トマトとは
トマトは、ナス科の多年草。栽培上は一年草として扱われます。もともとは南アメリカのアンデス山脈が原産で、日本には江戸時代に渡来しました。今では、世界中でケチャップやトマトソース、ジュースなどに加工され、生活に欠かせない食材です。主な産地は熊本、千葉、茨城、愛知県などです。
トマトの栄養素
ヘルシーで栄養価も高いイメージから、トマトジュースを飲んだり、サラダとして食べたりする方も多いはず。トマトの栄養素を改めておさらいしておきましょう。
1:リコピン
トマトには、リコピンというカロテノイドの一種が豊富に含まれています。トマトが赤いのは、このリコピンが元になっているのです。リコピンには強い抗酸化作用があり、それはビタミンEの100倍以上だとか。抗酸化作用は体内で活性酸素が発生するのを抑える効果があります。そのため、皮膚にできたシミやしわ、動脈硬化や心筋梗塞が進行するのを抑制することができるのです。生活習慣病の予防にもつながります。
2:カリウム
トマトには、リコピン以外にもカリウムが含まれています。カリウムは、体内の余分な塩分を尿として排出する作用があります。それによりむくみや高血圧を和らげることができるので、塩分を取りすぎたときにおすすめの食材です。
3:ビタミンC
ビタミンCには、リコピンと同じ抗酸化作用があり、皮膚や血管の老化を防ぎます。さらにコラーゲンを合成するのにビタミンCが使われるため、美容効果の高い栄養素といえるでしょう。
トマトの美味しい時期は?
トマトは夏野菜と呼ばれており、夏が旬というイメージがありますがどうなのでしょうか? 一般的にトマトは、昼と夜の温度差が大きいほど、色づきがよくおいしいトマトが収穫できます。しかし、夏の日差しはトマトにとって過酷なため、収穫時期は、ハウス栽培が主な冬春トマト(7月〜11月)と、露地栽培が主な夏秋トマト(12月〜6月)になります。
露地栽培のトマトは、6月〜8月、ハウス栽培は2月〜5月が美味しい時期。自然に近い環境で育った夏秋トマトは、酸味がありトマト本来の味が味わえます。一方、冬春トマトはゆっくりと育ちながら糖度が高まるため、味が濃く甘いトマトに育つ傾向があるのです。季節ごとにそれぞれの味わいを楽しみたいですね。
トマトの品種
トマトと聞いて思い浮かぶのは、赤くてぽってりとした丸い形。ですが世界には、細く尖った形のトマトや深いひだを持つものなど様々なトマトがあります。世界にはなんと1万以上の品種があるのだとか! 日本で品種登録されているのはその中の約300種ほど。ここでは主なトマトの品種を5つ紹介します。
1:桃太郎トマト
桃太郎トマトは、現在市場に出回っている最も一般的な品種。出荷しても痛みにくい大玉のトマトとして人気があります。甘味があり、クセが少ないため食べやすい品種です。
2:アイコ
アイコは、ミニトマトくらいのサイズで、少し細長い形をしています。栽培環境によってはミディアトマトくらいの大きさまで成長することもあるのだとか。果肉が緻密でしっかりとしており、甘味が強いのが特徴です。サラダなどの生食はもちろん、加熱調理をしてソースなどにすると旨味が出ておすすめです。
3:サンマルツァーノ種
サンマルツァーノは、イタリアントマトの代表品種で、古くからイタリアで栽培されてきました。唐辛子のような細く尖った形が特徴的です。このトマトは生食向きではなく、煮込み料理などの加熱調理に適しています。旨味が多く、加熱することでより美味しくなる特性があります。水煮の缶詰にされているのもこの品種が多いようです。
4:ブラックチェリー
ブラックチェリーは、赤褐色のプチトマトです。近年では、黒色や黄色、グリーンなど色とりどりのトマトがスーパーで見られるようになりましたね。ブラックチェリーは甘味・酸味が強めでしっかりとした味があります。また、噛んだ時の弾けるジューシーさも魅力です。
反対に、煮崩れしやすくピューレ状にしたときに色が映えないため、加熱料理には向きません。個性的な色味を生かしてサラダやトッピングとして使うのがいいでしょう。
5:ソプラノトマト
果肉が硬くしっかりとしているソプラノトマト。甘味があり、味が濃く感じられるのが特徴です。果肉がしっかりとしていることから輸送性にも優れ、高糖度栽培にも向いています。フルーツトマトのような甘味が感じられるのが魅力です。見た目は濃い赤色で、放射状の線があり、パツンと弾けそうな丸い形をしています。
美味しいトマトの選び方
栄養価も高く、様々な料理に使えるトマト。せっかくなら美味しくて新鮮なトマトを選びたいですよね。おいしいトマトの選び方を知っておきましょう。
1:全体が赤く熟しているもの
ヘタのギリギリの部分まで赤く熟しているものがおいしいトマトのポイントです。色が薄かったり、ヘタの周辺が緑色をしているものは未熟なので、味が薄いことも。果実にハリがあって、持ったときにずっしりと重いものは中身が詰まっています。茶色の筋が入っていたり、割れているトマトも避けたほうが無難です。
2:果実の形が綺麗に丸いもの
果実の形が変形していたり、角張っていたりせず、丸いものがおすすめ。また、ヘタが緑色でピンと張っているものも新鮮な証拠です。トマトを丸ごと使う料理やサラダに使うものは見た目が綺麗なものの方がいいでしょう。
ただし、果実表面に細い筋が入っていたり、形が少し変形しているだけで値引きされているものはお買い得。トマトソースや煮込み料理に使うなどうまく活用したいですね。
最後に
今回はトマトの栄養素や品種などをみていきました。トマトといえば夏の食べ物だと思っていた方も多いはず。実は、春や秋の方が濃く甘くなるとは驚きでしたね。品種による味の違いや美味しいトマトの選び方を覚えておくことで、トマトを見る目も変わるでしょう。ぜひ、毎日のお買い物で役立てくださいね。
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