話の受け答えや相槌、気使いなど、相手とのコミュニケーションの過程で判断される「第二印象」。自分をよく見せるためではなく、相手が心地よくいられるように、自分を信頼してもらえる振る舞いが大切。
読者から寄せられた「第二印象」にまつわる疑問に、プロふたりがアドバイス。あなたにも心当たりのある悩みがあるはず…⁉
教えてくださったのはこちらのお二人
ビジネスイメージコンサルタント・西松眞子（にしまつ・まこ）さん
大学教員を経て、イベントプロデュース会社でビジネスマナーの指導にあたる。その後、心理学、色彩学を学び、企業でイメージアップのための講演・研修を行う。著書に『第二印象で好かれる技術』（講談社）など。
心理学者・内藤誼人（ないとう・よしひと）さん
社会心理学をベースに、ビジネスの場で使える実践的なテクニックを紹介。『第二印象で取り戻せ「挽回」の心理学』（毎日新聞出版）、『人に好かれる最強の心理学』（青春出版社）など著書多数。
【恋愛編】「第二印象」を上げるためのお悩みQ＆A
Q. 恋愛の場面で、男性の第一印象にすぐ騙されます。見抜くポイントはある？
「一回目のデートでは爽やかで素敵だったのに、何回か会ううちに自己中心的な面が見えて興ざめ。早い段階で相手の本性を見抜きたいです！」（A・Kさん 29歳・メーカー）
A. 食事のときの作法を見るとある程度の人となりがわかります
「要は第一印象＝相手の外見重視ということで、仕方がない面もありますが(苦笑)。長くつきあう相手を見極めるには、周囲への気配りなど人柄を確認できる、食事の場面が最適」（西松さん）
「性別・年齢を問わず、いろいろな人とつきあって、タイプを見抜く経験値を上げて」（内藤さん）
Q. ぽっちゃり体形の私。アプリで出会った人とのデートで、いつもがっかりされちゃいます
「アプリのプロフィールには、スタイルが少しでもマシに見える写真を登録しています。メッセージではいい感じだったのに、対面すると相手のテンションが下がるのはやっぱり体形のせい!?」（T・Sさん 33歳・IT）
A. 先に自分から宣言しておくと◎
「最初に言っておくと、そんな失礼な男性は願い下げです！ でも、リアルに会わないとわからない身体的な特徴は、先に伝えておいたほうが、お互いに第二印象のストレスが少ないですね」（西松さん）
「期待を裏切られると失望するのは自然な心理。『私はぽっちゃり体形です』とコンプレックスをさらけ出しておいたほうが、正直な人、隠しごとをしない誠実な人、と逆に好印象を持たれます」（内藤さん）
Q. 合コンではつい盛り上げ役に徹してしまい、モテません
「人が集まる場では、『明るく元気に場を盛り上げなければ…！』と謎の使命感にかられて、いつもより声を張ってしまう。後から『ワガママな子かと思った』と言われたことも」（F・Yさん 30歳・メーカー）
A. そんな女性が好きな男性も必ずいます！ でも、二面性をチラ見せするのも効果的
「自分の性格を曲げてモテても、長いつきあいになれば無理が出てくるので、そのままで大丈夫。もし、いつもの自分より張り切りすぎている自覚があるのなら、『あなたはどう思う？』と聞き役に回ることを意識してみて」（西松さん）
「明るいキャラは好印象だと思いますよ。でも合コンの最中に、知的な発言などでギャップのある第二印象を与えられれば、周囲の人も『おっ』と思うのでは」（内藤さん）
Q. デートでは笑顔を心がけていますが、何回か会ううちに頑張れなくなります
「外見に自信がないぶん、笑顔でカバーしようと思っています。でも、それほど親しくない相手と過ごすだけで緊張するのに、表情にずっと気を配り続けるのはグッタリ…」（E・Mさん 29歳・流通）
A. 最初から笑顔を振りまくのをやめてみては
「人間関係で無理は禁物。もともと不愛想なタイプなら、できないことは最初からやらないほうがいいんです。心理学で〝ゲインロス効果〟と言いますが、〝ギャップ萌え〟は逆も然り。最初は愛想がいいのに第二印象で不愛想になると、もともと愛想がない人より印象が悪くなってしまいますよ」（内藤さん）
「相手を安心させたり楽しい気分にさせたりする、笑顔以外の引き出しを用意して」（西松さん）
【番外編】「オンライン」で「第二印象」を上げるコツ
オンラインを通して人間関係を築くこともすっかり浸透した今日このごろ。画面越しに相手にいい第二印象を与えるには？
「オンラインでの第一印象の失敗で多いのは、通信トラブルや服装、背景のミスマッチなど。途中で失敗に気づき『次はないかも』というときは、会議の最後に次回の課題を提示するなどのフォローを。また、2回目以降は反応が薄くなる人が多いので、オーバーリアクションにすると印象に残ります」（西松さん）
Q. オンラインで人との距離を縮めるには？
A. 背景にプライベートな要素をプラスして
「自分の趣味やお気に入りの観葉植物などを背景に入れると、会話のきっかけに。オンラインは物理的な距離が離れているため、自分のプライベートな部分を少しでも見せたほうが、相手も親近感を持ってくれます」（西松さん）
Q. オンラインデートで相手をドキッとさせるには？
A. 赤い服を着てみましょう
「米国ロチェスター大学の心理学者、D・カイザーの実験では、オンラインで赤、緑、青のＴシャツを着てそれぞれ評価を求めたところ、赤だけが評価が高かったそう。2度目のデートで赤い洋服を着ると、魅力をアップしてくれますよ」（内藤さん）
2023年Oggi11月号「『第二印象』をよくするとすべてがうまく回っていく！」
イラスト／市村ゆり 構成／佐々木 恵・酒井亜希子（スタッフ・オン）
再構成／Oggi.jp編集部
