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この記事のサマリー
・「抜け駆け」は本来、戦場で密かに陣を抜け出し、人より先に敵中へ攻め入る行為です。
・現代では人を出し抜いて物事を進める意味で使われます。
・「抜け駆けの功名」は仲間を出し抜いて得た手柄を表す、ことわざとして定着しています。
「抜け駆け」は、人を出し抜いたときに使われる言葉です。なんとなくズルい印象を持つ言葉ですよね。
この記事では、「抜け駆け」が持つ2つの意味を整理し、言い換え表現・使い方・英語表現をまとめました。
「抜け駆け」とは?
まずは、「抜け駆け」の意味から確認していきましょう。

「抜け駆け」の意味
「抜け駆け」には、大きく2つの意味があります。ひとつは、戦場でひそかに陣を抜け出し、武功を立てようとして人より先に敵中に攻め入ること。もうひとつは、人を出し抜いて物事を行うことです。
辞書では次のように説明されています。
ぬけ‐がけ【抜け駆け】
[名](スル)
1 戦場で、ひそかに陣を抜けだし、武功を立てようと人より先に敵中に攻め入ること。「夜陰に乗じて―する」
2 人を出し抜いて、物事を行うこと。「―して秘密をばらす」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
現代の日常会話では、後者の「人を出し抜いて、物事を行うこと」の意味で使われることが多いでしょう。
ただ「周りより早い」だけを指すだけでなく、「人を出し抜いた」と受け取られやすい点が特徴です。そのため、使う場面によっては、相手に不信感や不快感を与えることがあります。
「抜け駆けの功名」とは?
「抜け駆け」は、ことわざの形でも見かけます。「抜け駆けの功名」は、仲間を出し抜いて得た功名(手柄)という意味です。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
「抜け駆け」の類語や言い換え表現は?
「抜け駆け」の意味は理解できましたか? 続いては、「抜け駆け」の類語表現について紹介します。「抜け駆け」には、マイナスのイメージが付きがちですが、似たような意味でもマイナスのイメージがつかない言葉もあります。語彙力を増やし、場面によって使い分けられるようにしたいですね。
先制する
「先制」は「せんせい」と読みます。「先制する」とは、「他より先に動く」という意味で、その結果、自分が有利になるというニュアンスも含みます。ただし、「抜け駆け」のようにズルいというようなニュアンスは含まれない場合が多いです。
機先を制する(きせんをせいする)
「機先を制する」とは、「物事が起きる前触れを察知して先に行動する」という意味を持ち、「先制する」とほぼ同義だといえます。
出し抜く
「出し抜く」は、「抜け駆け」とやや方向性が似ており、ズルいニュアンスを含む場合もあります。「出し抜く」は「他者より先を越す」という意味ですが、そこには「相手の隙を見て」というニュアンスが含まれるのです。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「抜け駆け」と類語表現の使い方を解説
「抜け駆け」と類語表現の具体的な使い方について確認していきましょう。

彼女は抜け駆けをして、私の好きな人と結婚をした。
「抜け駆け」は、相手に先を越されたと感じて、悔しさやつらさが強くなる場面で使われがちです。恋愛だけでなく、仕事の手柄やアイデアを先に出されたと受け止めたときなど、「自分は不利益を被ったのに、相手が得をした」と感じる局面でも用いられます。
職場や友人関係では、「抜け駆けして申し訳ありません」と謝る場面もあるでしょう。この言い方は「自分が先に動いたことで相手の面目をつぶしたかもしれない」という認識が前提になりやすいので、事情説明を添えると誤解がなくなります。
機先を制することができたので、他社よりも頭一つ抜けた企業に成長することができた。
「機先を制する」「先制する」などの表現は、ビジネスシーンにおいても用いられることがあります。他社にはない企画やアイデアを生み出すことができれば、消費者の心を掴み、利益を上げることができるのです。
そういった機転の利いた行動などに対して「機先を制する」や「先制する」は使われます。
恋敵を出し抜いて、見事彼に気持ちを伝えることができた。
同じ相手を好きになった人がいたとしても、恋はなかなか諦められるものではありません。仮に「一緒に頑張ろうね」などと言われたとしても、好きな人を取られたくないという気持ちは消えないでしょう。
そのため、後ろめたいと思っても、アプローチしたり、先に告白したりすることはありますよね。そんな後ろめたい、ズルい気持ちがこもっている言葉が「出し抜く」です。
「抜け駆け」する人の特徴や心理とは?
同じ相手を好きになったとき、実際に「抜け駆け」が起きることもあります。ここでは、そう見られやすい行動の傾向を紹介します。もちろん、以下の特徴が当てはまるからといって、必ず「抜け駆け」をするとは限りませんが、相手の言動を丁寧に見ておく目安にはなるでしょう。

性格に裏表がある
友達と異性の前で明らかに態度が変わる人っていますよね。性格が相手によって変わる人は「抜け駆け」をする恐れがあります。こちらの前では、「抜け駆けなんてしないよ~」と言って安心感を与え、その隙に好きな人との距離を縮めようとするのです。
恋人が頻繁に変わる
好きな人や恋人が頻繁に変わる人には要注意。恋愛を中心に世界が回っているので、恋愛に対する執着心が強いです。何よりも恋愛を優先しがちなので、なりふり構わず好きな人にアプローチする傾向があります。
積極性がある
恋愛に限らず、仕事や普段の生活において何事もアクティブに取り組むタイプの人は、好きな人にも積極的にアプローチすることができます。「抜け駆け」というような意識はなく、好きな人と自分という部分に重きを置いている人も多いので、こちらに敵意や悪意がない場合も多いです。
「抜け駆け」に関するFAQ
ここでは、「抜け駆け」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「抜け駆け」とは、結局どういう意味?
A. 大きく二つで、戦場で密かに陣を抜け出し先に敵中へ攻め入る意味と、人を出し抜いて物事を行う意味があります。
Q2. 「抜け駆けの功名」ってどういうこと?
A. 仲間を出し抜いて得た功名(手柄)を指します。
Q3. NGな使い方は?
A. 事情や前提を言わずに「抜け駆けしたよね」と断定すると、相手を「ずるい人」と決めつけた形になりやすく火種になります。事実確認や状況説明なしの決めつけ使用は避けるのが無難です。
最後に
本記事では、「抜け駆け」の意味や類語、使い方、そして恋愛における「抜け駆け」にフォーカスを当てて解説しました。
解説した通り、「抜け駆け」はいい印象を持たれません。「抜け駆け」をすることで、友情関係にひびが入ってしまうことも十分に考えられます。
ライバルを下げるのではなく、自分の魅力を最大限に生かして、好きな人にアプローチするのが一番です。そのためにも、自分磨きをして、内面や外見に自信をつけたいですね。
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