「恋愛感情がわからない」のは、おおげさに考えすぎて迷っているのかも。大人になるにつれ、「これって、恋?」「好きって何?」と自分の気持ちが分からなくなることがありませんか?
キャリア相談に恋愛話は付き物。本記事では、婚活セミナーにも多数登壇するキャリアコーチの菊池啓子(きくち・ひろこ)が「恋愛感情」についてひも解いていきます。
恋愛感情がわからない… 好きってどういうこと?
「恋愛感情が分からない」と思っているときは、「不安」に襲われているとき。「恋愛感情」に意識が向くときは、気になる人がいたり、ともだちの恋愛話を聞いたりした時ではないでしょうか。
「相手に向いている気持ちが『恋』なのか、自分でもよくわからない」「他人の話を聞いていて、自分の感覚が違うのではないかと心配になる」。そんな不安を感じていると「恋愛感情が分からない」という感覚に陥りやすくなります。まずは、人と比べるのではなく、自分の中の「好き」という感覚を大事にしましょう。
そもそも、「恋愛」とは、「対人関係の一つであって、相手とひとつになりたいという強い愛情のこと」を言います。「相手とひとつになりたい」と思う根っこに、「好き」という気持ちが大きく影響しているのでしょう。実は、「好き」にもいろんな種類があるのです。
ここでは4つの例を挙げて、紹介します。
1:恋愛感情の「好き」
精神的・肉体的なつながりを欲し、高揚感と興奮を伴う「好き」。「自分だけのものにしたい」という独占欲や嫉妬心を感じることもあります。
2:友人や同志としての「好き」
一緒にいて楽しかったり、ほっとしたりという心地よさの「好き」。同じものを目指すことでの仲間意識や成長意欲を感じる事もあります。
3:家族や親族的な「好き」
長く一緒にいることによる安心感や、共同体意識からの「好き」。価値観や判断基準、前提となる知識や環境を共有できているからこその安定感ゆえに、気負うことなく過ごせます。
4:あこがれや尊敬の「好き」
自分が心に思い描く最高の状態を実現させてくれるかもしれない、という期待に満ちた「好き」。現実が確認できたときに色あせてしまうことも。
「恋愛感情」は、この4つの「好き」がいくつか重なって構成されていることもあります。「この気持ちは恋愛感情なのか?」と悩んだり、判断をしようとする前に、相手に感じた好意を大切に育ててみましょう。
恋愛感情がわからない男女の心理や特徴とは?
恋の話に乗ってこない友だちに、「好きという感情がわからない」と言われてとまどったという経験はありませんか。実は、「恋愛感情がわからない」「好きという気持ちがわからない」という人は、男女ともに多くいるものです。そんな人たちには、以下のような特徴が見られがちです。
1:気持ちに「基準」を設けている
「恋愛感情」は、小説やドラマや他人の話などでは「甘く切ない気持ち」などと表現をされがち。そんなあいまいな情報と照らし合わせて、「自分のこの気持ちは、恋愛感情とはいえないのではないか」と判断をしているケースがあります。
基準を設けて比べて決めていくという、思考のクセがあるのかもしれません。恋愛は、ちょっと曖昧な気持ちからスタートすることもありますよね。「こうあるべき」とか「どちらかに決めなきゃ」などと、自分を追い込んでいないか振り返ってみましょう。
2:燃え上がるような興奮を感じづらい
感情のパターンは人それぞれ。我を忘れ事柄に没頭しがちな人もいれば、常に冷静で穏やかな状態でいるという人も。「恋愛」は、高揚感や興奮度などを軸に語られることも多く、「そんな気持ちにはならないからわからない」ということもあり得ます。燃え上がるような想いではなくても、静かにあたたかく灯る想いも、ありますよね。
3:恋愛以外にエネルギーを注ぎたいものがある
人生では、恋愛以外にも、エネルギーを注ぎたいことは沢山あります。エネルギーをどのように配分するかは、人それぞれ。自己研鑽や仕事や趣味や友人との付き合いで満ち足りているときには、「恋愛感情」に意識を向ける必要が無いということも…。
恋愛感情にも種類がある?
「恋愛」は、「対人関係のひとつのありかた」。「恋愛感情」の種類によって、関わり方や心の向き方にはバリエーションがありそうですね。
1:友情や同志的な恋愛
相手の立場を尊重し思いやりを寄せて、一緒に過ごせる心地よさを感じる事ができる対等な関係性って素敵ですよね。協力し合うことや、成長を感じられることから生まれる仲間意識が強いタイプの「恋愛感情」があります。
2:家族や身内と過ごすような恋愛
長く一緒に過ごし経験や価値観などを共有していることから、落ち着きや近しさの中で感じる親しみや信頼感による「恋愛感情」もあるでしょう。
3:燃え上がるような興奮をともなう恋愛
刺激を覚え、ドキドキやときめきが続き、感情の起伏が多くある「恋愛感情」もあります。ドラマティックで、もっとも世界がキラキラとして見える状態と言えるかも。濃厚なスキンシップを求める気持ちや、ゲーム感覚の駆け引き、独占欲からの嫉妬心、ふたりだけの世界観などによって気持ちが盛り上がり、それによって、快楽を得る事もあるでしょう。
恋愛感情かどうか見極めるポイント
「これって恋?」と迷ったときには、ぜひ次の3つのポイントをチェックしてみてください。
1:気が付くと相手のことばかり考えている
何を見ても何をしていても、ふとその人のことを思い出すときは、相手に恋しているサインかもしれません。そして、ふたりで過ごすシミュレーションをしているなんてときは、相手に特別な感情を抱いていると言えるのではないでしょうか。
2:相手に触れたいと思う
思わず手を伸ばしてしまいそうになったり、並んでいるときに距離が近づいたり。身体的なことだけでなく、相手の心の機微に触れたい・本音を知りたいと思うときも、恋しているサインでしょう。
3:自分だけのものにしたいと思うか
相手が他の人と話しているときに、「寂しいな」「嫌だな」と感じるかどうかも判断材料になります。自分だけを見ていてほしい、その人にとっての特別な存在でありたいと思ったら、それは恋かもしれません。
最後に
「恋愛感情がわからない」からといって、焦ることも引け目に感じることもありません。大事なのは、自分の中の気持ちの感覚。他人と比べるのではなく、自分なりの「好き」を大切にしましょう。
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キャリアコーチ 菊池啓子(きくち・ひろこ)
2003年から企業研修トレーナー・人材育成コンサルタントとして活動。国家資格キャリアコンサルタント。研修登壇回数は年間100回を超え、これまでに5つの大学でキャリアデザインを教える。現在「社外上司」として多くのビジネスパーソンの悩みに寄りそい成長をサポート。趣味は出張先での御朱印集め。家族は夫と猫2匹。
Twitter:@lotus_kikuhime
ライター所属:京都メディアライン