ミネラルウォーターの消費量は16年間で約2.5倍に
コロナ禍で低迷していたといわれる飲料市場のなかでも「水」の売上は伸びています。
一般社団法人日本ミネラルウォーター協会が発表したミネラルウォーターの1人当り消費量の推移によると、ミネラルウォーターの消費量は2005年から2021年にかけて約2.5倍となっているそう。これに伴い、ミネラルウォーター類の国内生産量も増加傾向なのだとか。
多くの人が水を買う時代、その味わいを決める要素は何? 味香り戦略研究所が味覚ビッグデータを駆使して分析・検証した結果を見てみましょう。
ミネラルウォーターのタイプによって紅茶の見た目に変化が起きた
茶葉や抽出方法は変えずに、水だけを変えて紅茶を淹れた場合、味や見た目にどのような違いがあるのでしょう。
今回、ミネラルウォーターのミネラル感の違いに着目し、軟水・中硬水・硬水の代表的な5商品(サントリー天然水、コカ・コーラ い・ろ・は・す 天然水、ファミリーマート宮崎県霧島の天然水、伊藤園 evian、contrex)をピックアップし、検証しました。
軟水の「サントリー天然水」(南アルプス)、「い・ろ・は・す 天然水」(白州)は、苦味や渋味など茶葉感が強い味わいとクリアで鮮やかな色味が特徴でした。
中硬水「ファミリーマート宮崎県霧島の天然水」は、渋味が強く、抽出液はやや濁りがありました。
硬水の2つは硬度の度合いで味が異なり、「evian」はやや雑味のある味わい、「contrex」は苦味や渋みが少なくやや酸味を感じるすっきりとした味わいでした。この2つは、カップの底が見えないほど濁りが強くなりました。水の違いは抽出力にも影響し、それらの違いが味や色味にあらわれているようです。
紅茶の抽出方法:茶葉3gに沸騰させたミネラルウォーター200gを加え、3分静置した。静置後、不織布で茶葉をろ過し常温になったろ液を測定した。
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これから冬本番、紅茶がおいしい季節。軽くほっと一息つきたいときは硬水で抽出して苦味を軽めにミルクとあわせる、シャキッと目を覚ましたいときは軟水で抽出して茶葉感を強めにする、というように、水の特徴を知ることで紅茶の楽しみ方も一層広がりますね!
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