雑用とは?基礎知識から解説
雑用とは、こまごまとしたさまざまな用事のことなどを指す言葉です。読み方は、<ざつよう>だけではなく<ぞうよう>とも読み、「雑用に追われる」などと使います。仕事でいう雑用とは、基本的に特別なスキルの必要がなく、誰でもできるような業務を指します。
はじめに、雑用とはどのようなものか、意味や類語、分類される仕事の例をチェックしていきましょう。
雑用とはこまごまとした用事のこと
雑用には、以下のとおり2つの意味があります。
・こまごまとした用事のこと
・こまごましたものにかかる費用のこと
ここでは、こまごまとした用事のことを指して、「雑用の仕事」などと使うケースを詳しく解説します。仕事における雑用とは、誰にでもできるこまごまとした業務のことです。スキルアップにつながらず、やりがいも感じられないとして、敬遠・軽視されやすい仕事です。
雑用の言い換えができる類語
雑用との言い換えができる類語は、以下のとおりです。
・小用
・雑事
・野暮用
小用は<しょうよう>もしくは<こよう>と読み、ちょっとした用事を指しています。雑事は<ざつじ>と読み、本来の仕事以外のさまざまな用事のことです。野暮用は<やぼよう>と読み、趣味や遊びではない実務的な用事、またはつまらない用事という意味で使われています。
雑用といわれる仕事の例
雑用といわれる仕事の例は、以下のとおりです。
・お茶くみ
・来客後の片付け
・書類のコピー
・書類の作成
・会議用の資料まとめ
・オフィスの掃除
・植物の水やり
・備品の補充
・買い出し
このような業務も、大切な仕事の一部ではあります。代わりがいない状態の仕事は健全ではないため、誰でもできるような仕事ばかりであることを気に病む必要はありません。
とはいっても、雑用ばかりしていては仕事がつまらなく感じやすいものです。実際に専門的な仕事のスキルアップにはつながらないため、自分が成長できないとして悩んでしまうこともあります。
雑用の仕事を抱えやすい人とその理由
それでは、雑用の仕事を抱えやすい人とその理由を詳しく確認していきましょう。
雑用の仕事を抱えやすいのは、新入社員や女性などです。また、仕事をみんなに振り分けているリーダーも、雑用の仕事を抱えやすいといわれています。
なぜこれらの人々は雑用の仕事を抱えやすいのか、その理由を解説していきます。
雑用を新入社員に任せることの多い理由
雑用は、大きな仕事を任される前のステップだともいわれています。業務をこなすために必要な仕事でありつつ、スキルや経験を問わずに任せられるため、知識やスキルが不十分な新入社員にも任せやすいのです。
また雑用といわれるような業務であっても、その様子をチェックすることで、仕事への姿勢や適性、タイプを確認できます。コミュニケーション能力や工夫して仕事に取り組めるかなど、さまざまなことをチェックして今後の判断基準としているのです。
「女性だから」との理由ならハラスメント?
女性であっても、同様に成長のステップである可能性があります。ただし、「女性だからお茶くみやコピーなどの雑用しか任せない」という、古いジェンダー観による慣習が続いている企業もあるものです。このような性別に基づく差別は、ジェンダーハラスメントに当たるため、相談窓口や社内の信頼できる人に相談してみましょう。
性別に基づくものではなくても、能力や経験に見合わないような雑用しかさせてもらえない場合には、パワーハラスメントの可能性があります。
リーダーも雑用を抱えやすい
一方で、リーダーも雑用を抱えやすいものです。周りの人たちにあまり仕事を振り分けられず、自分で抱え込んでしまうことがあります。この状態では、優秀な人であってもそのパフォーマンスを発揮できず、チーム全体のマネジメントをうまくできなくなってしまうでしょう。
その業務が必要なのか放棄できるのか、ほかの手段があるのかなどを考えて、必要のない業務は思い切って捨てるのがパフォーマンスを上げるコツです。また、必要な業務はそれが得意な人に任せましょう。
雑用の仕事に納得できない場合の解決策
仕事で雑用ばかりを任されていることに納得できない場合には、以下の解決策を試すことをおすすめします。
・「雑用」と思っている仕事への考え方を変える
・やりたいことを表明する
雑用の仕事がなぜ納得できないのか、理由によっても解決策が変わる可能性があります。それでは、それぞれの解決策をチェックしていきましょう。
「雑用」と思っている仕事への考え方を変える
先述のとおり、雑用といわれるような仕事は、実際には会社にとって必要な業務のひとつでもあります。なぜこのような業務をする必要があるのか、仕事の目的を考えて理解できれば、仕事の意義がわかり納得できる可能性があるでしょう。
また、どのような職場であっても、経験が浅いうちは雑用の仕事ばかりを任せられるものです。「こんなことばかりやる仕事なんて」と思うのではなく、その後の円滑な業務につなげられるように、信頼度を高めたり職場全体のルールを知ったりするために必要なのだと理解しましょう。
また、やりたいことはないけれど雑用は嫌だという場合は、仕事自体ではなく相手に評価されないことを不満に感じているケースがあります。しっかりとやったことを報告するようにすれば、同じような仕事内容であっても不満が改善される可能性があるでしょう。
やりたいことを表明する
雑用ではなく自分のスキルアップになるような仕事をしたい人は、やりたいことを伝えることも重要です。雑用をしっかりとこなして信頼を得たうえで、やりたいことを表明すると良いでしょう。
雑用を任されているうちに便利屋のような立ち位置になっているケースもあるため、自分の意見を伝えてやりたい仕事を上司に相談してみることをおすすめします。やりたい仕事が定まっていない場合には、雑務が自分だけに集中していて負担が大きいことなど、いやだと思っていることなどを相談してみましょう。
雑用の仕事への意識から変えてみよう
雑用といわれる仕事の例は、お茶くみ・書類のコピー・書類の作成・オフィスの掃除などです。スキルがなくても誰でもやれる業務であるため、やりがいがないことやスキルアップにつながらないことなどで嫌がられる業務でもあります。しかし、雑用と思っている仕事でも、意識を変えることなどで仕事への不満が改善できるケースがあります。
雑用の仕事の基礎知識や多く任されやすい人の例、納得できない場合の解決策などを理解して、働きやすい状況になるようにしましょう。
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