【31歳・嘘つき既婚男を信じてしまったシングルマザーのケース】
実里さん(仮名)は3年前に離婚し、3歳の娘を育てるシングルマザー。仕事関係で知り合った既婚者・速水さん(仮名)の言葉を鵜呑みにし、不倫へと足を踏み入れてしまったと話します。
「元夫と離婚した理由が元夫の不倫だったのに、今度は自分が不倫をしてしまうなんて… という感じです。仕事関係で知り合った速水さんは、最初から自分が既婚者であることは明かしていましたが『子どもはおらず、妻とは不仲で別居中』『まもなく離婚予定で具体的な日程も調整中』と、私に猛アプローチ。
最初は『離婚してから』と断っていましたが、『あとは書類を出すだけだから問題ない。早く君の支えになりたい』という言葉に押されて付き合うことにしてしまったんです…」
不倫デートは実里さんの自宅が多かったことから、実里さんの娘も速水さんと仲良くなっていったのだそう。速水さんは自分に懐く娘を「かわいい」と言い、「あの子のためにもっと仕事を頑張るよ」などと言うことも多かったと言います。
離婚を迫ると彼の態度が急変。娘が情緒不安定に…
不倫関係が3ヶ月を迎えた頃、長く不倫を続けたくなかった実里さんは速水さんに「いつ離婚するの?」と詰め寄ったとのこと。すると、その日を境に速水さんの態度が変わり、そのうち連絡がつかなくなったと言います。
「私が真面目な話をすると『うるさいなぁ』という感じで、その話はやめて楽しく過ごそうという態度の繰り返し。だけどこのままじゃいつまでも状況が変わらないことに焦った私は、彼をとことん問い詰めたのです。
するとその日から速水さんはLINEを返信しなくなり、電話をしても出ないし会ってもくれなくなりました」
3ヶ月のあいだに何度も実里さんの家で不倫デートをしていたので、娘はすっかり速水さんに懐いた様子だったとのこと。そのため、家に速水さんが来なくなったことで娘は情緒不安定な言動をするようになってしまったのだとか…。
「これには本当に参りました。実の父親である元夫とはほとんど一緒に過ごしていなかったので離婚のときに娘が父親を恋しがることはなかったのですが、今回は物心がついてからなので…。
娘のためにも戻ってきて! と速水さんに連絡をしても無視をされ、私はどうしていいのかわからなくなってしまいました」
彼は所詮他人…、実里さんが娘の不安定な様子を連絡しても何のアクションもなかったとのこと。そして、速水さんとの不倫関係は別れ話もないままに関係が途絶えたと言います。
「きっと初めから速水さんは、私との真剣な付き合いなんて考えていなかったと思います。知り合ったばかりの人を安易に信じた私がバカだったのですが、シングルで仕事も子育ても頑張るのは本当に大変。優しい言葉をかけてくれて、父親代わりのような速水さんの存在が私にとっては大きかったです。
だけど、こんな悲惨な終わり方をするのは不倫だから。自分のせいで娘に寂しい思いをさせてしまったと申し訳なさが大きいです。今は娘も速水さんのことを口に出すことは減りましたが、実父の記憶がない娘にとっては不倫相手だった彼の存在が私が思っていたよりもずっと大きかったみたいです。安易に彼の言葉を信じ、娘と深いつながりを持たせてしまったことを一番に後悔しています」
TOP画像/(c)Shutterstock.com
並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。