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2022.12.13

年下上司とどう向き合う? 驚くほど優秀な人たちがしのぎを削る世界で思うこと<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#59>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、ミッドキャリア世代が転職時に直面する、年齢と外の世界について。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

これまでの連載はこちら

ミッドキャリア世代の転職

日本で年末年始を過ごすのが2年ぶりです。

去年なんて、命すらどうなるか分からない恐怖の中、アメリカの病院にいたなと思い出すと、今年はなんて落ち着いた幸せな年末なんだと心穏やかな古瀬です。

さてさて、私のコラムもとうとう残り2回になりました。

最後は何を伝えようか、あーでもない、こーでもないと考えるわけなんですが、今回は我々ミッドキャリア世代が転職時に直面するであろう、ある体験を書きます。

テーマは『年下の上司たち』

年齢はただの数字

仕事をする女性
(c)Shutterstock.com

私は2回の転職を経て、いまスタートアップの外資コンサルティング会社とNPOで働いているのですが、どちらの職場でも、上司や経営陣は私より年下です。

仕事の能力に年齢は関係ないと当然思うものの、いわゆる日系レガシー企業に長く勤めていた私にとって、年功序列がまだまだ息づいていた環境であったので、年下の人が私の上司や管理者であることは一度も経験がありませんでした。

しかし、一歩外に出てみると、20代で起業している方はたくさんいますし、スタートアップに転職しようものなら、高い確率で20〜30代の社員だらけ。

しかも、高い志やビジネスマインドを持って、少数精鋭で運営されているスタートアップが多いので、長く大企業にいたアラフォーには面食らうことが多い!

1人の社員が背負っている責任や仕事量と多さや、シビアな勝負を日々行っている戦場を見て、自分の経歴やキャリア年数に見合ったレベルに自分が至っているのかとても不安になります。

「あれ? 私こんなにダメだったっけ?」としばしば。

そんな葛藤をしながらも日々をひたすら乗り越えるわけなんですが、1ヶ月ほど前、とても心に残った日がありました。

それはNPOの代表の方と2人で話をしている時のことでした。

その方は私より5〜6歳若く、たった3年で会社をしっかり軌道に乗せた敏腕経営者なのですが、彼女にこんなことを言われたんです。

「麻衣子さんとは長く一緒に働きたいと思ってます。でも、麻衣子さんが起業を考えているなら、それは応援したいんです」と。

副業がNGの会社にずっといましたし、会社に尽くせと言われることはあっても、あなたが自分の会社を作ることを応援すると言われたことは一度もありませんでした。

正直、すごくすごく驚いたんです。彼女の懐の広さや一緒に働く人にしっかり向き合うその姿に

そして、本当に年齢ってただの数字だなと心底思いました。こんなことすら、大企業にいた時には気が付かなかった。

いつかは分かりませんが、自分の道を開くことはずっと頭にあります。

それを応援すると言ってくれたのは、大先輩でも、同世代でもなく、年下の彼女でした。

私はこの時、あ〜転職してよかった。こういう感覚の方と働くって、とても幸せで、面白いなと思えたんです。

そして逆も然り。

コーヒーカップを寄せ合う2人
(c)Shutterstock.com

最近、私より10歳以上年上の大先輩から相談を受けることがありました。

同じ会社で20年以上働いてきて、外の世界を知らなすぎて、今更とても焦っていると。

それなりに仕事ができると思っていた自分が、そうじゃないと感じることが増え、もっと世界を広げたいと思うようになったと。

時代の流れもありますし、その人の人生のタイミングというものも大きく関わってくることではありますが、私は臆することなく、遠慮することなく、昔お世話になった大先輩に言いました。

「絶対に外を知った方がいいです。転職のタイミングに遅いってないと思います。驚くほど優秀な人たちがしのぎを削る世界がたくさんありますから、きっと面白いですよ」と。

これは後輩からの恩返しなのかもしれません。

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
HP

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