【29歳・5年片思いをしていた相手の『離婚する』を信じたケース】
香里さん(仮名)は、20代前半のときに知り合った村上さん(仮名)に、5年間片思いを続けてきました。何度か気持ちを伝えたことはあるもののそのたびに断られてしまい、気づけば5年もズルズルと時間が経ってしまったそうです。
「村上さんが結婚したと知ったときはショックだったけれど、そもそも私は一度も村上さんと付き合ったことがなくて完全な片思いだったから『幸せになってほしいな』と思っていました。結婚が決まった相手をずっと思い続けるのもつらかったけれど、他に好きな人もあらわれなくて」
そんな矢先、村上さんから連絡があり「会いたい」と言われた香里さん。驚いてすぐに会いに行くと「もうすぐ離婚するから、付き合ってくれないか」と言われ、驚きながらも了承したと振り返ります。
やっと片思いが報われたと錯覚。相手は遊びたかっただけ
「村上さんから『本当に大事なのは僕を誠実に思い続けてくれる女性だと今さらわかった。遅いかもしれないけれど、離婚するから僕と付き合ってくれないか』と言われ、私はやっと片思いが報われた! と舞い上がってしまいました。
村上さんの言葉を疑いたくなかったし、村上さんと特別な関係になれることが嬉しくて、その時は不倫であることはまったく意識していませんでした」
しかし「離婚するから」と言った村上さんは、いっこうに離婚する様子がなく時間ばかりが過ぎることに。半年ほど経った頃、さすがに不倫関係を続けるのはまずいと思った香里さんが、村上さんに「離婚しないの?」と尋ねてみると…。
「『あー… 俺そんなこと言ったっけ?』と返事が返ってきました。その頃は私たちの関係も半年を過ぎていて、最初の頃のような盛り上がりもなく倦怠期に入り始めていて。だから村上さんは、もう私を騙す必要がないと思ったのかもしれないですね、ものすごく面倒くさそうに言われてしまいました」
村上さんがただ「遊びたかっただけ」だと気づいた香里さんは、その後、村上さんとは距離を置くことに。香里さんからも特別な別れ話はしなかったとのこと。次第にお互いに連絡が途絶え、今はもう数ヶ月連絡をとっていないそうです。
「結局、私が彼を一途に思ってきた気持ちを悪用されたっていうか、都合よく使われちゃったなと思って… とてもショックだったし幻滅しました。だけど、こんなことを言うと不謹慎かもしれませんが、不倫をしたことによって村上さんの本性がわかって、今ではすっかり村上さんへの気持ちが冷めたのは良かったです。あのまま片思いを続けて他に好きな人ができなかったらと思うとゾッとしますし、私の場合は村上さんを嫌いになれたので、そこだけは救われますね。
でも村上さんとのお付き合いでは、かなり傷つきました。付き合ったと言っても不倫だったから、会える時間も制約があったしデートで行ける場所もほとんどなかったし。私は何をしてるんだろうと自分の行動に疑問を覚えながら付き合ってきた感じです。今思うとすごく無駄な時間を過ごしたし、相手の奥様にも申し訳なくて… 不倫はもう二度としません」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。