「オクラ」は漢字でどう書くの?
「陸蓮根」「秋葵」、これらはともに「オクラ」と読みます。ネバネバがおいしいですよね。実は、オクラの漢字表記は2種類あります。それぞれの由来を説明しますね。
「オクラ」を「陸蓮根」と書く理由は?
「オクラ」を「陸蓮根」と書く理由は、蓮根(レンコン)に似ているからです。オクラを輪切りにしてみると、レンコンのように穴が空いていますよね。一説によると、レンコンは水の中で育ちますが、オクラは陸で育つので、陸蓮根と呼ばれるようになったと言われています。
陸蓮根はオクラと読みますが、「おかれんこん」とも読むそう。おもしろいですね。
「オクラ」を「秋葵」と書く理由は?
次に「オクラ」を「秋葵」と書く理由ですが、これはオクラの中国語表記から来ています。中国語の辞書でオクラを引くと「秋葵」と出てきます。
オクラは秋に旬を迎えるアオイ科の植物ということから「秋葵」になったようです。ちなみに発音は「チウクイ」と読むそうです。
オクラの由来とは?
そもそも、オクラはなぜオクラと呼ばれるようになったのでしょうか。オクラは、アフリカ東北部のエチオピアが原産といわれており、日本にやってきたのは幕末ごろとされます。日本の一般家庭では、戦後になって普及しました。
当時、日本人はオクラを「オクラ」とは呼んでいませんでした。そのころの人々は、トロロアオイを「ネリ」と呼んでいましたが、オクラのことをその近縁種と見て、アメリカから伝えられたことから「アメリカネリ」と呼んでいたようです。英語ではオクラのことを「okra」(オウクラ)といい、結果的に「アメリカネリ」という呼称よりも「オクラ」のほうが広まったというわけです。
なお、アメリカに「gumbo(ガンボ)」というスープがあるのをご存知でしょうか。このgumboは、フランス語でオクラという意味なのだそう。スープ自体は魚介や鶏肉などをベースに香味野菜を入れる家庭料理なのですが、オクラだけは必ず入るので「gumbo」と呼ばれるようになったそうですよ。
オクラに関する豆知識を紹介
オクラに詳しくなったところで、食べ方についてもお伝えしておきますね。
オクラの下処理方法
オクラは茹でて食べることが多いと思います。その際の下処理をていねいにしておくとおいしく食べられますよ。
まず、オクラをさっと洗ったら、茎の部分を切り落としましょう。育ちすぎてさえいなければ、ガクから茎につながる部分もおいしく食べられますが、茎の先端は渇いてしまっていることが多いので切り落としておくのが無難です。
次に、額の部分を剥きとりましょう。面取りの要領でくるりと剥きとることで口当たりが良くなります。
オクラの茹で方
オクラを茹でる前には、オクラの表面を塩でこすっておきます。その塩は落とす必要はありません。熱湯にそのまま入れて茹でれば、色鮮やかに茹で上がりますよ。
茹で時間は2分程度が目安です。鍋にオクラを入れたら、落としぶたをするか、箸で上下を返すようにしながら茹でましょう。茹で上げたら、ザルにあげ、氷水か冷水にとり、水気を切ってから食べやすい大きさに切るようにします。
オクラを使ったオススメ料理
オクラの特徴はネバネバです。粘りを生かして料理したいものですね。オクラとそうめんで酢の物にしてみましょう。そうめんのツルッとした食感とオクラのネバネバがぴったりです。
また胡麻和えやおかか和えも簡単でおいしい一品。お弁当などにも使えるので常備しておくといいですね。
オクラに含まれる栄養素
オクラ100グラムに含まれる主な栄養素を挙げてみましょう。
・エネルギー:26kcal
・水分:90.2g
・たんぱく質:2.1g
・脂質:0.2g
・炭水化物:6.6g
・食物繊維:5.0g
・カリウム:260mg
・マグネシウム:51mg
・葉酸:110μg
・パントテン酸:0.42mg
※参照:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
注目すべきは「食物繊維」「カリウム」「マグネシウム」の3つ。食物繊維は、腸内環境を整え、お通じをよくしてくれます。便秘の予防・改善はもちろん、代謝を良くしてくれるのでからだの調子も整いますよ。
カリウムは細胞内液の浸透圧を保ったり、体液のpHバランスを調節したりする役割を担っています。ナトリウムを排出する働きもあるので、むくみ解消の効果も期待できるでしょう。
マグネシウムはミネラルの一種。骨や歯の形成を助ける働きをします。体温や血圧の調整、筋肉の収縮や神経のはたらきのサポートなどにも影響があるといわれていますよ。
オクラの選び方
おいしいオクラを選ぶポイントは次の3つです。
1. 色がキレイ
2. 皮の表面が産毛で覆われている
3. サイズは小さめ
オクラの新鮮さを見極めるには産毛をチェックします。オクラ全体に白くて細かい産毛がびっしりと生えているものを選びましょう。産毛が目立たなくなっているものや部分的に抜け落ちているものは新鮮さが失われていることが多いです。
そして、サイズは小さめを選びます。オクラは大きくなると、皮が固くなり食べづらくなります。若くて柔らかい「オクラ」のほうが食べごろといえるでしょう。
オクラの保存方法
オクラは、冷蔵庫の野菜室で保存するのがベスト。長持ちする温度は10℃前後、乾燥に注意します。また、オクラを保存するときにはキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れてください。オクラは湿気も好みませんので、濡れたまま保存しないように注意しましょう。
もし、冷凍したい場合には、板ずりをして産毛を取り除いた後、水で洗ってくださいね。水気をしっかり拭き取ったらガクを切り落とし、冷凍用保存袋に入れて密封して保存します。産毛とガクを取り除いておくことで解凍後の調理がとても楽になりますね。
輪切りや乱切りなど、使いやすいようにカットしてから冷凍することもできます。水気をとって保存しましょう。
最後に
オクラについて説明しました。栄養価も高く、手軽でおいしい「オクラ」。いろいろアレンジしてみてくださいね。
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