九州弁の語尾ってどんなの?
方言といえば、語尾も特徴的ですよね。九州弁とは、九州地方に住む人特有の言葉づかいを指します。まずは、九州弁の語尾がどのように変化するのか見ていきましょう。主に使われている語尾を5つ紹介します。
1:○○っちゃ
「そうっちゃ」というと、「そうだね」「そうだよね」という意味になります。「○○っちゃけど」というと「〜だけど」というように表現できるでしょう。同じ意味で「○○ちゃん」や「○○ちゃんね」が使われることも多いようです。
2:○○ばい
「○○ばい」も「〜だよ」という意味で使います。例えば、「よかったばい」は「よかったよ」となりますね。
似た表現として「○○たい」が使われることもあるのですが、こちらは断定的な表現で使われることが多いでしょう。一方、「○○ばい」は推測の意味を持っています。つまり「分からんばい」と「分からんたい」では、確信の度合いが変わってくるのです。
3:○○と
「なんしよーと?」というフレーズは九州弁として有名ですよね。語尾に「と」がつく場合は、疑問形で使われることが多いでしょう。「なんしよーと?」だと、「なにしてるの?」という意味になります。他にも「とっとーと?」で「取ってるの?」というような表現もありますよ。
4:○○けん
「昨日行けんかったけん、ノート見せてくれん?」と言うと、「昨日行けなかったから、ノート見せてくれない?」という意味になります。このように「〜だから」「〜から」などと、理由や原因を説明する時に「〜けん」を使うのですね。「明日提出やけんね」と語尾に「やけん」を用いて「〜だからね」と言うのも九州弁の特徴でしょう。
5:○○やき
「○○やき」は先ほどちらっと紹介した「やけん」と同じように使います。「そろそろ時間やき…」や「行かなあかんき…」というように使うと、「〜だから」という表現ができるでしょう。関西弁にも「もう時間やし」などと似たような表現があります。
九州弁一覧を紹介!
さて、九州弁の語尾の特徴をつかんできたところで、次は具体的なフレーズを紹介していきます。もしかすると、他の地域の方言と似ている単語もあるかもしれませんね。早速6つ紹介していきます。
1:ちかっぱ
「ちかっぱ」は「とても」「すごく」という意味で「ちかっぱいい感じ!」などというように使います。主に福岡県で使われている方言のようです。他にも同じ意味で「ばり」や「えらい」という方言も使われますが、「ちかっぱ」はそれを更に強調した表現になります。
2:どげん
「どげん」は「どう」「どのように」などを表わす方言です。「どげんしよーと?」や「どげんしとん?」で「どうしたの?」というニュアンスになります。地域によっては「どがん」と使うところもあるようですね。
3:さんのーがーはい
皆で何かを持ち上げる時や、タイミングを揃えたい時の掛け声は地域によって様々ですよね。「いっせーのーせ」「いちにーさんはい」など、色んな掛け声があるかと思います。九州ではそれを「さんのーがーはい」と言うのだとか。福岡県や北九州では馴染みのある掛け声のようです。
4:せからしか
「せからしか」は「うるさい」「わずらわしい」という意味です。「しゃーしい」という言葉も「うるさい」という意味で使われます。強く言いたい時は、「せからしか」を使います。どちらも若者の間では、使用頻度が低くなっている方言です。
5:よか
これはなんとなく意味が分かるのではないでしょうか? 「良い」を九州では「よか」と言います。会話の中でも「よかね〜」や「よかよ」という表現は頻繁に使うでしょう。「good」というニュアンスだけでなく、承諾を意味する「いい」も「よか」で表します。
6:そぎゃん
「そぎゃん事はせん!」というように使います。「そぎゃん」は「そんな」という意味。「そんなことはしない!」というニュアンスになります。「そぎゃん」は主に熊本県や宮崎県で使われている方言で、長崎県などでは「そがん」、福岡県では「そげん」と言うようですよ。
かわいい九州弁とは?
九州弁は可愛いらしい方言として有名ですよね。普段の会話中でふいに感じる訛りもとっても可愛いのですが、特に可愛いフレーズにはどのようなものがあるのでしょうか? 3つ厳選して紹介していきます。
1:すきっちゃん
やっぱり告白のセリフって可愛いですよね。九州弁では「すきっちゃん」以外にも、「すいとーよ」や「好きばい」「好きったい」という言葉が使われます。「すごく好き」と伝えたい時は、「ばり」や「ちかっぱ」と合わせて使うと良いでしょう。
2:なんち? いっちょんわからん!
「なんち?」は「なんて?」と同じ意味だと捉えて良いでしょう。「なんち言いよん?」と使うことも多いです。「いっちょん」は「全然」という意味。つまり、「なんて? 全然わからない」を九州弁で表現した文になります。
「なんち?」や「いっちょん」という言葉の響きが可愛らしいですね。
3:ばり会いたいっちゃけど、なんしよーと?
「すごく会いたいんだけど、何してるの?」という意味になります。「〜っちゃ」や「〜と」という語尾が、九州ならではの訛りで可愛いですよね。こんな風に言われると男性もキュンキュンしてしまうはず。
おまけ! 九州弁の早口言葉って?
最後に、九州弁の早口言葉を紹介しておきましょう。慣れていない言葉や訛りがある分、難易度は高いですが皆さんもぜひ挑戦してみてくださいね。
1:おっとっと取っとってって言っとったとになんで取っとってくれんやったとって言いよると
標準語に訳すと、「おっとっとを取っておいてって言ったのに、なんで取っておいてくれなかったの? って言ってるの」となります。初見でクリアしようと思うと、だいぶ難しそうですね…。
2:ぷっちょ取っちょってっち言っちょったんになんで取っちょってくれんやったんっち言っちょーと
先ほどの早口言葉に似ていますが、こちらは主に大分県の方言が使われています。「ぷっちょ取っておいてって言ったのに、なんで取っておいてくれなかったのって言ってるの」という意味ですね。
最後に
今回は九州弁について紹介しました。同じ国に住んでいても、地域によって話す言葉が少し違うのって魅力的ですよね。九州地方だけでなく、他の地方の方言も調べてみると面白いかもしれません。
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