ミルクで変わるコーヒーの味わい
▶︎前回記事:フレンチプレスの美味しい淹れ方|おすすめのコーヒー豆から分量まで解説
カフェ・オ・レやカフェラテなど、コーヒーの味わいを損なわずに美味しさを引き立たせてくれるミルクは、まるでコーヒーシーンの相棒のよう。さまざまな種類を使い分けられるようになれば、楽しさも一層広がります!
◆ミルク
言わずと知れたコーヒーのベストパートナーであるミルク。カフェ・オ・レやカフェラテを作るのにかかせない存在です。最近では豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクなど植物性のミルクを使うことも増えてきました。コーヒー豆の味に合わせてミルクを変更するのも楽しみのひとつ。
◆液体クリーム
手軽に使うことができる液体クリーム。液体クリームには2種類あり、植物油に粘度を持たせて乳脂肪に近い状態にした植物性クリームと、新鮮な生クリーム(乳脂肪)から作った動物性クリームがあります。植物性はあっさりとしてコーヒーの味に与える影響が小さく、アメリカンなど軽めのコーヒーに合います。一方で動物性はミルクの味わいが濃厚なので、濃いめのコーヒーに合わせるのがおすすめです。
◆粉末クリーム
粉末クリームは、生乳から分離したクリームの成分を均質化したのち粉末にしたもの。ホットコーヒーに加えると、マイルドな風味とコクを活かした味わいが楽しめます。
◆コンデンスミルク
コンデンスミルクは、水分を蒸発させて濃縮させた甘くてとろみのある乳製品で、加糖練乳とも言います。コンデンスミルクはベトナムコーヒーなどに使われています。甘味が強く、デザート感覚で楽しみたい時におすすめです。
コーヒーによく使われる砂糖は?
砂糖は人間が活動するためのエネルギー源である、ブドウ糖をたっぷり含んでいます。疲れを感じた時に甘いものが欲しくなるのもこのためです。ブラック派の人も、元気を回復したい時の一杯にはひとさじの砂糖を入れてみてはいかがでしょうか。
◆グラニュー糖
シュガーポットに入っていたり、スティックシュガーなどにも使われるグラニュー糖。さらさらとして扱いやすくクセのないスッキリとした甘さは、コーヒー・紅茶などさまざまな飲み物によく合います。純白なグラニュー糖などに濃厚糖液を加えて、一定の角型に圧縮・乾燥させたものが角砂糖になります。
◆ガムシロップ
ガムシロップは、砂糖を水で煮詰めたもの。水分で薄まっているのでやわらかな甘さが特徴です。アイスコーヒーなど、砂糖が溶けにくい冷たいメニューでよく使われます。
◆コーヒーシュガー
コーヒーシュガーは、氷砂糖の一種でカラメル溶液を加えて茶褐色に着色した小粒の砂糖です。ゆるやかに溶けていくため、飲んでいる時に甘さが変化するのが特徴です。
その他の砂糖でコーヒーの味わい方いろいろ!
◆三温糖
煮物やてりやきなどの和食に使われることの多い砂糖です。香ばしさが特徴で、コーヒーに入れるとカラメルっぽさがあり、奥行きが出て深みのある味わいになります。
◆きび糖
自然な甘さがあるきび糖。コーヒーのコクが深くなるというよりは、酸の輪郭がくっきりとしシャープな印象に。
◆黒糖
黒糖は、コーヒーと合わせると深い甘さがしっかりと出るのが特徴です。余韻を長く感じコーヒーの味わいがガラッと変わるため、ブラックコーヒーの苦みが苦手な方には意外と黒糖がおすすめです。
◆てんさい糖
砂糖大根から作られる砂糖で、コーヒーの風味や味わいを活かしてくれる優しく自然な甘さが特徴のてんさい糖。腸内環境を整える機能があると言われているオリゴ糖が含まれているため、ヘルシー志向の方にもおすすめです。
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いかがでしたか? ブラックが苦手という人でも、さまざまな種類のミルクや砂糖でコーヒーを楽しむことができます。私自身ブラックで飲むことが多いのですが、朝はソイミルクでカフェ・オ・レを作ってはちみつをいれて飲むのが好きなんです。今回はコーヒー×ミルク、コーヒー×砂糖でご紹介しましたが、ミルクと砂糖の両方を入れるのも美味しいですよね。
その日の気分やシチュエーションによって、違った味わいのコーヒーを楽しんでみてください!
次回は「カフェメニュー番外編:デカフェ」について解説します。
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UCCコーヒーアカデミー専任講師 村田果穂
優れた抽出技術を競う「ジャパンブリュワーズカップ2014/2015」にて準優勝した経験を持つ。ほか、世界各国で開催される、もっとも優れたスペシャルティコーヒーの味わいを評価する品評会「カップオブエクセレンス」で国際審査員なども務めるなど、抽出技術はもちろん、優れた味覚・嗅覚の持ち主でもある。
保有資格:UCCコーヒーアドバイザー、(アメリカ)CQI認定Qアラビカグレーダー、(コロンビア)マイルドコーヒークオリティコントロールスペシャリスト、COE国際審査員