仏教の教えに恋の学びあり。僧侶がお届けする最強恋愛攻略法
Oggi読者の皆さん、こんにちは。大愚元勝と申します。
私は愛知県にある福厳寺の住職で、その傍らYouTubeで全国の老若男女のお悩み相談を受けることもしています。驚くことに今や登録者数は約70万人、そして約4500人の方が回答待ち状態にあり、私の元に届く相談の中には恋愛や結婚にまつわる悩みも少なくありません。
「え、お坊さんに恋バナ?」
そう思われる方もいるかもしれません。しかし、仏教に精通するお坊さんは恋愛相談にうってつけの相手なんです。理由は2つ。
1. お葬式を通して幸せな最期を迎えた人の人生に触れているから
2. 仏教を説いたブッダは心の操縦術のマスターだから
つまり「幸せな結婚生活を送ってきた人」がどんな生き方をしてきたのかというサンプルを知り尽くし、さらにはブッダの教えという自分や相手の心を理解するための「最強の攻略本」を持っているのがお坊さんなのです。
ということで、2600年前の仏教の教えをお伝えしながら、現代の人々が抱える恋愛の悩みに処方箋をお届けしていきたいと思います。今回のお悩みはこちら。
今回のお悩み「恋人の言動が怪しい! 浮気を暴くにはどうしたらいいですか?」
![スマホを見る男性を後ろから疑いの目でのぞく女性の写真](https://oggi.jp/wp-content/uploads/2025/01/AdobeStock_476678143.jpeg)
簡単です。単刀直入に聞きましょう。
あなたはこれをやらなければならないのに、できない。なぜでしょうか?
「揉めたくない!」「嫌われたくない!」からです。だから本音を聞くことが大切だとわかっていても、中途半端な聞き方をしてしまうのです。
結果、のらりくらり交わされて答えもわからず、モヤモヤしながら付き合い続けるか、相手とうまくいかなくなるか。そんなところでしょう。
でも、ごまかされながら中途半端な交際を続けるほど、人生、長くはありません。
鞘から刀を抜いて、相手の本心にスパッと斬り込んでいきましょう。ただし、斬り込み方にはコツがあります。
× ねぇねぇねぇねぇ! どゆこと? は?(怒り×1000)
○ ちょっと最近ココが気になってるんだけど、どうですか?(静)
ポイントは冷静に聞くこと。こう出られると逆にドキッとしますよね。「詰める」という感覚で怒ってしまうと、向こうはあなたの怒りから逃げようとして防御反応を取ります。相手の緊張感を引き出すと、ケンカして終わったり、ごまかされたりして、知りたかった真実は爆速で走り去っていきます。
マインド的には、「コンコン。失礼します、ちょっといいですか」というくらい丁重に。正面からケンカをするのではなく、きちんと対話をすること。
小さな子に「怒らないから正直に言って」と諭しながら、打ち明けた途端「やっぱり!」と怒りはじめる親は結構います。こんなおとり作戦では、二度と本音を話してくれなくなりますよね。
超シンプルに尋ねてみる
イライラしているからといって、相手を威嚇するのはもってのほか。話し合って解決し、合意に至ることがゴールです。では、単刀直入にどう聞くべきか。
シンプルに「浮気してる?」と聞いて、ゆっくり3秒相手の目を見る。
これでOKです。核心をつくと相手は揺らぎます。3秒経過しても相手が何も言わない場合は「わかりました」のひとことで終わらせていい。
相手は何がわかったのか、わからなくて怖いはずです。これ、子どもの頃いたずらをしたとき、私の母によくされたことを覚えています(笑)。
暴こう、カマをかけようと周囲から攻めていくと鉄壁の防御に入られてしまうし、考える余地と隙を与えてしまうのです。
スマホをこっそり見たりせず、真正面から聞く。なぜかというと「俺の見てないところで勝手にスマホをチェックしたのか!」と、違う話にすり替えられて本当に聞きたいことが聞けなくなるからです。相手へ威嚇モードになる理由を与えてしまうのは巧みではありません。
恋人が目を泳がせながら「し、してないよ」と返す可能性も含めて、許すか許さないかは、真実を知った後に考えましょう。
恋を諦める=明らかにする
相手に浮気の事実を確認するとき、いちど恋をあきらめるつもりで臨んでください。「あきらめる」といっても、ギブアップという意味ではありません。
仏教においてあきらめることは、明らかにするということ。前向きな意味があるのです。あきらめる心を持って恋から離れると、「この人のことが本当に好きなんだろうか」と客観的に自問自答することになります。そして、「本当にこの人が好きだ」と思えば、自分の中で覚悟と準備ができるでしょう。
「私以外に好きな人ができたらちゃんと言ってね、別れるから」
覚悟を決めたら、そこまではっきり言うことです。こうやって話せる女性に対して「本質的なことを見られる人だ、賢いな」という尊敬が生まれます。これ、最終的にフラフラッと彼が戻ってくるきっかけになることすらあります。
戻るにしろ、別れるにしろ、単刀直入に斬り込む勇気によって関係が変化していきます。とてもいいきっかけのひとつだと思ってください。
文/大愚元勝
大愚和尚初となる恋愛攻略本が新発売!
![愚恋に説法の書影](https://oggi.jp/wp-content/uploads/2025/01/seppou_shoei.jpg)
愚恋に説法 恋の病に効く30の処方箋/小学館 刊
なぜ人は「愚かな恋」に振り回されるのか? その答えは、自分の命の運び方、つまりは「運命の操縦の仕方」を知らないから。叶わぬ片思いへの執着、恋人への依存、失恋への未練、パートナーの裏切りに対する嫉妬と怒り――。2600年前のブッダの教えで、人生を翻弄する愚かの恋の沼から抜け出す方法を説く新感覚の恋愛攻略本がついに誕生!
![大愚元勝さんの写真](https://oggi.jp/wp-content/uploads/2025/01/daigu_gensho_san_photo.jpg)
大愚元勝
佛心宗大叢山福厳寺住職。慈光マネジメント代表取締役。慈光グループ会長。佛心僧学院学長。僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。 駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。 僧侶、事業家、作家・講演家、セラピスト、空手家と5つの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。