結婚式を欠席するなら
今までに、結婚式を欠席したことのある方は、もしかしたら少数派かもしれません。しかし残念ながら、仲のよい友人や職場関係の人に招待された結婚式を、何らかの事情で欠席しなければいけないこともありますよね。
招待状を発送される前の、結婚式への招待を打診された時点で欠席することが決まっているなら、電話や口頭で直接伝えることができます。しかし、結婚式の招待状が手元に届いた後に欠席することが決定した場合、せっかく招待してくれた新郎新婦に失礼のないよう、慎重に返信ハガキのメッセージを書かなければいけません。
結婚式に出席する場合の返信メッセージとは違い、欠席時の返事メッセージを書く時は、新郎新婦にマイナスな印象を与えないためにも、気を遣うポイントがいくつか存在します。
そこで、返信ハガキの基本的な書き方やメッセージ例文や、欠席する時に気を付けるべきマナーなど紹介します。
基本的な返信ハガキの書き方
出席や欠席に関わらず、結婚式の招待状の返信ハガキには、基本的な書き方のルールが存在します。基本のマナーとして、ペンは黒のボールペンや万年筆を使用してください。シャープペンシルや鉛筆、消えるボールペンは失礼にあたるので、使用を避けましょう。訂正の際はフリーハンドではなく、定規を用いて丁寧に二重線で消して、修正液や修正テープの使用は控えるのがマナーです。
一般的な返信ハガキの表面には、式の出欠確認や住所、名前、アレルギーの確認項目、メッセージ欄があります。それぞれ「御住所」「御芳名」などと書かれていますが、「御」「芳」は自分に向けられた敬称であるため、二重線で消しておきましょう。
返信ハガキの裏面に書かれている宛先の、新郎新婦の名前の下に書かれている「行」「宛」も二重線で訂正してから「様」と書き直してくださいね。
結婚式を欠席する理由は書くべき?
結婚式を欠席する際、招待状の返信ハガキのメッセージ欄に「はっきりと欠席の理由を書いた方が、いいのかな」と迷う方も多いのではないでしょうか? 理由によっては、はっきり明記しても構いませんが、事情によってははっきり理由を書いてしまうと、新郎新婦にマイナスの印象を与えてしまうケースもあります。
メッセージ欄に欠席する理由を書くかどうかは、「断る理由」により判断する必要があるのです。
理由を書いてもいい場合
・妊娠中である、または出産前後と時期が重なっている
・海外出張など以前から決定していた仕事がある
・家族のお祝いごと(結婚式や入学式など)のイベントと日程が被った
これらが欠席の理由の場合は、はっきり理由を書いても問題ありません。
理由を書かなくてもOKな場合
・自身が病気などで体調が良くない
・喪中などのやむをえない状況
・遠方で、宿泊費や交通費などの経済的負担が増えるため、出席が難しい
これらの理由で欠席する場合は、メッセージ欄に具体的な理由を明記しない方がベターとされています。
欠席する場合の返信メッセージ例文
欠席時の返信メッセージを書く時のポイントは、「本当は結婚式に出席したいけれど、どうしても都合がつかなかった」のようなニュアンスでメッセージを書くこと。「多忙につき」や「忙しいから」などのワードは、一方的な印象を新郎新婦に与えるのでNGです。参考になる例文を紹介します。
※返信ハガキのメッセージでは、句読点の使用は避けるのがマナーとされているため、以下の例文では句読点を使用しておりません。
妊娠や出産が欠席の理由
・「結婚おめでとうございます せっかく招待して頂いたのですが出産時期と被っているため 欠席させていただきます 落ち着いたらあとでたくさん話を聞かせてね 楽しみにしているよ 幸せになってね」
・「結婚おめでとう 結婚式を楽しみにしていたのですが 遠方で妊娠中のため残念ながら欠席させていただきます 別便で心ばかりのお祝いを送りました 気に入ってもらえると嬉しいです お二人のお幸せを心よりお祈りします」
仕事が欠席の理由
・「ご結婚おめでとうございます 残念ながら海外出張の予定があるため欠席とさせていただきます お二人の末永いお幸せをお祈り申し上げます」
・「この度はご結婚おめでとうございます せっかくお招きいただいたのですが 当日は所用があるため 残念ながら欠席させていただきます お幸せを心よりお祈りします」
理由を明記しない場合
・「ご結婚おめでとうございます お招きいただいたのですが やむをえない事情により残念ながら欠席させていただきます おふたりの末永いお幸せをお祈りします」
・「結婚おめでとうございます せっかくお招きいただいたのですが 都合がつかず出席することができません また落ち着いたら写真見せてね 本当におめでとう」
欠席の場合のマナー
結婚式に欠席する場合、連絡方法やご祝儀、祝電など、対処方法を誤ると今後のお付き合いにヒビが入ることもあります。欠席するなら誠実な対応をして、相手に失礼のないよう祝福の気持ちを伝えたいですね。
連絡方法
招待状の返信ハガキを「欠席」で提出するなら、ハガキを出す前に直接もしくは電話で連絡を入れてから、返信ハガキを出す方がベター。LINEだけでの返事は失礼にあたるので、できるだけ避けてください。
新郎新婦は招待状の返信ハガキを受け取ってから、ハガキに書かれた内容によって料理や引き出物などの発注作業に取り掛かるため、早めに連絡をするのがマナーです。
ご祝儀はどうする
結婚式を欠席することが決まれば「ご祝儀は渡すべきか」と迷いますよね。ご祝儀を渡すかどうかは、「結婚式を欠席することがいつの時点で決まったのか」によって変わってきます。
招待状が発送される前の、出席を打診されている状況の時に「欠席」と伝えられているなら、新郎新婦に迷惑がかからないので、ご祝儀は贈らなくても問題ありません。お祝いしたい気持ちがあるなら、ご祝儀は「本来のご祝儀の3分の1もしくは2分の1」程度を包みます。ご祝儀でなくても、相手の好きそうなものをお祝いのプレゼントとして贈るのもいいですね。
招待状に「出席」で返事した後に、どうしても欠席しなければならなくなった場合、結婚式まで1か月以上あるならご祝儀は「本来のご祝儀の金額、もしくは3分の1から2分の1」程度を贈ります。
結婚式まで残り1か月切っている場合、引き出物や料理などのキャンセル料がかかってしまい、新郎新婦に迷惑をかけるケースが多いため「結婚式当日で渡す予定だった金額」を渡すのがマナー。
渡すタイミングは、欠席の返事を入れてからできるだけ早めに渡すのがおすすめです。早めの対応をすることで「残念ながら結婚式は欠席するけれど、二人の結婚を心からお祝いしています」という気持ちが伝わりますね。
祝電(電報)
結婚式は欠席の予定でも、お祝いの気持ちを当日伝えたいなら「祝電を送る」という手段もありますよ。ウエディングをイメージした可愛らしいぬいぐるみや、バルーンが付いたものもあります。ほとんどの式場では、当日届いた祝電のぬいぐるみたちを会場に飾りつけしてくれることが多いです。また、メッセージも披露宴で読み上げられることがほとんどなので、欠席していてもしっかり当日にお祝いすることができますよ。
最後に
残念ながら結婚式には不参加だとしても、今後のお付き合いのためにも、お祝いの気持ちをしっかり込めて丁寧に返信ハガキを提出したいものですね。結婚式招待状の返信ハガキを欠席で返事する際、この記事を参考にしてもらえたら嬉しいです。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
執筆/吉川沙織(よしかわさおり)さん
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン