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2022.10.18

日本とアメリカでは大違い。NPOで働くということ<元テレビ朝日プロデューサー転職実録#56>

仕事と自分の人生を見つめ直す社会人10年目。今回は、日本帰国後に始めたNPOの仕事のこと。元バラエティ番組の女性プロデューサー 古瀬麻衣子が考える「理想の人生」への近づき方。

古瀬麻衣子

これまでの連載はこちら

インスタで繋がる出会い

毎回、コラムの冒頭が保育園やら、ベビーシッターやら、仕事と育児の両立に奔走する姿を晒しておりますが、ここ数日間はこれまでにない焦りで、毎日が本当に辛かった。

我が家はまだ認可保育園に入ることが出来ていないので、非認可保育園も含めて、空きが出るのを待つ状況で、日々はベビーシッターさんに毎日来てもらっているのですが、来週から諸事情があり、別の外国人ベビーシッターさんが3週間代打で来ることになっていました。

しかし昨日その方から、急に来たメッセージが、、、

「Hello Maiko! Sorry I already got the full time job now.Thank you!」

勤務5日前にして、何の相談もないまま、フルタイムの仕事が決まったから、じゃあね!ってことです。

こういう洗礼ってアメリカではそれなりに受けていましたが、日本でも遭遇するとは予測しておらず、1分くらいメッセージを見たまま、時が止まりました。

来週から私はどうやって仕事を進めればいいのか。

一時預かりや他のベビーシッターさんを探しまくるしかないわけですが、仕事でクタクタになっていた私にはすぐに立ち上がる力が残っていなくて、、、ひとまずインスタのストーリーに愚痴をこぼしてみました。

その2時間後、まさかまさかで、友人がインターナショナル幼稚園で働いている方を紹介してくれて、一番助けて欲しかった日程でシッターをしてくださることに!

あとは夫や一時預かりを駆使して乗り越えられそう! もう泣きそうでした。いや、本気でちょっと泣いてた。

しかも、インスタのフォロワーの方々が、「本当に困っている時は、自分の子供と一緒に娘さんも見てあげますよ!」と、何通も何通もメッセージが。

ご近所付き合いならぬ、インスタ付き合いは今やすごい領域まで可能性を広げている気がしました。

そんなインスタから仕事まで得ている私ですが、前回からの続きをお話します!

携帯電話を見て笑う女性の会社員
(c)Shutterstock.com

日本とアメリカでは社会的な位置付けが違う、NPOのこと

現在、外資系のコンサルティング会社とNPOの二足の草鞋を履いて働いています。

どちらも元を辿るとインスタからの繋がりでご縁があった仕事で、私が女性のエンパワメントに興味を持ち、様々な発信をしていたことがきっかけでした。

今回はNPOについて語らせてください。

日本でNPOというと、「ボランティア?」「お給料が低いけど、社会課題のために頑張る正義感の強い人たち?」というイメージがどうしてもあるかと思います。

アメリカに行くまでは私にもその固定観念がありました。

しかしアメリカではハーバードのケネディスクール卒業生の2割くらいがNPOに入るというデータもあるくらい、社会的な位置づけが日本と違います。

一種の専門家集団として社会的インパクトが強い活動をしているNPOも多く、さらにアメリカは寄付の文化が根付いているので、NPOに集まるお金が日本とは桁違い。

よって、優秀な友人がNPOで大活躍し、もちろん高い収入を得ているのをNYで見ていました。

営利目的ではなく、事業や社会課題に利益を投資していくというやり方にとても興味を持っていて、SDGsやESG投資(E=Environment/環境、S=Social/社会、G=Governance/統治・支配・管理)要素も考慮した投資が声高に叫ばれている中で、これから日本でもNPOの存在感は大きくなっていく一方だと思います。

そんな意識が芽生えていた頃、NYの会社ではwebサイトの改修や今後の新規展開を議論することが多くなっており、エンジニアの方々とのやり取りも多くあったのですが、それまでテック業界で働いたことがなかった私はいつも色んなことにつまずいて、かなり苦戦を強いられていました。

プログラミングが出来る様にならないまでも、もう少しテック分野における勉強をしないと、時代についていけないな、、、と。

そんな私の目にたまたま留まったのが特定非営利活動法人 Waffleでした。

女子中高生にプログラミングトレーニングの機会を無償で提供し、テック業界のジェンダーギャップを解消することを目指しているNPOです。

文理選択をする前にコンピューターサイエンスの面白さに触れてもらったり、たとえ高校は文系に進んでいようとも、いつからでもプログラミングを学ぶことが出来ることを伝えようとしています。

今や、こんな活動が日本でも広がっているんだなと、その時はなんとなく創設者の田中沙弥果さんのインスタアカウントをフォローしただけでした。

その後、妊娠をし、日々に追われていたので、Waffleの存在を忘れていたのですが、出産報告のストーリーを上げた際に、なんとその田中さんから「おめでとうございます!」とメッセージが!

私のことを認識してくださっていたことに驚き、とっても嬉しかったわけです(後から聞いたら、Oggi.jpのこのコラムを読んでくださっていた! 嬉しい)。

しかも私が出産したのは女の子。これから彼女が学校でプログラミングを学ぶこともあるでしょうし、将来テクノロジーの分野に興味を持つことも大いにありうる。

なんだか、一気にWaffleの活動が私にとって身近に感じられるようになりました。

文理選択が当然のようにあり、なんとなく女子は理系に行くのは難しそうという先入観で文系に行った私。ですが実際は国語より、数学がすごく得意。

脈々と受け継がれてしまったバイアスの中で、誰もそのバイアスの存在を指摘してくれず、ただ前にあった道を歩いてきた私。

しかし、これからの子どもたちには、もっと遮るもののない、無限の可能性の中で生きてほしい。親になって初めて生まれた純粋な感情です。

そんな気持ちになっていると、やはり縁というのは繋がるもので、今年の7月初旬、インスタのストーリーでWaffleがプロジェクトマネージャー募集!とアナウンスしていたのです。

NPO、そしてテクノロジー分野で新たな挑戦をしてみたいと、私の根っからの好奇心がうずいてしまい、田中さんに「まだ応募できますか?」とDMをしたわけなのです。

私のキャリアはここまで来ると、ある意味、多様性の塊のような気がしています。

日本企業、米国の日系企業、外資系企業、NPO、フリーランスとしての活動。

この柔軟性を活かして、今Waffleでとても面白いプロジェクトをリードしているので、そのお話はまた次回!

古瀬麻衣子

1984年生まれ。一橋大学卒。テレビ朝日に12年勤務。「帰れま10」などバラエティ番組プロデューサーとして奮闘。2020年、35歳で米国拠点のweb会社「Info Fresh Inc」代表取締役社長に就任。現在NY在住。日本人女性のキャリアアップをサポートする活動も独自に行なっている。

Instagram:@maiko_ok_
HP

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