結婚をする際、婚姻届を出すことは、はじまりに過ぎません。婚姻届だけでなく様々な手続きが、待ち受けているのです。
婚姻届の提出後には、親族への挨拶や挙式の準備などで忙しくなるため、自分たちに必要な手続きが何なのか把握しておくことが大切ですね。この記事では、結婚後にする手続きについてまとめて紹介します。
婚姻届提出後に必要な手続き
結婚後には戸籍や住所など変更する手続きがありますが、全員に共通するわけではありません。まずは、自分に必要な手続きを把握してスムーズに進めていきましょう。
転出届・転入届・転居届
結婚をして新しい住居へ引っ越す場合は、転出・転入の手続きが必要です。現在住んでいる地域の役所に転出届を出して、転出証明書を受け取りましょう。そのあと、新居のある地域の役所に転入届を提出して、住所変更が完了。現在住んでいる住居と新居の住所が同じ市区町村の場合は転居届の手続きをします。退去、入居から14日以内が期限となっているので注意しましょう。
印鑑登録
結婚をして名字が変わる場合は、新姓の印鑑を作り、印鑑登録をします。印鑑は役所や金融機関の手続きで必要となるので、早めに行いましょう。
なお、登録印が姓ではなく、名のみの場合は引き続き使用できますよ。
郵便局の転居・転送サービス
結婚後、新居に引っ越す場合は、郵便局の転送届を行います。このサービスを利用することで、旧住所への郵便物を新住所に無料で転送することができますよ。手続きには、転居届と旧住所が記載された本人確認書類等を持参しましょう。
住民票と婚姻届受理証明書
パスポートや運転免許証の住所変更には、住民票が必要となります。そのため、優先して手続きを行うと良いでしょう。婚姻届受理証明書とは、婚姻届を提出し、無事役所に受理された時に発行される書類で、住民票の氏名変更などに使用できます。なお、住民票が必要な手続きはいくつかあるため、写しを2、3枚もらっておくと安心です。
名義変更が必要な手続き
結婚をして名字や住所が変わる場合、名義変更が必要です。運転免許証やクレジットカードなど、名義変更が必要になるものはいくつもあるため、抜けがないようチェックしましょう。
運転免許証の氏名・住所変更
婚姻届や転入届を提出し、新しい住民票が手に入ったら、運転免許証を更新します。運転免許証は本人確認書類にもなるため、早めに手続きをしておくと便利ですよ。運転免許証の名義変更ができる場所は、警察署、運転免許更新センター、運転免許試験場の3箇所。役所では変更できないため気をつけましょう。
本人による手続きの場合は、運転免許証と新しい住所が確認できる書類(住民票の写しやマイナンバーカード、健康保険証、消印付郵便物など)が必要です。約30分から1時間程度で行えるため、役所で住民票を受け取ったらそのまま向かうと良いでしょう。
マイナンバーカードの氏名・住所変更
婚姻によりマイナンバーカードの記載事項に変更がある場合は、市役所で変更の手続きが必要です。マイナンバーカードを持参して向かいましょう。また、手続きにはマイナンバーカードを交付された時に作った、4桁の暗証番号が必要です。
健康保険証・国民年金の氏名変更
保険証の氏名は、戸籍上の氏名で表記されるのが原則です。以前は、婚姻により氏名が変更となった場合には、氏名変更の届出をする必要がありましたが、マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則、氏名変更および住所変更に関する届出は不要です。
ただし、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない被保険者や、マイナンバーを有していない海外居住者、短期在留外国人が氏名や住所を変更した場合は、届出が必要となります。詳しくは、日本年金機構のHPをご確認ください。
銀行口座の氏名・届出印変更
婚姻し名字が変わっても、旧姓のままで口座を維持したい場合も手続きが必要となります。金融機関によりますが、基本的に以下のような手続きです。
・取引している銀行の窓口に、すべての通帳・証書・キャッシュカード 、お届け印、今後使用する印鑑、改姓前と改姓後の名前が把握できる公的な書類(戸籍謄本・抄本など)を持って行きます。
・窓口に置いてある変更届、印鑑届、カード暗証届に記入して、窓口に提出します。
各種クレジットカード氏名・受取人変更
結婚などで姓が変わった場合、クレジットカードの名義変更が必要です。基本的に電話やカード会員専用のWEBサービスで、カード会社から変更届などの用紙を取り寄せて、必要事項を記入の上、提出します。その際、運転免許証やパスポートなど、本人確認書類のコピーを併せて提出するのが一般的です。
同時に、引き落とし口座の変更手続きも必要となるので、銀行口座の名義変更を先に行うことをおすすめします。
生命保険等の変更手続き
旧姓で生命保険や医療保険に加入している場合は、忘れずに変更しましょう。基本的に、改姓の手続き、保険契約者、保険金受取人、指定代理請求人の変更手続きは、保険会社所定の用紙と公的な書類の提出が必要です。また、保険料の支払い方法、銀行口座やクレジットカードの変更を書面で行う場合は、所定の用紙のみで手続きすることが主流になります。
変更の際には、本人確認ができる公的書類も必要です。具体的には、運転免許証やパスポート、健康保険証、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などが挙げられます。
また、変更手続きの際には、保険証券が必要なことも。提出は不要でも、必要書類の取り寄せ時などに、証券番号を伝えるとスムーズなので用意しておくと安心です。
必要書類は、保険会社や変更手続きの種類によっても異なりますので、変更する際には契約している保険会社に確認しましょう。
スマートフォンの氏名・住所変更
氏名・住所変更は、携帯電話会社のショップ、またはインターネットで手続きできます。一般的に新しい氏名が記載されている本人確認書類、または改姓の事実が確認できる戸籍謄本(抄本)が必要です。携帯電話会社によって多少の違いがあるので、詳しくは契約している携帯電話会社のHPで確認してみましょう。
パスポートの名義変更
現在有効中のパスポートを持っており、氏名や本籍の都道府県名などに変更があった場合は、パスポートの記載事項を訂正するために、「切替申請」、または「残存有効期間同一申請」のどちらかの申請をします。
ただし、氏名や本籍に変更があった場合でも、以下の条件に当てはまる方は、申請の必要はありません。
・本籍の異動が、同一都道府県内の場合
・現住所だけが変わった場合
・改姓等により戸籍上の変更はあるが、旅券面のローマ字表記に変更がない場合
例:小野(ONO)→大野(ONO)
結婚後、会社で行う手続き
結婚後、同じ会社で働くのか、退職するのかによって必要な手続きは異なります。そのため、自分に合った方法を理解して手続きをすることが必要です。
結婚後も同じ会社で働く
結婚後も引き続き同じ会社で働く場合は、名字や住所の変更を会社に連絡します。引っ越しで通勤区間が変わる場合には、通勤手当等の変更も必要です。企業の中には、福利厚生で結婚祝い金や結婚休暇が利用できるところも! 詳細は総務部の担当者に確認しましょう。
結婚後に退職する
他の会社に転職したり、専業主婦になる場合は、退職手続きを行います。専業主婦になる場合、公的医療保険は以下の3つの中から選択。
・国民健康保険に切り替える
・退職後2年間の任意継続を利用
・配偶者の扶養に入る
もし任意継続を利用する場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要となります。退職する前にどれを選ぶのが自分にとって妥当なのか、総務部の担当者に相談してもいいですね。
最後に
結婚後に必要な手続きは状況によって異なります。自分がどのパターンに当てはまるのか理解してから必要な手続きを行うことが大切です。役所での手続きは段取りがよければ1日で済むため、スケジュールを立て、効率よく進めたいところですね。結婚後にスムーズに手続きを行うための、参考にしてみてはいかがでしょうか?
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