貯金3,000万円以上なら、セミリタイアできる?
貯金が3,000万円以上だと、経済的な余裕がかなりあるように感じますよね。これだけの貯金があれば、セミリタイアができるのではと思う人もいるでしょう。メインの仕事はせず、ゆるく働きながら自由に生きるセミリタイアは、憧れのライフスタイルの一つ。それを目指し、若い時から貯金に励む人も少なくありません。
しかし、3,000万円を貯金するとなると、かなり難易度が高そうに感じますよね。一定以上の収入がないと無理だろうと思われがちですが、貯金のポイントをつかむことができれば、実現できるかもしれません。
まずは、貯金3,000万円を超えたらセミリタイアが可能かを見ていきましょう。
セミリタイアした場合をシミュレート
貯金3,000万円があればセミリタイアできるかをシミュレーションしていきましょう。例として、次のような条件の人がいると仮定。わかりやすいように収入はなしとし、物価上昇率やインフレについても条件に入れないものとします。
・50歳でセミリタイア
・貯金は3,000万円
・収入はなし
・税金や社会保険料なども含め、生活にかかるお金は貯金で賄う
《生活費が1か月15万円》
1か月15万円×12か月=年間の生活費は180万円
3,000万円÷180万円=16.6年
上記の例だと、16.6年で貯金がゼロになりますので、66歳を超えると生活費が無くなります。
《生活費が1か月20万円》
1か月20万円×12か月=年間の生活費は240万円
3,000万円÷240万円=12.5年
1か月20万円の生活費だと、63歳になる前に貯金が底をつくことになります。
本気でセミリタイアを考えるなら、専門家に相談を
シミュレーションの結果を見ると、計算上では、貯金3,000万円あればセミリタイアは可能ということになります。本来のセミリタイアは、メインの仕事は辞めるものの、アルバイトや副業などで収入を確保する、資産運用で不労所得を得るということがほとんど。そのため、実際は、もう少し貯金が残るからです。
しかし、貯金3,000万円というのは、すごく余裕があるというわけではありません。贅沢は控え、生活費をしっかり管理する方がいいでしょう。
また、長期でマネープランを考える場合、物価上昇やインフレなどのリスクも視野に入れ、慎重に検討する必要があります。本気でセミリタイアを考えている人は、専門家に相談するのも一つです。
貯金を3,000万円貯めたい! その方法とは
貯金を3,000万円貯めるには、どうすればいいのでしょうか? 方法をチェックしていきましょう。
貯金をするなら、まずは家計管理から
貯金をしたいなら、無駄な支出を減らし、貯金に回すお金を作らなければなりません。そこで必要になるのが、家計管理です。
家計管理をする上で大切なのが、自分がどのようにお金を使っているかを知ること。お金の使い方の傾向を知ることで、無駄な支出を確実に減らすことができます。それを知るには、やはり毎日の支出を記録することが欠かせません。
家計簿をつけることを苦手と感じる人も多いですが、まずは1か月だけがんばってみましょう。そうすることで、見えてくるものが必ずあります。今は家計管理のノートやアプリが充実していますので、自分に合うものを探してみてください。
先取り貯金はマスト
貯金をしたい場合、生活費の残りを貯金に回すのではなく、先取り貯金を取り入れてみましょう。先取り貯金とは、収入があったらすぐに定額を貯金に回し、残りのお金で生活費などのやりくりをするという方法です。これだと、毎月一定額を貯金に回せますから、着実にお金が貯まるでしょう。
また、貯金をするなら、貯金用口座を作ることをおすすめします。メイン口座で貯金をしようとしても、知らない間に使ってしまい、結局予定金額が貯まらないということも。貯金用口座を開設しておけば、その心配は無くなります。
ライフプランを立て、貯金に必要な額を知る
貯金をするなら、明確な目標を持つことが大切です。なぜなら、「何となく貯金する」という動機では、挫折してしまうから。なぜ貯金をしたいのか、その理由を考え、できれば言語化しておくといいですね。
貯金は中長期にわたり、継続して行うものですから、ライフプランを立てるのもいいでしょう。自分がどのように生きていきたいか、どんな生活をしたいかを考えながら、それを実現するにはどれくらいのお金が必要か、ライフプランを通して具体的に把握するのです。
ライフプランを立てれば、おのずと必要な貯金額がわかります。何歳までにいくらあれば、理想の生活が実現するのか、考えておくといいですね。
ライフプランを作るなら、金融機関や専門家と一緒に作成するといいでしょう。その方がよりリアルな金額を算出することができます。
資産運用を取り入れる
貯金3,000万円を20年で達成するには、年間150万円を貯金に回さなければなりません。1か月に換算すると、12.5万円ですが、この金額を毎月貯金できる人はあまりいないでしょう。
そこで考えたいのが、お金を運用するということ。投資をするのは、インフレが生じた場合のリスク回避にもなりますから、検討するのも一つです。
投資は、元本保証がないことや、仕組みが少し複雑なため、不安を感じる人も多いでしょう。実際、短期間で大きくお金が増えるタイプの投資は、知識や経験値、余裕資金が必要です。投資初心者や知識がない人は、手を出さないことをおすすめします。
初心者で投資に興味があるという人は、NISA、つみたてNISA、iDeCoを検討するといいですね。比較的低リスクであり、少額から始めることができますので、投資初心者にはピッタリです。
まずはNISAなどで少額から投資を始め、知識や経験値を得てから他の投資を検討するのがおすすめ。投資を上手く活用し、賢くお金を増やしていきましょう。
最後に
貯金3,000万円以上というと、元々がお金持ち、高収入というイメージを持つかもしれません。しかし実際はそうではなく、いろいろ工夫しながらコツコツと貯金をし、それをひたすら継続したという人も多いです。貯金をしたい人は、1日でも早く始めることで、その分のお金が貯まります。思い立ったら少しでもいいので、貯金をしてみましょう。
貯金ができないという人は、まず支出の記録にチャレンジを。そこから見えることがたくさんありますよ。情報や投資を上手く活用して、賢くお金を増やしてくださいね。
TOP画像/(c) Adobe Stock
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)として活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン