【35歳・お金のある彼と縁を切るのが怖かった女性のケース】
美里さん(仮名)は、30歳目前から34歳まで12歳年上の男性・佐藤さん(仮名)と不倫。交際が長くなるにつれて、生活費の援助をもらう関係になり、不倫をなかなかやめることができずに苦しんだそうです。
「生活水準はなかなか落とせないというのは本当だなと痛感しました。私はなんのスキルもなく、昇給を見込んだ転職もままならない。そんなとき佐藤さんと出会い、贅沢な体験をさせてくれた彼から『離婚をする気はないけれど俺と付き合わないか』と言われ、承諾してしまったんです」
もともと佐藤さんは、仲間うちではお金持ちとして知られていた人で、さらには顔も良いので女性からは憧れの存在だったそう。その佐藤さんから交際を提案されたことで「私、勝ち組じゃん! しかもお金も援助してもらえるかも…!」と、内心浮かれてしまったと美里さんは言います。
「今思えば、なんて浅はかなんだろうと思いますけど…。お金のある生活に憧れていた私は、佐藤さんと不倫をすることへの罪悪感よりも、自由になるお金が増えることへの期待のほうが勝ってしまったんです」
不倫開始から半年… 生活費の援助を受けることに
「最初のうちはさすがに佐藤さんも生活費はくれませんでした。半年間くらいは食事やホテルに行くだけの関係で、たまに服やコスメを買ってもらうくらいでした。でも佐藤さんが連れて行ってくれる店やホテルはどこも高級で、とても私のお給料では行けない場所だったので、それでも私はかなり舞い上がっていました。
不倫をして半年くらいで、私から佐藤さんに『実は生活がカツカツだから、生活費を出してほしい』という話をしてみたら、あっさりOKしてくれて…。それから毎月15万円が佐藤さんから私の口座に振り込まれるようになりました」
本格的な援助不倫がスタートして以降、美里さんは佐藤さんの「2番目の妻」になったつもりで生活を送ってきたと振り返ります。
「男性がいる飲み会には行かないようにしていましたし、男友だちとも縁を切りました。女友だちともなるべく会わないようにして、不倫の話が外に漏れないように気を付けてきました。私が浮気相手と突き止められ、佐藤さんから援助を切られるのが怖かったんです。
でも…、不倫をして3年ほど経ったある日、佐藤さんは別の女性と付き合うからと言い出して」
いきなり佐藤さんから「もう終わりにしよう。ごめんね」と言われ、手切金として100万円を渡されたという美里さん。呆気に取られているうちに佐藤さんはその場から去り、手元には封筒に入った100万円だけが残って、美里さんは呆然としたとのこと。
「あれだけ“佐藤さんに切られないように”と生活の全てを佐藤さんに注いできたのに、捨てられるときは一瞬でした。手切金はきっと新生活資金という意味もあったんでしょうが、贅沢が身に染みていた私には少なすぎましたね。今思えば本当に馬鹿な話ですが、佐藤さんに振られた“うっぷん”を晴らすために散財し、一瞬にして使い切ってしまいました。
手元にお金もなく佐藤さんもいなくなって…、私はもとの生活に逆戻り。不倫をしている間は友人との付き合いも最小限にしてきていたので、悩みを相談できる人も周りにいなくて。3年間という時間を無駄遣いしてしまったと思います。今、私の手元にはキャリアもお金も友だちも…、何も残っていません。後のことはなんとかなるさと軽く考えていた当時の私は、本当に馬鹿だったと思います」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。