【32歳・製造業営業職女性のケース】
優理さん(仮名)は短大卒業後、製造業の営業職で働いてきた女性。チャキチャキとした性格で「営業は天職」という自覚があるそう。あるとき営業先で知り合った既婚男性・山口さん(仮名)に気に入られ熱烈に口説かれた結果、不倫関係へと進んでしまいました。
「山口さんは私より11歳年上ですが結婚したのが遅く、私と不倫を始めたときにはまだ結婚3年目でした。『もう少し早く優理と出会っていたらなぁ〜』が山口さんの口癖で、奥様との間に実子がいなかったことも関係してか、私のことをとても大事にしてくれました」
山口さんは婚歴のある奥様と再婚し、奥様の子どもと一緒に生活を送っていたとのこと。そのため「家には俺の居場所がありそうでないんだよ」などと言いながら、優理さんの家に入り浸ることも多かったそうです。
自分だけが愛されていると思っていたのに…
ところが山口さんとの不倫関係が半年を過ぎた頃、優理さんは友人から「山口さんと付き合っているっぽい女性がもうひとりいる」と衝撃の話を耳にしたとのこと。
「その友人はよく繁華街で経営者の男性たちと会食をしているのですが、その子が行った食事会に偶然山口さんが参加していたそうなんです。そこでなんと、その場に“彼女”を名乗る女性が同席していたと聞いたんです。
その友人は私が山口さんと付き合っていることを知っていて、何度も一緒にゴルフも行っていたので『あれ?』と思って、私に教えてくれたんですよね」
不倫相手を問い詰めると開き直った返事が…
不倫であることは納得のうえだったものの、自分以外にも浮気相手がいることは許せないと感じたという優理さん。山口さんに対して「真実を聞かせて」と問い詰めると、予想外に開き直った答えが返ってきただけでなく暴言まで吐かれたのだそうです。
「『妻でもないくせにうるさい。俺の勝手だろ』と言われました。そのとき、奥様以外に深い仲にある女性が私以外に2人いることも知りました。
それまで私は山口さんに奥様がいることは理解したうえで付き合っていましたが、他にも女性がいるとは思ってもいなかったので、その事実を知ってからは精神的にとても落ち込んでしまって…。私の代わりはいくらでもいるんだって現実を突きつけられた気がしたんです。
それに、“うるさい!”って言われたのもショックでした。山口さんにとって私は大事な存在でもなんでもなく、単に欲望を処理するだけの対象だったと思い知らされましたね」
その後、山口さんとは関係がギクシャクし山口さんのほうから「もう終わりにしたい。最近の優理はウザい」と言われ関係は終了。優理さんは自尊心が傷つき、以来、恋愛ができずにいるとのことでした。
「不倫って深入りするほど自分が惨めになるだけなんですね。不倫をする前の自分と比べると、いろんなことに自信を失いやる気も出ません。恋愛もする気にならず毎日をぼーっと過ごしているだけです。
そんな感じだから、仕事の成績も以前より落ちてしまいました。どうにか復活しないとって思っていますが、不倫をしていた自分が情けなくてなかなか自分への自信を取り戻せずにいます」
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並木まき
ライター・時短美容家。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。