離婚をするか、しないか… 基準となる5つのテーマ
離婚を考えるときには、夫の浮気における実態や妻の現実的な状況を冷静に分析する必要があります。
まずは、判断をくだすにあたって基準にできるテーマを解説します。
♦︎浮気の内容や深刻さ
夫の浮気が判明したときには、まずその内容や深刻さを確認しましょう。
一度限りの出来事であるなど、人によっては関係修復を考えられる可能性も。
一方、たった一度きりであっても、夫自身が妻や家庭に対する誠実さや信頼を欠いている可能性が高いことから、離婚を検討する基準になることもあるでしょう。
また、夫の浮気が感情的な浮気なのか身体的なものなのかも見極めて。身体的な浮気は衝動的なケースも多く、恋愛感情が絡む感情的な浮気はより深刻な事例が少なくありません。
♦︎夫の態度と誠意をはかる
浮気に対して、夫がどの程度の反省を示しているのかも判断の基準になりえます。
夫が素直に浮気を認めたうえで深く反省し実際に行動でも夫婦間の信頼回復に努めている場合には、修復できる可能性が残っている場合も。
一方で、夫が浮気を否定し続けたり開き直ったような態度をしたりするならば、夫婦として良好な関係を続けるのは難しいでしょう。
♦︎自分の気持ちを問う
夫に対する信頼を取り戻せる可能性があるのか、妻として自分の素直な気持ちを問う必要があります。
仮に浮気を許せたとしても、現実問題としてその後の生活で夫を信頼できない状態が続いていけば、生活そのものが大きなストレスになります。
また、浮気をされてもまだ夫に対する愛情や家族を続けたいという気持ちが強いならば修復の道を選ぶ価値がある一方、嫌悪感や怒り、諦め、復讐といったマイナスの感情しか湧いてこない場合には離婚をしたほうが妻の精神状態が安定する可能性も高いでしょう。
♦︎経済面を含む現実的な要因
離婚を考えるときには、離婚後の生活を維持できるだけの経済力についても正しく分析する必要があります。妻自身の仕事や収入、子どもの養育費の見通しを立てて「これならなんとかなる」と思えるだけの基盤があれば、離婚に踏み切ってもいいかもしれません。
また子どもがいるならば、離婚が子どもにどのような影響を与えるかも考慮する必要があります。家庭内の不和が続いてしまうようなら、離婚がむしろ子どもにとって良い選択になる場合もあります。
♦︎周囲や社会からのサポート
離婚をした直後は、生活が一変する苦労もあり基盤を整えるまでには並大抵ではない努力が伴います。そのため、離婚後の生活を家族や友人が支えてくれるかどうかも重要なテーマです。
一人で抱え込まずに信頼できる人に相談できる環境が整っているのかどうかも、冷静に見極めましょう。
また離婚後における社会的なプレッシャーや世間からの評価を考慮しなければならない立場にあるならば、あらゆる面から自分にとって最善の選択ができるよう熟慮して。
「離婚をする」と決めたあとのポイント
「離婚をする」と決めたなら、あとは粛々と手続きを進めていくことになります。ポイントとなる事柄を3つ解説します。
♦︎法律的な準備を進める
浮気の証拠(写真、メッセージ、記録など)を集めたり、財産分与や慰謝料、子どもの親権や養育費について具体的なプランを立てていきます。
夫との交渉が必要になってくるので、自分で協議を進める自信がない場合には早い段階で弁護士に依頼するのも一案でしょう。
♦︎経済的基盤の確保
離婚後の収入源を確保して、必要であれば職探しやスキルアップも始めましょう。離婚を決めてから離婚が成立するまでの期間には個人差が大きいため、離婚を決めた段階で動き出しておくほうが慌てずに済みます。
♦︎感情を整理する
離婚を進めると決めてからも感情の波は変化します。「やっぱり離婚をすべきではないのではないか」と揺れ動くことも一度や二度ではないかもしれません。
もしも離婚後における自分への精神的なケアが必要だと感じるならば、無理は禁物。専門家によるカウンセリングや信頼できる友人への相談も適宜行っていきましょう。
「離婚をしない」と決めたあとのポイント
離婚をせず、夫婦修復の道を選ぶと決めたあとにポイントとなる事柄を解説します。
♦︎信頼関係の回復を最優先にする
夫婦を続けていくのであれば、夫の浮気問題をクリアにし夫婦間で誠実な話し合いを行いましょう。話し合いは一度ではなく、何度も繰り返し行う必要も出てくるかもしれません。
必要であれば夫婦カウンセリングを受けるなど第三者の力も借りて、夫婦間の信頼が回復できるだけのコミュニケーションに時間を費やしていきましょう。
♦︎夫ではなく自分の幸せを考える
夫婦再構築を選んだからといって、妻が自分を犠牲にする必要はありません。
夫に頼る事柄を減らし、自分自身の趣味や仕事を充実させることで、心の安定を図る術にもつながります。
夫婦間で適度な距離を設けることが、関係を修復する上でちょうどいい距離感になる場合も多いでしょう。
♦︎再発防止策は明確に
夫に二度と同じ過ちを起こさせないために夫婦間でルールを設けたり、再発を防ぐための具体的な行動を共有したりする工程も重要です。
浮気を許すと決めたあとは、夫婦間で浮気にまつわる話題を出したくない心理にもなりがちですが、再発防止策を明確にしないままだと問題の深刻さが夫に伝わらない可能性もあります。
離婚をするかしないか… 自分を軸に判断を
夫の浮気を受けて離婚をいするかしないかは、妻が「自分はどうしたいか」を軸に判断することが最も重要です。
他人の意見や世間体ではなく、自分の気持ちや将来の幸せを優先して決断を下しましょう。
改めて言うまでもなく、浮気は信頼を損ねる重大な問題。ですが一方で、夫婦の絆を再構築できる場合もあります。
感情ではなく現実的なテーマに目を向けることで、冷静に状況を分析し後悔のない選択をしやすくなるでしょう。
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並木まき
ライター・時短美容家、メンタルヘルスカウンセラー。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。