【29歳・飲食店勤務女性のケース】
真琴さん(仮名)は、自身が働く店舗にお客さんとして訪れた男性・水野さん(仮名)と意気投合。相手が既婚者であることは知っていたものの『妻との関係は冷え切っていて、家に帰らなくても大丈夫』という相手の言葉を信じ、不倫関係へと足を踏み入れてしまったそうです。
不倫開始から1ヶ月で妊娠が発覚…
「水野さんは私よりも15歳年上で、最初は大人で優しい彼にどんどん惹かれていきました。不倫はダメだとわかっていましたが、とにかく話は合うし空気感の相性もよくて、彼から誘われたことがきっかけで体の関係に。
彼は常々『妻とは結婚20年近くで、子どももそこそこ大きくて自立してるし家庭には飽きた』と言っていて、ひょっとしたら離婚するつもりなのかな? と思うこともありました」
不倫を始めてわずか1ヶ月で事態は急転。なんと、真琴さんが水野さんの子どもを妊娠してしまったのです。
「びっくりしましたが、水野さん以外とそういう関係はなかったので間違いなく父親は彼でした。奥様との関係が悪いと聞いていたので、私の妊娠を告げたら離婚をして結婚しようという流れになるかと思っていたのですが…」
妊娠を告げた途端、彼が豹変
ところが真琴さんが水野さんに妊娠を告げると、彼の口からは驚くような言葉が飛び出したとのこと…。
「『俺、子どもはもういらないんだよね』と言われました。『子どもがいるから妻とも離婚できないでいる。もう子どもは懲り懲り。頼むから産まないでね』と…。あまりにひどい一方的な主張に私は言葉を失い、どうしたらいいのかわからなくなりました」
その後、水野さんと何度か話し合いをするも水野さんの主張は変わらないままだったそう。「妻と不仲」は事実だったものの、だからと言って真琴さんに寄り添う様子もなく、真琴さんは妊娠しているカラダを抱えながら途方に暮れたと言います。
子どもを諦め心もボロボロに… 無責任な不倫相手への憎しみがつらい
真琴さんは結局、子どもを諦める決断をしたとのこと。自分が置かれている状況に納得できないまま「とにかく目の前のことをひとつずつこなした」と振り返ります。
「子どもを諦めたときの病院代も、水野さんは『なんで俺が出さなきゃいけないの?』と言って払ってくれませんでした。まるで他人事のようにヘラヘラとしていた彼には驚きを通り越して呆れるしかなかったです。好きという気持ちだけでカラダを許してしまった私も悪いですが、彼はあまりにも無責任だと思いました。
こっちは子どもを諦めてカラダも傷ついているのに、それを思いやる感じもまったくなかったです。さすがにもう彼とは一緒にいられないと思い、私から縁を切りました」
そうして関係は終えたものの、水野さんに対する“憎しみ”の感情はだんだんと大きくなっていったと言います。
「人を憎むってすごくしんどいんですけど、水野さんのことは今でも許せずにいますし頭から離れないです。悔しさや怒りなどの感情が自分でも整理できません。不倫を始めたのは自分だしそんな男性と関わったのも自分ですが、理屈ではそうわかっていても心が整理できないんです。
水野さんへの恨みみたいなドロドロした感情をずっと抱えていて、不倫前の自分とは別人になってしまったと感じます。友達と会っても楽しい話ができず、水野さんへの愚痴ばかり口にしてしまうんです。なので友達も離れていってしまって…。
毎日のようにインターネットで不倫について書かれているブログを読み漁っていて、自分でもおかしいのがわかります。いつまでこんな日々が続くのか…。自分が自分じゃなくなったみたいで、こんなことになるなら不倫なんてするんじゃなかったと後悔する毎日です」
TOP画像/(c)Shutterstock.com
並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。