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2023.06.28

「刹那」とは極めて短い時間のこと|意味や由来、使い方、言い換えできる類語

「刹那」とは、極めて短い時間のことです。今回は刹那の意味や何秒ほどのことか、由来となった仏教の情報、使い方を解説します。さらに、言い換えできる類語や対義語もあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

「刹那」とは?基礎知識を解説

刹那の読み方は<せつな>で、「極めて短い時間」のことを意味します。同じように刹那を使う場合でも、「刹那的」や「刹那主義」と表現するケースでは、異なる意味になる事に注意が必要です。

それでは、まず刹那の詳しい意味や由来、使い方・例文を解説します。関連する刹那的や刹那主義の意味も、あわせて確認していきましょう。

刹那の意味は「極めて短い時間」何秒のこと?

刹那とは、一般的に極めて短い時間のことを指す言葉です。また、仏教用語としての時間の最小単位を意味するケースもあります。何秒のことかははっきりとしていないものの、一説によると1刹那のことを75分の1秒だと考えるようです。

また、指を1度鳴らす間に60~65ほどの刹那があるとする説もあります。さらに、1刹那で「10のマイナス18乗」という数を指すケースもあるようです。

水滴が水盤におちる瞬間
(c)Shutterstock.com

刹那の由来は仏教

もともと、刹那とは仏教が由来となったといわれています。語源はサンスクリット語の「Kasana(クシャナ)」と発音する言葉で、インドから中国に仏教が伝わったときに音を漢字にあてはめたようです。

サンスクリット語としてのもともとの意味は、漢字でいうと「念」として訳されていました。ただし、その後もともとの意味はあまり認識されなくなり、発音のみが切り取られて、現在の使い方として定着したといわれています。

仏教用語としての刹那は、人を含む世の中のすべてが、その短い時間のなかで生死や物事も含めて千変万化していることを表現する言葉です。また、刹那の瞬間のなかで人間の意識が生成と消滅を繰り返すという考え方もあるといわれています。

時計
(c)Shutterstock.com

刹那の使い方・例文

刹那を使う際は、単に短い時間だというだけではなく、時間を計る余裕もないくらいにほんの一瞬の出来事であったことを指して使います。一般的には、日常的に使う言葉としてよりも、文学的な言い回しをする表現として使用されるケースが多いです。

刹那の例文は、以下のとおりです。

・その刹那から、目が離せなくなった。
・振り返った刹那、私は思わず叫び声を上げそうになった。

基本的には「瞬間」と同じように使います。刹那のほうが言葉の響きが良いと感じる場合に、小説などの作品で使われていることが多いようです。

「刹那的」の意味とは

「的」をつけて刹那的として表現する場合は、ほんのわずかという時間を表す意味だけではなくなります。「その瞬間だけを重視して生きること」という意味もプラスされるのです。

これにより、計画的ではないというマイナスのイメージとして、「将来のことを考えないで」「後先を考えずに」といった意味で使う場合もあります。また、「一瞬一瞬を大切に生きる」としてプラスに考える人もいるようです。

「刹那主義」の意味とは

「主義」をつけて刹那主義と表現する場合は、その瞬間を重視して生きるという考え方を指します。「過去や未来のことを考えず、精一杯に今を生きなさい」という仏教における教えがもとになっているといわれています。ただし、現在ではもともとの肯定的な意味ではなく、「将来のことを考えない快楽主義者」を指す言葉として否定的なニュアンスが強くなっているようです。

批判や揶揄するシーンで使う、ネガティブなイメージがあることに注意して使用しましょう。

刹那の言い換えができる類語と対義語

刹那の言い換えができる類語と、反対の意味を持つ対義語は、以下のとおりです。

<刹那の言い換えができる類語>
・瞬時
・あっという間
・束の間

<刹那と反対の意味を持つ対義語>
・悠久
・永劫

先述のとおり、刹那とはほんの一瞬といえるほどの非常に短い時間のことを指します。そのため、言い換えができる類語には短い時間を指すさまざまな言葉が並びます。とはいえ、そのなかでもとくに時間の短さを表現しているのは刹那だといえそうです。

それでは、刹那の類語や対義語をそれぞれチェックしていきましょう。

刹那と言い換えができる類語

刹那と言い換えが可能な類語は、以下のとおりです。

<瞬時>
まばたきほどの短い間。「瞬間」「一瞬」も似た意味で使われる。

<あっという間>
驚いて「あっ」と声を出した瞬間のこと。非常に短い間に起こったこと。なにか予想外のことが起こったことも表現できる言葉。

<束の間>
短い間。束とは片手を握ったときの指4本分の幅を指し、もともとは長さとしての短さを表していた。現在では短い時間という意味も表現する。

刹那の対義語

一方で、刹那の対義語は以下のとおりです。

<悠久>
はるかな過去から果てしなく続くこと。「悠」とは、禊によって身を清めることで心がゆったりと寛容になることを表す。「久」とは、長い時間経過を表す言葉。

<永劫>
無限に近いほどにきわめて長い時間のこと。「劫」は、長い時間を指すヒンドゥー教や仏教の用語。ヒンドゥー教では、1劫とは43億2000万年だとされている。

このように、非常に短い瞬間のことを表現する「刹那」の反対となる対義語には、どこまでも長くて果てしないような時間を表す言葉があてはまります。

刹那を正しく理解しよう

砂時計と虫眼鏡
(c)Shutterstock.com

刹那とは、一般的に極めて短い時間のことを指す言葉で、仏教用語としての時間の最小単位を意味するケースもあります。何秒のことかははっきりとしていないものの、一説によると1刹那が75分の1秒だといわれることもあるようです。

刹那は、単に短い時間だというだけではなく、時間を計る余裕もないほどのほんの一瞬の出来事を指して使います。日常的に使う言葉としてよりも、文学的な言い回しをする表現として使用されるケースが多いです。

また、刹那的や刹那主義と表現する場合には、異なる意味合いになります。

刹那の詳しい意味や由来、言い換えができる類語表現などの関連する言葉をあわせて理解して、多くの言葉を正しく使えるようになりましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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