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誰の身にも起こりうる「気象病」
天気の変化に伴う不調には、頭痛、めまい、首・肩こり、腰痛、関節痛、むくみ、耳鳴り、だるさ、気分の落ち込みなど実にさまざまなものがあり、それらの病態を総称して「気象病」と呼んでいます。
こういった不調は、天気(気圧、気温、湿度)の変化が耳の奥の内耳や自律神経に作用して現れるもので、誰の身にも起こりうる症状です。
寒暖差や気圧変動が大きい春は、気象病の症状が出やすい季節。ゴールデンウィークなどの連休を使って外出をする人も多いと思いますが、出先で体調を崩してしまったらせっかくのお出かけが台無しに。そうならないためにも、普段から自律神経を整えておくことが大切です。
「自律神経の乱れ」はさまざまな不調の原因に
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は血管を収縮させ、心拍数を上げて体を興奮させる働きがあります。一方、副交感神経は心拍数を下げて体をリラックスさせる働きがあります。この交感神経と副交感神経の調整がうまくいかないと、頭痛やめまい、気分の落ち込みなど、さまざまな体調不良の原因になるのです。
常にダラッとした生活をくり返していると、ストレスに対して交感神経がなかなか働いてくれなくなります。そうなると、副交感神経から交感神経へのスイッチの切り替えがうまくいかなくなり、「自律神経の乱れ」が生じてしまいます。
交感神経と副交感神経のスイッチは、ちょっとした運動をすることで切り替えることが可能です。つまり、体を動かすことは交感神経を働かせる習慣を取り戻し、気象病の症状を和らげることにつながるのです。
自律神経を整えるストレッチ3つ
ここからは、自律神経を整えるためのおすすめのストレッチを紹介します。隙間時間に簡単に取り組めるので、ぜひ試してみてください。
◆テニスボールで首すじほくし
1. 仰向けに寝て、首の付け根にテニスボールを置き、ゆっくりボールに圧をかけて10秒キープ。
2. うつ伏せに寝て、あごの下にテニスボールを置き、ゆっくりボールに圧をかけて10秒キープ。
※痛みを感じる場合、テニスボールよりやわらかいボールを使用しましょう。首の前側は圧迫しないように注意してください。
◆血流アップのつま先立ち
1. 直立した状態で立ち、かかとを床にしっかりつける。
2. かかとを上げてつま先で立つ。[1][2]を繰り返す。目標は1セット30回を1日3セット!
◆下半身をまとめて鍛えるスクワット
1. 両足を肩幅に開いて立ち、イスの背もたれに両手を置く。
2. 背すじを伸ばしたまま、お尻を突き出すように、ゆっくりひざを曲げ、[1]の姿勢に戻る。目標は1セット10回を1日3セット!
NGポイント
※体に痛みの症状がある方は、無理のない範囲で行ってください。
* * *
激しすぎる運動は交感神経が興奮状態になりすぎて、今度は副交感神経へのスイッチが入りづらくなってしまうので注意しましょう。自律神経を整えるための運動なら軽めで十分なので、ぜひこういったストレッチを続けてみてくださいね。
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